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人違いで天界に…

 ボーナスが出た数日後、家の家電製品を新しく購入しようと電車で家電量販店に向かっていた。


 駅に着き横断歩道で信号待ちをしていると、暴走した車がこちらに向かってくる。


 これはヤバい気がする! と、思い走って移動すると俺のすぐ近くの電柱にぶつかって車は止まった。


 危なかった!と思っていたら急に視界が何かの建物の中に変わり、扉が現れる。



「どうぞ、お入り下さい」


 と、女性の声が聞こえて中に入ると、信じられない程美しい女性が座っていた。


「鈴木浩さん、若くて能力のある貴方は暴走する車に轢かれそうになっていたので私がこの世界に体ごと呼び寄せました。貴方には申し訳ないのですが元の世界に戻す事は出来ません。ですから異世界に行って頂きたいのです。」


「あの、すみません、私の名前は倉田悠真(くらたゆうま)って言うんですけど、人違いされていませんか?」


 女性は物凄く動揺し、


「えっ! 誰よあんた! 私の選んだ優秀な人物でも無いしなんなのよ!」


「恐らくですけど、人違いされているのでは?私は欲しかった家電製品を買いに行かないとならないので元の場所に戻して貰えませんか?」


 女性は小さく呟く。


 ヤバい! どうしよう? 間違えてこんな奴を呼び寄せたってバレたらエリート女神の私のポジションが! あっ! そうだ! こいつの存在その物を無かった事にしてこっそり地獄に送ってしまえば! うん、そうしよう!


 と、その時後ろに男性の姿が現れる。


「ほ〜、そうか、間違えたからバレないようにそいつ消そうとしてたのか〜」


「そうなのよ〜 って神の頂点、最高神様じゃないですか〜、どうされたのですか?」


「モニターで見ていたんだがお前目的の若者と間違えて隣に居た彼を呼び寄せたな? 目的の若者は亡くなって天国に行く手続きしてたぞ。お前は日本担当から外す事にする。」


 女神様は左遷されたようだ。


「済まなかったな、えっと、倉田悠真(くらたゆうま)だったか? 残念ながら天界の規定で元の場所に戻してあげる事が出来ないんだよ。この世界に体ごと呼び寄せられると同時に今まで居た世界に存在しなかった事になってしまうんだ。」


「えっと、今までの暮らしが消されたって事ですか?」


「そう言う事だ、君が生きた40年位を無かった事にしてしまって申し訳ない。元の世界とは違う異世界であれば送る事が出来るがどうする?」


「はぁ、分かりました。もし、こちらの条件を受け入れて貰えるのであれば異世界でも構いません。」


「ありがとう、で、君の言う条件って言うのは?」


「はい、私は携帯小説を読むのを楽しみにしているのです。それがいきなり存在しなかった事にされて異世界に行ってしまうと楽しみにしていた携帯小説が読めなくなってしまいます。ですから、携帯をその世界に持ち込んで読めるようにして頂きたいのです。」


「あぁ、何だそんな事か、その程度造作もない!その携帯の機能は全て使える様にしよう。異世界であれば分からない事も沢山出て来るだろうからこれから行く世界の事も検索できる様にしてあげよう。」


「ありがとうございます。宜しくお願いします。」


「あー、異世界に行くには年齢が高すぎるな、よし、君の体を15歳位まで戻そう。そうそう、簡単に死なれては困るからな、その世界においてチートと言うに相応しい能力も授けよう。って君、独身で結婚すら出来なかったのか!うわぁ〜、情けねえし可哀想! よし!嫁の1人や2人出来る様にしてやろう!」


「何か至れり尽くせりですね!」


「だろう? まあ、あの女神のミスに対する補填みたいな物だな。」


「ありがとうございます。」


「じゃあ、送るけど良いか? あっ!そうだ!忘れる所だった! 携帯なんだけど、充電は魔力で出来るから! それと、当面は生きていける様に資金やら荷物は用意しとく! 後、言葉は普通に通じる様にしておくから安心してくれ!」


「本当に色々とありがとうございます。」


「じゃあ、送るぞ!」


「はい」



 こうして俺は異世界に送られる事になり、新たな場所で生きていく事になった。



最後までお読み頂きありがとうございます。

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