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海へ遊びに行こう ①

 夏がやってくる。

 太陽の光が窓から差し込んでいる。

 わたしは目を覚まして、その眩しさに思わず笑ってしまう。



 暑すぎると何だか気持ち悪くなってしまうかもしれないけれど、この屋敷ではパパの魔法がかけられているから全く暑くないの。やっぱりパパってすごいよね。

 わたしはパパの凄さを実感すると、とても嬉しい気持ちでいっぱいになるの。



 魔法がかかってない中、暑い外に出てしまうと大変なことになるってパパが言っていた。気持ち悪くなって倒れたりするんだって。

 あと夏になると活発に動く魔物も多いから気を付けるようにともパパにも言われている。



 まだまだわたしって、この山の中を自由には駆け巡れないの。パパは過保護で、わたしも結構魔法が得意になったのにまだ駄目だって言われる。実際にわたしが魔物退治したことのある魔物よりもこの山の魔物は強いから仕方がないかもしれないけれど……。

 そんなことを考えて、わたしは今日も魔法の練習を頑張ろうと決意する。




 わたしは全属性の魔法が使えるから、勉強しなければならない魔法も膨大にある。有名な魔法使いの中には一つの属性だけを極めている人もいるけれど、わたしはパパみたいに沢山の魔法を使えるようになりたいのだもの。

 パパはわたしにとって凄くあこがれだから。



 でも一番得意になっているのは火属性の魔法だ。何だろう、息をするようにというか、凄く使いやすい。周りを燃やさないように気を付けながらだけど、魔法によって顕現する炎ってすごく綺麗だと思うの。

 あまりに綺麗で自分の魔法に触れて火傷しそうになって、パパに怒られたこともあるぐらい。




 屋敷の側で炎を出現させる。

 ちなみにユキアは傍で楽しそうにわたしが魔法を扱う様子を見ている。




 ユキアはアイスワンドで出会った卵から産まれたのもあって、水とか氷とかそういうものを操る事が出来るみたい。といっても産まれたばかりだからまだちょっとだけど。




 そういえばユキアも連れて精霊たちの元へ行ったら、「僕らとも契約しよう」と誘われたけど一旦保留にしている。ユキアとはああいう経緯があって契約したけれど、契約ってやっぱり真剣に考えなきゃだもん。でもわたしがまだ考え中といっても精霊たちは笑ってくれていた。





「ベルレナ」

「パパ!!」




 魔法の練習をしていたら、パパがやってきた。

 何だろうさっきも会ったのにパパの姿を見ると何だか嬉しい気持ちになってわたしはパパに駆け寄る。パパはわたしを見て笑っている。パパが笑っていると何だか嬉しいな。





「ベルレナ、今年は何処に行きたい?」

「どこか連れて行ってくれるの?」

「ああ」




 パパは本当に、わたしに甘い。わたしのことを喜ばせようと色んなことをしてくれようとしてくれている。

 ただパパと過ごしているだけでも幸せだけど、パパがこうやってわたしのことを考えてくれているからわたしはもっと幸せな気持ちになれるんだ。



 それにしてもどこに行きたいか……。

 やっぱり夏らしいところに行った方が楽しいかな? パパと一緒に夏を満喫できる場所に行きたいよね。そう考えてわたしは口にする。





「じゃあ、パパ。海に遊びに行こうよ!」

「そんなのでいいのか?」

「そんなのって、パパと海に行くのはとっても楽しいんだよ? わたしは想像しただけでも楽しそうだなってワクワクしているの」




 パパはそんなのなんていうけれど、とっても楽しいことなんだよとわたしは伝える。

 パパと一緒に過ごして、色んな場所に行けるだけでも幸せで仕方がないのだ。



 わたしの言葉にパパは笑って、わたしの頭を撫でてくれる。そうしたらユキアもパパに撫でてほしくなったのかパパの足に顔をおしつけてすりすりしている。ユキアも可愛い。

 ユキアのこともパパは頭を撫でている。ユキアが嬉しそうな声をあげていて、わたしも嬉しくなった。





 パパと海に行く計画を立てる。




 とはいっても行き来はパパの転移魔法で一瞬だけれども、海で何をしようかと考えるのも大事だよね。それに海と言っても色んな海があるの。前に行った海とは違う所に行くのもいいのかもしれないとか色々考えるとわくわくする。




 それにね、夏になると海岸で催しをやったりする街とかもあるんだって。

 海のことを考えながら色んな本を読んでいたらそういう記述を見つけたの。そういうのを見るのも楽しそうだ。でも誰もいないような海でパパと一緒に遊ぶのも楽しいのかな?




「ねぇねぇ、パパはどっちがいい?」

「両方行けばいいだろ」

「パパ、天才! うん、両方連れて行ってもらえるなら両方行きたい!」



 どちらにしようかなと悩んでいたけれど、両方でいいんだよね! どんなふうにどこの海で楽しもうかと考えてわたしは笑みを溢すのだった。



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