秋、山に行く ①
今年も秋がやってきた。
秋って夏の暑さがなくなって、丁度良い季節だよね! 季節ごとにがらりとわたしとパパの過ごしている山の植物も変わって行って面白いなと思う。
わたしは魔法の練習を続けていて、結構魔物を倒したり、解体とかもやり始めた最初の頃よりは出来るようになったんだよ。パパはね、わたしが出来るようになるとすぐに褒めてくれて、わたしはパパに褒められると嬉しいからもっと頑張ろうってなるの!
一部の場所にはユキアと二人で行くのも許可をもらえたの。頑張ってきた証だなって嬉しい。まぁ、危険な魔物もこの山の中は多いから、わたしが対応できない魔物がいれば呼べばすぐに駆けつけてくれるっていってくれた。
パパって過保護だけど、わたしのことをちゃんと成長させようとしてくれているの。わたしはね、パパってそういうところが素敵だと思っているの。
「ねーねー、ユキア。パパって凄くかっこいいよね!!」
《そうだね。それにしてもベルレナはディオノレさんのことが大好きだよね》
「うん。パパのことが、大好きなの。パパってね、とっても素敵なの。パパがわたしのことを助けてくれたからというのもあるけれど、パパってわたしが知る中で一番かっこいいと思うの」
ユキアに向かってそう言ったら、ユキアは呆れたように息を吐いた。
多分、わたしがパパの娘だからひいき目も凄くあると思う。それでもパパはかっこいいなぁって思っている。
《ディオノレさんは魔導師だし、他にない感じはするよね》
「うん」
そういう会話をしながら、山の中を歩く。
秋の色づきが視界をしめる。赤く色づく葉を見て、気分が和む。
わたしはパパに見つけてもらってから、この山でずっと暮らしているけれどまだまだ山の中で見たことがない場所多いなぁと思う。
ユキアと一緒にゆっくり歩いていたら、芋虫のような姿のわたしと同じぐらいのサイズの魔物の親子が見える。
見つからない限りは戦わなくていいと思っているので、こっそりと隠れながらその様子をみる。
落ちている落ち葉をもぐもぐ食べているみたい。この山の中って大きな木もいくつかある。本当にびっくりするぐらいのすっぽりと一つの建物ぐらい入ってしまいそうな太さの幹のものもあったりする。その中で巨大な葉っぱも見たことがある。そういうわたしが眠れるぐらいの大きな葉っぱだと、ベッドとかに出来そうな感じなんだよね。そういう魔物も見たことがあるし。
「落ち葉っておいしいのかな?」
《食べれるのもあるかもだけど、人間は食べないんじゃない?》
「あんなに大きな見た目だけど、肉食ではないんだよね。見た目通りでない魔物って結構いるよね。パパは山の中は危険な魔物多いよって言ってたけれどただ生活しているだけでこっちに襲い掛かってこない魔物も多いよね」
《当たり前に生活しているだけだもんね》
ユキアとぶらぶらしていると、色んな魔物の姿が見える。
わたしの姿を見た瞬間、本能的に襲い掛かってくるみたいな魔物もいて、そういう存在に会うと結構びっくりしちゃう。
やっぱり襲われてしまうかも、対応しないといけないと思っていてもいざ襲い掛かってくると怖いよね。
パパが油断は禁物だって言っているから、弱そうな魔物にもわたしは油断はしないの。そもそもこの山の中だと、わたしは弱い方だからね! それに幾ら弱く見える生物でもわたしを殺す力がある生物って世の中に沢山いると思うもん。
わたしは、パパが拾ってくれた命をやすやすと失う気はないもん。
魔物の本は結構読んでるし、情報は分かっているつもり。だけれど、実際に遭遇してみないと分からないことって沢山で、面白いなと思う。
ユキアと一緒に山をぶらぶらするようになってから、山の中で暮らす魔物の観察をよくしているの。そしてその特徴とか、パパが買ってくれたノートにまとめていたりする。こういうのも凄く楽しいの!
ユキアは文字は書けないのだけど、わたしが見落としている情報を覚えていてくれたりして、頭が良いなぁと思う。精霊獣だからなのかな? 使い魔によっては単純なことしか理解できない子もいるみたい。でもそれはそれで可愛いのかな? 自分が契約している使い魔だったらきっとどんな子でも可愛いよね。ずっと一緒に居たら大好きになりそうだよね。
ノートをまとめてパパに見せると間違った情報は教えてくれたりする。パパは流石だなっていつも嬉しくなる。わたしのパパが物知りで、流石だなって思うと嬉しい。
絵も描いているのだけど、正確に描くの難しいんだよね。
いっぱい描いてたらもっと魔物の絵、うまくなるかな? 何事も練習だよね。
パパには「魔物の絵が描けるようになってどうするんだ?」と言われたけど、描きたい気分だもん。




