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1/2  作者: bad
16/20

第16問目 甘苦い想い出と複雑な気持ち


「拓郎~久し振りだし其処の喫煙所でタバコ吸ってお話しない?」

「・・・ああ」

幸いチャリは無事だったのでチャリを押しながら喫煙所に向かう

喫煙所近くの自販でコーヒーを2つ買い恵美に1つ手渡す

「私が好きなコーヒー覚えていたんだ~」

「・・・一応ね」


コーヒーを飲みながら一服する

ふぅ


この女は小島恵美

タバコとコーヒーの美味さを教えてくれた人だ

・・・解りやすく言うと元カノである

大学時代に出会って恵美のノリと勢いで付き合いだしたのが20の時

よくタバコを吸ってた恵美に影響されて俺も吸いだす様になった

甘めのコーヒーとタバコが凄く合うと言って俺にも勧めてきた張本人だ

サバサバした性格だが集中力が凄く一度熱中するとトコトンまで追求するタイプ

恋人になった時は本当に嬉しくて楽しくて幸せだった

恋人関係の時俺は人生の絶頂を迎えていたのかも知れない

然し濃密な2年の時が経ち恵美も俺も就職が別の道に決まった時に

「別れましょ拓郎・・・もうそれぞれの道は選ばれたんだから」

と言って音信不通になったのが当時の俺には深く苦しかった

悩んで悩んで考えたが答えが出る訳でも無く仕方無いと思うしかと考える様になる


あの時はまだ若かったな・・・

もう想い出になったと思ったのに夢の世界でまた会うとは思わなかった

俺もまだ引きずってるんだな


タバコを吸い終わったがまだ恵美からの言葉は無い

恵美を見ると少し笑いながらまたタバコに火をつけた

俺から声を掛けるのを待って居るんだろう

何を話せば良いんだ?

俺ももう1本タバコに火をつける

「恵美・・・久し振りだな」

「やっと拓郎から私に話し掛けてくれたわね」

やはり待っていたのか

「何を話せば良いか解らなかったんだ・・・ごめん」

「いいのよ拓郎・・・元々は別れを強行した私が悪いんだから」

「詳しい話は聞かないけど元気そうなら何よりだ」

「さっき危険だったのを助けてくれたのは他でも無い拓郎なのよ」

「俺自身も助かったし気にしなくて良いさ」

「貴方は胸を張りなさい・・・拓郎は強いわ」

「強くなんてないよ・・・」

今にも胸が張り裂けそうな気持ちなんだから逆に素直に話せる

「拓郎は本当に強いのよ・・・」

と言ってタバコを吸いながら恵美は一筋涙を流した

「泣かないでくれ・・・誰だって決断を迫られる時が有るし悪い事じゃない」

「やっぱりそう言うと思ったわ・・・拓郎は今のまま真っ直ぐで居て欲しいわ」

そんな事を言われたら俺も泣きそうだ

お互い2本目のタバコを吸い終わると

「短い再会だったけど会えて嬉しかったわ・・・拓郎の本当の強さ見れて」

「ありがとう・・・恵美」

「それじゃ行くわ・・・さよなら」

「さよなら・・・恵美」

歩き去ってく恵美の後ろ姿を見てると頭の中に選択肢が!


1:記憶を抹消する

2:記憶を維持する



意地の悪い選択肢だ・・・

もう一服して考えよう


ふぅ


「ナコはどう思う?」

ずっと黙っていたナコに聞くと

「解りませんが御影さんの気持ち次第だと思います~後悔しない選択肢を~」

後悔か・・・

恵美が出て来た意味を考えよう

真っ直ぐにと終わり際に言ってたな

俺の真っ直ぐって何だろう

俺の気持ちは・・・



「・・・2の記憶を維持するだ!恵美の事は忘れないよ!人の想い出消すな!」

「了解です~ん~正解です~!」

「そうなのか・・・良かった・・・因みにもう一方は?」

「全ての記憶が抹消されると言う選択肢でしたね~何も考えが無く死ぬです~」

相変わらず怖いな・・・


ちょっと泣きそうだけどクリアだ・・・




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