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海へ遊びに行こう ⑦

 翌日も街をぶらぶらと歩いている。パパと一緒に祭りを見て回るのは本当に楽しい。



 事故が起こりかけたからというのもあって、しばらくあの競争は中止になったようだった。

 でも変わりになる目玉のイベントもいろいろあるらしく、街の人たちは臨機応変に動いている様子。



 こうやって何かあった時に一致団結して動くのっていいよね。もちろん、問題が起こらないようにするのが一番だけれども、起こった時にどうするかが重要だよね。よっぽど完璧な人でもかならずどこかで失敗はするものだし。



「ねぇねぇ、パパ、あっちのほうに吟遊詩人の人が来ているんだって。ちょっと話聞いてみようよ」



 祭りという沢山の人が訪れる場なので吟遊詩人も訪れているらしい。

 吟遊詩人の人の話を聞いてみたくなって、わたしはワクワクしながら集まっている人たちの中に混ざる。



 そこで語られているのは、過去に強大な魔物が現れた時に倒したという話についてだった。なんだか英雄のような存在が現れてと話しているのだけど……。なんだかその語られる英雄のことを私は知っているような感覚になった。……ニコラドさんの見た目に似ている?

 パパをちらりと見れば、パパが何とも言えない顔をしていた。




「ねぇねぇ、パパ。吟遊詩人の人が語っているのニコラドさんの見た目と一緒だね」



 こそこそとパパに話しかける。



「……あいつだ」

「え?」

「あいつが昔にそういうことをやったのは俺も知っている。俺もその場に居た」



 パパがわたしにだけ聞こえるような小さな声でそう言った。



 本当にニコラドさんなんだとわたしはおどろく。でもそうか。ニコラドさんも魔導師だから長生きしていて、その分、ニコラドさんだって色んなことを成しているのだ。それにパパと違ってニコラドさんは結構人に関わりながら生きているんだって言っていたもんね。

 だからこそニコラドさんは結構人の世界に名前が残っているというのもあるのかも。



 ニコラドさんもすごいなぁ。



 それにしても吟遊詩人の語る魔物が、三階建ての家よりもずっと大きい存在だったと知ってびっくりした。そんなに大きいと怖いと思う。でも魔導師であるパパやニコラドさん、それにロナさんならそういう魔物もすぐにどうにか出来るんだろうけれども。

 それにしてもこういう遠く離れたところでもそういう伝承が残っていたりするのが魔導師なんだろうなって思う。




 吟遊詩人の話を聞いた後は、またパパとぶらぶらとした。



 やっぱり祭りというのはなんだか皆が楽しそうにしていていいなぁと思う。なんだろう、日常とは違う特別感? 皆が皆はしゃいでいる様子というか……。それに何よりパパが隣にいてくれることがわたしにとっては毎日がお祭りみたいな気分になるんだけどね!



「パパ、お祭りってやっぱり楽しいね! 



 わたしがそう言って笑えば、パパも笑ってくれる。




 ――そしてそうやって楽しく過ごしているうちに驚くことにあっという間に祭りの最終日に突入した。最終日には海の中に神様への貢物を投げ込むって行事があるらしい。夜に行われるらしくて、わたしは頑張って眠らないようにしていた。



 結構わたしは夜に規則正しく寝ているから、この時間まで起きていると少しだけ眠くなっていた。

 パパには眠っていてもいいと言われたけれど、折角だから見たいんだもん。




 夜の海はまた違った雰囲気。

 波の音がする中に沢山の人が集まっていて、それに蝋燭でその場が照らされていてなんだか幻想的だった。なんて綺麗な光景だろうって――そう思ってわたしは目を輝かせてしまう。

 そしてそんなわたしの目の前で、まずは海岸で踊りがなされる。神様にささげる踊りってことかな? それにしても衣装がひらひらで可愛い。袖が結構長くて、踊っているとそれがひらひらしているの。すごく素敵な光景!



 そしてそれが終われば沢山の物が海の中へと投げ込まれた。



 なんだか不思議な光景。



 でもこれが祭りとして成立していて、この街の人たちにとっては当たり前のことなんだよね。彼らにとっての海の神様への祈りが、本当にその神様に伝わればいいなぁとわたしはそんなことを思った。



 そしてそれを見終わった後、流石にわたしは眠くなって宿に戻るまでの間に眠ってしまった。パパが抱きかかえてくれてベッドに連れて行ってくれたみたいで次に起きた時にはわたしはベッドの上であった。






 そしてその後、わたしはパパと一緒に屋敷に戻った。

 それにしてもパパと海に行くのとっても楽しかった。



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