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第68話 交渉

前回のあらすじ


キリアルを説得しようと騎士団の話を持ち掛けたら何故か怒られました。

「今、騎士団って言ったか?」


一瞬鬼のような形相になったキリアルだが、今は真顔だ。

しかし、この真顔は無理やりつくっている仮面に近く、怒りのオーラが隠しきれていない。

微妙にだが、震えているし拳は強く握り閉めている。


一体どうしたんだ。


《ご主人様が地雷を踏んでしまったようですね。これは相当怒ってますよ。》


まさか、騎士団の話題を出したからか。


《きっと何か過去にトラブルでもあったのでしょう。ここは首を突っ込まない方がいいですよ。》


そ、そうだな。でもどうやってこの場を乗り切るんだ。


《頑張ってください!どうにかしてください!!》


主人に丸投げするとか、なんなんだお前。

仕方ない、俺が言い出した事だしな。

場を上手く切り抜けるのも大切な事だ。


《そうですよ。異世界の奴等ってなんかやたらめったら沸点が低いイメージですし。》


沸点低いとか言うな。

みんなそれぞれ思うことがあるんだよ。

異世界だと不平等とか差別とかそういう問題がさらにあるだろうし。

溜まってるんだよ、きっと。


《確かに色々大変そうですよね。これからそういった世界で生きていくので、やっぱり上手く切り抜ける力は必要ですよ!ご主人様!》


分かったよ、わかったわかった。


「い、言った。確かに言ったけど、それはなしにしよう。キリアルが騎士団を嫌いだって知らなかったんだ、悪かったよ。」


「...俺はそんなことにはキレちゃいない。事実として、俺は騎士団を好きじゃない。だが、それは別としてあれを一流と言ったことにムカついたんだ。」


騎士団は一流の護衛としては力不足ってことか。


《そうですかね?騎士団の中の大抵の人間はそこそこの腕を持っていますよ。本当の一流とは言えないかもしれませんが、夜に襲われても大丈夫とは言える戦力だと思いますが。》


ならなんでキリアルはそこまで騎士団を卑下するんだ。


「一流ってのは、言い過ぎたかもしれない。でも、夜の護衛ぐらいなら騎士団の人に頼んでも大丈夫だと思うんだ。」


俺の言葉を聞いた途端、キリアルの眼力が強くなった。

眉に力を入れ、睨むような状態に変わった。


「悪いが、俺は賛同できない。絶対あいつらとは行動したくない。」


キリアルは頑固として騎士団とは行動したくないようだ。

どうすればいいんだろうか。


《不味いですよご主人様!キリアルを説得しないと騎士団の方を待たせてますし。》


そうなんだよなあ。ちょっと粘って交渉するしかないよな。


「なあ、キリアル駄目か?今回だけは目をつぶってくれないか。」


「騎士団は嫌なんだ。あんなやつらに俺たちの護衛をさせる...つまり命を任せられない。無理だ。」


本当に頑なだ。意志を曲げようとはしてくれない。


《根性ですよ!ご主人様どうにかなります!もう少し頑張りましょう。》


ああ、こうしてる間にも時間は過ぎていく。

なんとか時間までにキリアルを説得しなくては。

読んで下さり、ありがとうございます。


あけましておめでとうございます。

今年も何卒よろしくお願い致します。

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