我が名は『けむくじゃら』。召還されてやったのニャ。

第十二話、苦行なのニャ！

　この日、息子の一人が我に言ったのニャ。

「けむくじゃらー、今日は始めてのお風呂にしよう！」

　お風呂とは何のことか分からなかったけれど、嫌な予感しかしない……。

「さあ！　入ろうなーー！」

　息子は上機嫌だが、本当に嫌な予感しかしない……。

　狭い部屋に連れてこられて、ドアを閉められ(退路を絶たれ)、なんか、温かいのが来たーーーーっ！！

「ニャオーン！　ニャオーン！　ニャオーンッ！！」

「暴れるなよ、キレイにしてやるから」

　そうは言われても、猫は濡れるのが嫌いなのニャッ！

「今、毛が生え替わってるだろ？　洗っとかないと、家中お前の毛だらけになっちゃうんだよ」

　我はお風呂という場所を駆けずり回って逃げたけど、捕まって泡だらけにさせられて、ゴシゴシこすられて、大きめの洗面器につけられたのニャ。

「ま、こんなもんかな。　母さーん、けむくじゃら出るよーー！」

　ふぅー、やっと解放されたのニャ。

　と思ったら、苦行はまだ続いたのニャアッ……！！

　　　　　　　　　　　次回へ続く！