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第十七話、番外編 飼い主視点なのである
ある日のこと、私は物干し台に背を向けて、取り込んだ洗濯物を畳んでいた。
すると、けむくじゃらが私の脇をすり抜けて、物干し台に通じる窓へ突進し、いつもとは違う鳴き方をしはじめた。
「アウアウアウーッ ウアアオウ」
何かを訊ねているような感じがしたので、振り返ってみるとそこには……。
「お? けむくじゃら、お友達出来た? 良かったね~」
網戸の向こうに、焦げ茶色のアメリカンショートヘアの猫様がいた。その猫に向かってしゃべり続けるけむくじゃら。
首輪を着けた、凛々しいお顔の猫様は、私が写真をとったら驚いて逃げて行った。そして、けむくじゃらをふと見ると……。
背中から尻尾まで、思いっきり毛が逆立っていた。尻尾なんて普段はキュウリなのに、これじゃあナスビだ。
恐かったんかーーーーいっ!
どうやら怯えていたらしい。
そして突然カーテンに飛びかかって、カーテンが外れ、網戸が外れてしまったという。
あんたちょっとびびり過ぎだよ、けむくじゃら……。




