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ロナさんとぶらぶらする ②


 旅人や冒険者の道具が並んでいるお店に向かう。



 パパが転移を使えるから、こういう道具と結構無縁だったりする。こういう道具を自分で使ってみるのって楽しそうだとワクワクしながら店内を見る。



 そのお店の中には冒険者の人もいた。

 この街は冒険者がそこそこいるみたい。わたしよりも、何個か上の男の子が冒険者として頑張ろうとしているのを見るとなんだかすごいなという気持ちになった。



「ねぇ、ロナさんはどれがいいと思う?」

「そうねぇ。実用的なものはこういうのだけど……」



 そういいながらロナさんが指を刺したものは、確かに実用的かもしれないけれどあんまり可愛くなかった。



「うーん、もっと可愛いのがいいな」

「可愛いものだと、此処にあるかしら?」



 ロナさんと一緒に店内を見て回る。あんまり可愛いものってなさそうだった。やっぱりここは旅人や冒険者たちが実際に使うためのお店だから、実用的なものが多いんだよね。旅に可愛さは要らないって思想なのかな? 命の方が大事だからそういうものなのかもしれない。



 あとは冒険者は女の人より、男の人の方が多いのかな。だからこそ、可愛いものってあんまりないのかも。



 そんなことを思いながら店員さんに欲しいものの情報を告げたら、女性向けのものだと別のお店の方がいいっておすすめしてくれた。

 自分のお店で買ってもらった方がいいだろうに、客の声を聞いて他のお店をおすすめしてくれるって凄く良い人だと思った。



「ありがとう!」



 教えてくれてありがとうとお礼を言ったら、その人も笑ってくれて嬉しかった。

 それからロナさんと手を繋いで、おすすめしてもらったお店へと向かった。

 そのお店に入ると、にこにこと笑う可愛い店員さんが迎え入れてくれた。



「まぁ、可愛い子! うちのお店に何の用?」

「ありがとう、お姉さんも可愛い!」



 茶色の髪の可愛い女性に可愛いって言われたから、わたしも可愛いって返したらにこにこと笑われた。



「あのね。秘密基地を作っていてそこに色々置こうかなって思ったの。それで買い物に来たの。ここのお店に可愛いものが多いって聞いたから」

「そうなのね。秘密基地ってワクワクするわよね。どういったものがいいのかしら? ところでこちらのお姉さんは貴方のお姉さん?」

「ロナさんはパパのお友達なの。ロナさん、凄く可愛いよね。ロナさんに似合うものも買いたい!」

「お父さんのお友達なのね。とてもきれいだから、選び甲斐があるわ。でもまずは、秘密基地の方から選びましょうか」

「うん!」



 わたしは店員さんがロナさんのことをほめているのが嬉しくて、笑ってしまう。

 ロナさんはちょっと照れていて、そういうところも可愛いよね。




 それからまず、わたしたちは秘密基地に置く家具を選んだ。おすすめされたこのお店は、店主がこの可愛い女の店員さんみたいで、可愛いものが好きだからって可愛く実用的にしているらしい。

 簡易ベッドとかも可愛い桃色とかがあって、わたしはワクワクした。




「冒険するにしても、可愛さはやっぱり重要だと思うのよね。可愛いものは見ているだけで楽しくなるもの」

「うん。わたしもそう思う! 可愛いもの見ていると幸せな気持ちになるもん」



 そういう会話を交わしながらわたしは簡易ベッドとか、料理をするための持ち運びの魔法具とか、色々手に入れた。ロナさんの意見も聞きながら選んだのだけど、沢山話が弾んで、選ぶのも楽しかった。


 秘密基地に置く家具のことを選んだあとは、ロナさんに似合うものを選ぶことにした。



 このお店って旅人や冒険者向けのものがメインだけど、普通の洋服もあるの。あとは旅装束とか。そういうのも可愛いものが多くて、見ているだけでワクワクする。こういう普段着とはまた違うもの着たら、パパは可愛いって言ってくれるかな?

 そんなことを考えるだけで楽しい。




「ねぇねぇ、ロナさんはこういうスカートが短いのとかははいてみない?」

「いや、これはちょっと……」

「下に着れば大丈夫ですよ。下着も見えないし」

「……えっと」

「ちょっと着てみようよ、ロナさん」




 わたしと店員さん……じゃなかった店主さんと一緒にロナさんに言えば、ロナさんがその服を着てくれた。少しだけスカートの丈は短いからか、試着したロナさんが顔を赤くしていた。

 パパにもこういう姿を見せたら、パパもドキッとしたりしないのかな? でもパパが誰かにドキドキしているの想像できないな。




「今時の子はこういうのを着て旅をするの……? 信じられないわ」

「全員ではないですよ。でもこういう可愛い服を着て旅をしたいって子も増えてるんです。これもちゃんと防御力はあるのよ!」




 ロナさんが旅をしていたのはずっと昔だからか、その頃はこういう可愛い服で旅をしている人あんまりいなかったのかもしれない。


 それからロナさんに色々着てもらって、いくつか服をプレゼントした。ロナさんは遠慮していたけれど、パパの前で着てほしいもんね。



 わたしもそこでいくつか気に入ったものを買ったの。


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