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第4話 二人で一人

前回のあらすじ


難しいお話をしました。

「エルフ、なんで未来にいるんだ?」

「未来の復興のために異世界から連れてきました。だいぶ復興されてきましたし、普通に住んでます。」


復興ならセーフだな。

昔で言う植民地から連れてきた奴隷のような扱いはされていなさそうで安心だ。

普通に住んでいるってことはそういうことだろ。

...そうじゃなくても、俺は知らない。


「ああ、それでエルフとかがリンクマターを使うわけか。」


やっと繋がった。

エルフなら食事するし、リンクマターを使えるわけだ。


「そういえば、リンクマターは飴型のやつだったな。どんな感じだ?」


脱線に脱線を重ねて、元の話がわからなくなっていたが、俺を異世界に連れていくんじゃなかったか。


「はい、リンクマターは丁度4つほど販売されていました。謳い文句をそれぞれ教えましょうか。1つ目は、『異世界転移で無双しませんか?最強の能力と最高の地位が貴方の手に...!』だったのですが、胡散臭すぎたのでやめました。2つ目は、『僕を食べて、世界を救う魔法使いになってよ!』というものでした。世界を救うなんて、大層なことはご主人様にできなさそうだったのでやめました。3つ目と4つ目は、ペアになって販売されていたのですが...ってあああああああ!!飴!あめ!ame!」


逢依が急に叫びだした。

それにヘドバンでもしているかのように、頭を振りまくっている。

システムエラー起こしてないか?

こいつの製作者は、詰めが甘い。

...こいつ造ったの俺だった。


しばらくして、落ち着いたようだ。

毎回毎回オーバーリアクションすぎる気がしてならない。


「すみません。取り乱しました。」

「落ち着いたか?」

「はい。」


目をつぶって深呼吸している。

すって、はいて、すって、はいて...。


可愛い。非常に可愛らしい。

造ったのが、俺だけあって、タイプにピンポイントではまっている。

少しの仕草も可愛いな。

少しドジっ子っぽいのと、重いことだけが玉に瑕とったところか。


「それで、一体どうしたんだ?」


「ご主人様と私が食べたあの飴こそが、リンクマターなんです。」

「へ?」

「だから、あの時にご主人様に吐き出させようとしていたんです。」


わかってしまった。

なぜあそこまで、逢依が必死になっていたか。

そういうことか。


「で、でもひとつの飴を二人で食べたらどうなるんだ?」

「1人の身体に私たち2人が入ることになるますね。おそらく多重人格のようなご主人様はご主人様として、私は私としての人格を持てるはずです。」


おどおどしながら答えてくれた。

こうなることは計算外らしい。


人格が交じることはないようだ。

変にオネエっぽくったりはしないようだな。

というか、このままだと異世界に行くことを強制されてしまう。


「二重人格みたいな?」

「そんな感じです。一心同体ですね。」

「物理的にな。」


一心同体(物理)ってところか。

全く嬉しくもなんともないな。

俺の好きなこの美貌が見れなくなるし。


「なあ、本当にどうしようもないのか?」


きっと、1つくらいは、方法が...。


「無理です。諦めてください。仲良く転生しましょう!!」


はい無理でした。

逢依がにっこりと笑ってくる。

悪気がなさそうに見えるから、なんか無性に腹が立つな。


「そういえば、俺の魂が他の人の身体に入るんだろ?俺の今の体はどうなるんだ?」

「えぇっと、多分抜け殻みたいになりますね。」

「そのあとは、どうなる。」

「未来からタイムパトロールが来るので、回収されて歴史を直そうとするはずです。」

「歴史を直す?」

「はい。タイムマシンで歴史を改変するのは重罪ですから。それにご主人様並に重要人物となると、影響が計り知れません。なので、未来のご主人様と同じ歴史を辿るダミーを置くはずです。」


過去を変えると、未来も変わるというのは本当のようだ。

どういう原理かは知らない。

説明を求めて、何時間も待たされるのはもうこりごりだ。


「理解した。が、重罪を犯していいのか?」


重罪。

死刑になるんだろうか。


「いや、ダメですよ?」


当然、と言った顔で言う。

ダメならなんでするんだ。


「じゃあ、やめろよ」


多分、俺は正しいことを言っているはずだ。


「はぁ...ご主人様。ご主人様の命令には従わないといけないように設定されてるんです。」


あ、こいつロボットだった。

俺、そんな設定していたのか。

でも、別に命令してないと思うんだが。

異世界に行きたかったって、呟いただけなのに。


「じゃあ、俺が命令したら、なんとかしてくれるよな?異世界に行かなくて済む方法を教えろ。命令だ。」

「すみません、よくわかりません。」


舌を出して、目を逸らした。

こいつぅぅぅ。

ここまで女を殴りたいと思ったのは生まれて初めてだ。


「何故命令に従わないんだ?」

「今のご主人様は、未来のご主人様とは違うからだと思います。こんなことは初めてです。」


逢依自身もわからなかったらしい。


「はぁ、じゃあ仕方ない。もう諦めて異世界に行こう。だが、歴史改変の罪はどうなる?そこだけ心配なんだが。」

「ご主人様」

「なんだ?」

「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。」


駄目だこいつ......早くなんとかしないと......。

こういう思考のやつが1番危ない。

こんな危ないやつと同じ身体だって?

もうやだ、おうちに帰りたい。


「あっ、そろそろ転移します。詳しいことは転移後に話しますね」


悲観的になっている俺に構わず、告げる。

ちょっと待ってくれ。

どんな世界に行くかも、どんな身体になるかも聞いてない。



「意識が薄れてきたら転移が始まります。また異世界で会いましょう。お先に失礼します。」

「いや、待ってくれ、まだ教えて欲しいことが。」


近づこうとした時、逢依が倒れてきた。

間一髪で避ける。

が、床に逢依がぶつかり、とてつもない衝撃音が鳴り響いた。


「そうとう重いんだな。...ん?なんだこれ。」


逢依が倒れた衝撃でなのか分からないが、ポケットから何かが飛び出していた。

包み紙に包まれている飴玉だ。

触ってみる。

色は黄色...というか金色に近い。


これもリンクマターだろうか、とそんなことを考えていると視界が歪んだ。

身体に力が入らなくなって、膝から落ちていく。

そして、物凄い眠気に襲われた。


「意識がなくなるのってこんな感じなのか。」

俺は小声で呟きながら、床に倒れた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


ちなみにですが、このお話では主人公もロボットも一度死んで異世界で転生するのではなく、そのまま他の人の身体の中に魂が転移する、といった方法で異世界にいっているので異世界転移です。異世界転生ではありません。

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