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パパとママと精霊の里と ①



「ベルレナ、遊ぼう~」

「うん!」




 わたしはパパとママと一緒に、精霊の里へ来ている。



 わたしが出会った頃から此処にいる精霊たちは全く変わらない。姿かたちが変わらないのは、それだけ精霊という存在は人とは違うんだなって思う。

 いつまでも無邪気で、一緒に遊んでいると凄く楽しい。




 パパとママも時々、一緒に遊んでくれる。まぁ、二人とも基本的にマイペースに精霊の世界のことを研究したりしているけれど。

 杖の材料集めに関してはニコラドさんが忙しいためまだ進んでいない。ただ精霊の里で、材料になりそうなものあったらくれるって言われているので色々見て回ったりしている。



 わたしはこの精霊の里に当たり前みたいに遊びにきていて、貴重なものを沢山見せてもらっているけれど、この場所って外からしてみれば珍しいものに溢れている。

 精霊の姿を見えない人の方が多いから、そもそも精霊の存在自体を信じてない人もいるみたいだし。





「ベルレナ、これとこれ、どっちが私の魔力が込められているか分かる?」




 精霊たちとの遊びの中では、走り回ったり、身体を動かすことが多い。でもこうやって魔力を使った遊びをすることも多い。




 今はね、精霊の里にある小さな石――これも魔石と呼ばれる力のある石みたい。

 その魔石に精霊たちが魔力を込めてくれて、どれが誰の魔力でしょう? というクイズを出されている。

 こういう魔力に関するクイズって、魔力の質などを感じ取る練習になるからためになるんだよね。



 それにしても精霊たちって、見た目は可愛らしかったりしても、濃厚な魔力を持ち合わせていたりして、凄いなって思う。それぞれ魔力が異なっていて、こういう一人一人の魔力を感じ取れるようになったら、便利そうだなと思っている。




「うーん……この二つって魔力の質、凄く似てる」



 でも魔力の違いを感じ取るのって、ちょっと難しい。



 特に小さな人型の、同じような魔力を持ち合わせている二人の精霊の魔力って凄く似てる。

 精霊たちは同じ場所から生まれたりとかもあるらしいので、特にそうやって同じ元の魔力から産まれた精霊の魔力は似ているみたい。



「ベルレナ、頑張ってー」

「私の魔力、分かってくれたら嬉しいなぁ」



 期待したようにわたしの方を見ている二人の可愛らしい精霊たちを見ながら、むむむと唸る。

 ……ちょっとだけこっちの魔石の魔力の方が、少しだけ濃い感じはするけど。うーん、難しいなぁ。



「ええとねぇ……、こっち!」

「残念! はずれだよ」

「そっかぁ……うーん、難しいね」



 上手くあてることが出来なくて、難しいなぁ……なんて思ってしまう。

 ユキアも一緒に遊んでいるので、今度はユキアがやってみることになった。



《こっち!》

「あたってる~」

「すぐあてるね」



 ユキアはすぐにその魔石がどの精霊のものか分かったみたいで、正解していた。



「ユキア、凄いね」

《僕は精霊獣だからね。そういう魔力を感じるのは人よりは得意だから》



 ユキアがそんな風に嬉しそうに笑うので、わたしはユキアの頭を撫でる。

 嬉しそうな顔をしているユキアを見ると、わたしも嬉しくなる。



「わたしもユキアみたいに、もっと魔力の質が分かるようになりたいな」



 わたしがそう言って笑えば、ユキアも精霊たちも笑ってくれる。


 それからクイズを沢山出してもらった。なんだろう、魔力を込める時の癖とかも、人によって違うみたい。魔力の性質というのは人それぞれ違うけれど、それを偽装する術もあるんだとか。

 魔力だけで判断するのもそれはそれで、間違いにつながることもあるってことだよね。




 やっぱりそういう先入観とか、当たり前のこととかを決めつけてしまっているというのは駄目だよなとは思っているの。

 それから何度も何度もクイズを出してもらったのだけど、全然当たらなかった。というか、精霊たちも面白がって凄く難しくしてたもん。こういうクイズをすぐに当てられるようになったら、もっとわたしは魔法が得意になれるのかな?




 精霊たちは魔法が得意な存在だけど、その精霊たちから凄いって思われるように頑張りたいなぁ。




 パパとママもそのクイズにその後答えていたけど、うん、全然間違えてなかった。ニコラドさんも同じようにこういうクイズを簡単にあててしまうのかな?

 わたしは出来るようになったこと増えていると思うけれど、全然追いつける気がしないなぁってなる。



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