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屋敷の中でのんびりと過ごす ②

 家族で朝食をとった後、わたしはユキアと一緒に魔物のノートの続きを書いている。



 わたしが出会ったことがある魔物たち。パパとママが色んな場所に連れて行ってくれるから沢山の魔物を見ることが出来るけれど、こうして絵に描いてみて、書庫の本とかを見ながら特徴を書くと私では相手が出来ないぐらいに怖い魔物が沢山いる。



「ユキアは、どのくらいの魔物なら相手に出来るの?」

《え、どうだろ? 僕自身はそこまで魔物と戦っているわけじゃないしなぁ》



 わたしとユキアは山の中をぶらぶらしているけれど、基本的には襲ってこない魔物と戦ったりしていないから必要最低限である。ユキアはそこまで魔物と戦ったりしていないのだ。

 ユキアは自分の力をどんなふうに使えるかとかは分かっているからある程度の魔物は相手に出来そうなイメージだけど。



《僕の親も結局人に下されて亡くなったわけだし、僕が幾ら力の使い方知っていても誰にでも勝てるって思ってたら同じことなりそうで怖いかな》

「……そっか。その時の記憶も、ユキアは記憶として持っているもんね。うん、やっぱりわたしがユキアを守るよ」



 わたし自身、パパとママに守られて生きていて――わたしの手のひらで守れるものなんて限られているかもしれないけれど。やっぱりいつかは――パパとママのことだって守れるようなわたしになりたいって思う。



「ねぇねぇ、ユキアはこの魔物にはどんな攻撃が効くと思う?」

《そうだね、僕なら――》



 そうやって、わたしとユキアは魔物のノートを埋めながらユキアとそんな会話を交わす。



 その魔物に襲われた時に、どんな対応をしたら死なずにすむか。そういう情報って大事だと思う。

 例えばアイスワンド周辺の魔物だとね、毛でおおわれた魔物も多い。寒い地域だからこそなのだけど、ああいう魔物は攻撃が通りにくいし。

 それに魔物の中には魔法を反射するみたいなびっくりする特徴を持つ魔物もいるのだ。パパやママのように力がある人だと、その反射に耐えられないぐらいの魔法をぶつけて力技でどうにか出来たりもするらしい。……パパもママも本当に反則的だよね。

 パパやママから魔法以外の戦い方も習ってはいるけれど、わたしは基本的に魔法以外はそこまで使えるわけではない。身体強化の魔法を使って武器を扱うことはしているけれど、魔法が使えない環境でもどうにかするためにもっと戦えるようになりたいなとは思う。


 パパとママは魔導師で、苦戦している様子なんて見たことがない。

 パパとママも昔は……、わたしぐらい子供の頃は苦労をしていたりしたのかな?

 わたしはそんなことを考える。




 二人とも子供のころからきっと可愛かっただろうなぁ。その頃の様子が見れたら良いのになんて思う。

 魔導師ならば過去の姿を見せることとかも出来たりするのかな?

 そういう魔法があるなら昔のパパとママを見てみたい気もする。




「ユキアはパパとママの子供時代ってどのくらい可愛かったと思う?」

《えー? んー、分かんない》

「ユキアは興味がなさそうだね。わたしは二人の子供時代とか見たいけどなぁ」

《それなら子供産んでもらった方がはやくない? 二人にそっくりになると思う》

「それ素敵! でもパパとママの関係性も複雑だからなぁ。あんまり無理に色々勧めたら変なことになりそう。だから二人がそういう関係になるまでのんびり待った方がいいかなーって思うの」




 パパとママは恋愛をして家族になったわけではない。ママはパパが好きだけど、パパの方はそういう気持ちではないと思う。



 わたしが幾ら二人に仲良くしてほしいなって思っても無理やりは駄目だもんね。

 ……わたしが寿命を終えてから、そういう楽しいことが起こるのかもしれない。

 わたしはそういうずっと先を生きるパパとママのことを考えると、将来のことを色々考えてしまう。




《僕の親の記憶をさかのぼると惚れ薬とかの作り方とかもあるけれど》

「駄目だよ! というか、そんな怖いのあるの?」

《そんなに危険なものではないよ。ちょっとだけ気持ちを興奮させるみたいなそういうものみたい。だから生物の心を無理やりどうこうするようなものではないよ》

「へぇ」

《でも惚れ薬って名前だからそこそこ悪用もされたみたい》

「やっぱり惚れさせて好き勝手したいみたいな人もいたってこと? 薬って使い方ちゃんと考えないと駄目だよね」



 薬は使い方をちゃんとしないと駄目だよなとは思う。



 強すぎる効果のものは幾ら身体によいものだって思われていてもとりすぎると大変だって話だし。でも本とか読んでいるとそういうものを沢山とりすぎちゃう人もいるみたい。

 わたしもパパに習って色んなものを作っているけれど、それも使う人によっては悪用しちゃうってことだよね。

 ……自分が関わったものを悪用されるのは嫌だなと思うから、そのあたりはちゃんと考えないとね。




 今はわたしが作ったものはパパが管理してくれて、ちゃんとしたところに回してくれているけれど……大きくなったら自分でそのあたりもちゃんとしないとなと思う。



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