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杖の材料について ①

「ねぇ、パパ。ニコラドさん、いつ頃来るの?」

「仕事があるからもう少しかかると思うが。俺が見てやろうか?」

「パパにはまだ秘密なの!!」

「……そうか」

「パパ、ちゃんと完成したら見せるから!!」



 パパは少しだけショックを受けた顔をしたけれど、わたしがそう言ったら笑ってくれた。



 わたしは杖の図案を完成させたので、ニコラドさんに相談しようとしているのだけど……、ニコラドさんは忙しいみたい。

 同じ魔導師でもパパとママみたいに好きなことだけ過ごしているってわけでもなくて、ニコラドさんは忙しいもんね。色んな人と関わりあっているニコラドさんは、色々予定があるのだろう。



 わたしは杖の図案を考えると凄く楽しくて、早く自分で描いたものをニコラドさんに見せたいなって思っているのに!

 でもまぁ、ニコラドさんは忙しいから仕方がないよねということで自分で材料について色々まずは調べてみることにした。わたしが杖についてもっと調べておいたらニコラドさんも凄いっていってくれるかな?



 わたし、褒められると嬉しくなるもん。



 書庫のわたしのよく読む本が置かれているエリアには、杖に関する本も増えたの。

 パパとママが買ってくれたものと、わたしが自分のお金で買ったものも増えたから結構な量があるんだよ。




 杖の材料って結構色んなものが使われるみたい。色んな効果をつけるためには本当に色んな材料を使えるんだとか。……うん、本当に杖の可能性って結構無限大なのかも。量産型の杖はともかく、一つ一つ作る杖って本当に色々ありそうだもん。一から杖を作る人がどれだけいるかは分からないけれど、杖を持っている相手と対峙する時は気を付ける必要がありそうだよね。

 対峙する人から魔力を奪う杖とか。そういう性質の魔物の角とかがあるらしくて、それを使った杖とか。魔力を奪われ続けたらよっぽど魔力が多い人じゃないと大変なことになりそう。



 そういう効果がないと思って杖を作っても、思ってもない効果を発揮してしまう場合もあるみたいだからその辺はちゃんとしないと。あとね、一つの材料だと問題なくても、掛け合わせると大変な効果の杖になったりもするみたい。

 杖づくりってそれだけ難しくて、効果をよくしようって色々掛け合わせたら呪いの杖みたいになったものとかもあるみたい。




「強い魔物の素材だと、その念が残っているとかもあるのかぁ……」



 死してもなお、その念を残しているみたいな状況もあるみたい。杖の材料となった後にも意思が残っているみたいな。だからそういう強力な素材を使う場合は色々注意みたい。




 それにしても身体がなくなっても残っているって、身体を奪われたばかりの頃のわたしみたい。

 わたしも身体をあの子に取られて、自分が何者か分からない状況でさまよっていたもの。

 そういう意思が残ったままの魔物の素材も、もっと生きたかった、消えたくないってそういう気持ちがいっぱいってことなのかな。



 そう考えると、そういう意思を持った道具ともわたしは仲良くなれたりするのかな?

 そういうちょっとした好奇心が芽生える。でもその後、首を振る。




 意思のある杖とかだと、本当に危険な物が多いみたい。なんかね、危険なことが起こらないように厳重に封印されていたりするらしい。そういう杖をわざわざ手に入れたいって行動する人もいるんだって。

 そう考えると、わたしだけの判断で材料を決めるべきではないよね。

 素材を早く集めたいなってそういう気持ちになってしまうけれど、わたし一人で勝手に材料収集とか多分しない方がいい。

 そう考えると、ニコラドさんはいつ来るのかなってそういうワクワクした気持ちでいっぱいになった。





「ニコラドさん早く来ないかなぁ」



 小さめの杖にどんなふうに効果を入れ込むか。

 そのあたりの技術って凄く難しそう。杖を作る職人の人ってこういう技術を全部持っている人ってことなのかな? 凄いよね。




 例えば魔力を回復させるような杖にするとしても、その効果をどのくらいの割合で発揮できるか。それってその技術次第で変わりそうなんだよ。

 魔力を空気中から吸収するような鉱石とかも扱いが難しいみたい。



 わたしはパパとママ、それにニコラドさんにも沢山のことを教わっているけれど、まだまだだからなぁ。どうせなら素材の良さを百パーセント引き出したいなぁ。



 その分、素材も沢山消費してしまうことにはなりそうだけど……、うん、その素材も頑張って自分で手に入れたいな。

 そうやって本を読んでいたら、ニコラドさんが屋敷にやってきた。



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