僕と彼女
一応、恋愛タグになっていますが、期待できるほどのものではございません。
ですが、これもひとつの愛の形ではないでしょうか?
彼女は優しく、僕の頬をなめる。
そしてそれから、頭をすり付けて、まっすぐな瞳で見てくる。
僕はそんな彼女の頭を撫でてあげる。
すると、彼女はなにかを言いたげにして、去っていく。
不服だったのだろうか。
僕に、僕なんかに触られたことが、嫌だったのだろうか。
目を閉じて考えていた。
もし、彼女よりも僕が先に死んだときに、僕の死を悲しんでくれる人はいるだろうか。
そう考えると、やはり自分は一人なんだと思い知らされて、閉じていた瞼から涙が溢れる。
次の瞬間、僕の瞼は温かいなにかが通っていった。
目を開けると、彼女が心配しているかのように首を傾げていた。
今度は彼女の首あたりを撫でる。
すると、彼女はお腹を見せるように、僕の腕の中で寝転がった。
首を撫でていた手を下に下げていく。
気持ち良さそうに目を細めている彼女を見ていると、自然とあくびがでる。
夢の中に落ちる前に、一言だけ彼女に問いかけてみる。
「お前だけは、僕が死んでも悲しんでくれよ?」
「ワン」
その返事に、僕は笑みを溢しながら、静かに眠りについた。
犬かーい!
って思った方々!彼女は犬でーす!
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。