第6話 今まではなかったもの
前回のあらすじ
逢依が五月蝿かったです。
て、テレパシーって、あのテレパシーだよな?
超能力的な、非科学的な。
《ええ、これは、テレパシーですよ。私は未来のロボットなのですから、テレパシーの一つや二つ余裕です!》
テレパシーか、すごいな。でも、俺、テレパシーとかできないと思うんだけど。なんで逢依は俺の言葉を理解してるの?
《いやぁ、一応同じ身体に2人とも存在してますから。感情とかも2人に干渉しているわけでして。私はテレパシーができるので、コントロールできるのですが、ご主人様はできていないので...》
俺の思っていることは全部逢依に丸わかりってこと?
《その通りです。だから、テレパシーできなくてもいいですよ。まぁ、ご主人様が、思っている、あんなことやこんなことも分かっちゃいますけどね〜》
はぁぁ!べ、別に何も思ってないし。
《ふふっ、ならいいですけど。まぁこの話はこのぐらいにしておいて。ご主人様。いい加減、この倒れている体制から戻ってほしいのですが。座りましょ?》
ああ、わかったよ。そんなに思うなら逢依が動かせばいいと思うんだが。
《私には今、身体操作の権限はないのです。今はご主人様しか身体を動かせません。なんなら、権限を譲ってくれてもいいのですよ?一生返さないかもしれなくもないかもしれませんけど》
......。俺も一生譲らないって決意した。絶対譲らない。
さてと、起き上がるか。
まず、手をついて、上半身を持ち上げて、膝をついてと...。
なんか上半身重たい以外は前と同じで普通に動けるな...。
《...ご主人様?気づいていないのですか?上半身が重たい理由を》
へ?逢依は分かるのか?ただ単にこの身体が疲れてるとかじゃないのか?
《うーん、疲れている。それもありますけど、もっと重大な理由がありますよ。ご主人様、自分の胸のあたりを触って見てください》
胸?なんでない胸を触らないといけn......。
なんかある...。前まではなかった何かが...。
柔らかい、豊かなものが二つ。
《...なんかいやらしいです。自分で欲情しないでくださいね?》
するか馬鹿!なんだよ、これ。どういうことだよ。
《転移した身体が女の子のものだった。それだけのことですよ》
それだけじゃねえよ。なんで女になってしまったんだ...。
《元々、私の身体になる予定の身体なのですから、仕方がありませんね...》
もういいや、諦める。でも、どうにかして、男に戻りたい...。
《叶わぬ夢 (ボソッ)》
おい、聞こえてるぞ。
《ああ、失礼しました。あのぉ、話は変わるのですが、ステータスはご確認になりましたか?》
そういえば、まだ確認してなかったな...。
読んでくださり、ありがとうございました。