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おかえりなさいと迎え入れる ②


「パパ、もう問題は解決したの?」

「ああ」



 パパはわたしの言葉に頷く。



 わたしは流石パパだなとそんな気持ちでいっぱいになる。

 パパが居ればきっとどんなことであっても、すぐに解決できるんだろうなって。



「流石パパだね!!」



 わたしがそう言って笑えばパパは少しだけ変な顔をする。




「パパ、どうしたの?」

「いや、ベルレナは俺が何をどうしてきたかとか聞かないなと思ってな」

「うん。だって、なんていうかパパがそんなことを聞くってことはパパは何かしらひどいことをしてきたのかなって思う。私に言ったらって気にしているのかなって。でもわたしはパパが思っているよりもずっとパパのことが大好きで、パパが何をしていたっていいかなって思ってるの」




 パパはわたしから嫌われたらどうしようとか、そういうことを気にしているんだと思う。でも本当にパパがどんなことをしていてもわたしはパパのことが大好きだって思う。




「そうか」

「うん。それに今回の場合は、住居にいきなり侵入してこようとしたことが悪いんだって思うし。それに、そういう理由じゃなかったとしてもパパがやるって決めてやったことならわたしは気にならないって思うの」




 わたしはパパのことを信頼している。


 パパが決めたことなら仕方がないのかなとそんな風にさえも思っている。周りからしてみれば少しだけ怖い魔導師に見えてしまうかもしれない。

 パパが怖がられたり、冷たい人だって思われるのは嫌だけどパパが決めた行動でそう思われるのならばそれはそれで仕方がないとも思う。

 ただわたしだけはどんなパパでも受け入れるわたしでありたいって思う。



 ママだってニコラドさんだっているからパパが独りぼっちになることなんてありえないと思うけれど、それでもわたしを見つけてくれて、娘にしてくれたパパが独りぼっちになるのは嫌だもん。



「ちょっと煩わしかったから、もう侵入してこないように馬鹿なことを考えている主要者の精神は壊しておいた」

「そうなの?」

「ああ。自分が王族だから俺が下るのが当たり前だという態度だった。あとは思考を頭の中を軽く見たら、脅迫や無理強いを考えるようなやつだった。それで俺の元へ来るまでも色々やらかしていたみたいだった」

「そっか……」

「だから鬱陶しいからもう二度と馬鹿な真似をしないようにした。怖いか?」

「ううん。パパがそういうことをしたのはびっくりしたけれど、パパはパパだから。幾ら王族だろうとも、パパが嫌がることを無理やりやらせようとする権利はないもん。それにパパだってもう少し話が通じる相手だったらそんなことはしなかったでしょ?」

「ああ。そもそも話が通じる相手なら、結界を壊そうとしたりはしない」



 パパの言葉に確かになとは思う。



 魔導師という存在のことを正しく理解しているのならば、無理強いなんてしない方がいいのだ。



 パパもママも、ニコラドさんも、アイスワンドのダニエメさんも……皆自由なのだ。それでいて誰かが制御したりとかできるような人たちじゃなくて、凄く強い力を持っている。

 アイスワンドは、魔導師であるダニエメさんと良い関係を築いている。そういう風にまだ平和的な取引とかで、魔導師が望んで国に関わるのならば問題なかったんだろうけれど……。




 今回の場合はパパはそもそもそういう国からの遣いと会う気もなかった。なのに無理やり結界を開けて、パパに無理やり関わろうとした。

 そういうことをしてしまったからこそ、パパは怒ったのだ。

 最初からパパが話し合いなんてする気がないと分かったならば引けばよかったのになって思う。そしたらパパだってそんなことをしなくて済んだのに。





「パパが嫌がっているのに関わろうとすることやめてくれればいいのにね」

「しばらくはやめるだろうが、また百年もすれば馬鹿な奴らは出てくるかもしれないな」

「そっか。寿命で人は亡くなるもんね。その人の子供とかに伝わらないってこと……。んー、どうにか手出ししてこないようになればいいのにね」

「どこかの魔導師をどこかの国が怒らせて国が全壊になったらそうなりそうだけどな。しばらくは」

「……それはそれで嫌だなぁ。魔導師をそういう怖い人って思ってほしくない! でもそう思われないと手出しされるかもって……うーん、難しいね」




 怖い人だって認識はされたくないとは思う。

 だけど、多分そうしなければ力づくで分からせなければどうにもならないこともあるんだろうなとも思う。



「そうだな。結局こういうのは難しい」





 パパの言葉にわたしは頷いた。

 パパたちが嫌がっているのに近づいてくる人たちがいなくなればいいなってそう思った。



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