5話 同郷の賢者
一応終了
ガルムの街は、活気があって元の世界の喧騒とはまた違った、人と人の距離が近く暖かい感じがして街の様子を見ているだけで少し、涙腺が潤んでしまった。
ここ数日、一人で森を歩き回っていた反動で人が沢山いるのを見て感動してしまったんだと思う。
街並みは、中世風で、文字?模様?の入った紋章?みたいなのが、石畳や街灯などに刻まれていたり、使用方法の分からないオブジェが並んでいて、好奇心でキョロキョロしていると。
コレットが眉を八の字にしてこちらに「行くよ」っと腕を捕まれて引っ張られる。
「所で、何処に向かっているのしょうか?」
「あんたを、冒険者ギルドに保護して貰う為に、冒険者ギルドに向かってるんだろう?確か街に入る前に説明したよね?」
「そうでした。すみません!」
「あんたの気持ちもわからなくはないけどね。まずは目先の事よりも先にギルドで色々、説明聞いたり、生活基盤整えるのが先だよ」
・・・・・
冒険者ギルドにたどり着き、流されるまま、今は、ギルドマスターの執務室前である。
「入りなさい!」
扉の奥から老人の声が聞こえ、付き添いで来ていた受付嬢さんが扉を開けて中へ促す。
そこには、白髪で長髪の老人が、頬杖をついて、こちらを見つめてた。
「うむ、少しこの坊主と二人にしてくれ」
「畏まりました」
受付嬢さんが部屋を出る。
「うむ、お主の話は聞いたが、何処まで記憶はある?地球と言う単語は分かるか?」
地球と言う単語を聞いて顔に出たのか老人がニヤリと笑う。
「お前さんは向こうの記憶はあるらしいの、遅れてしもうたが儂はキルトじゃ、一応、転生者じゃよ」
「色々すんません、俺は藤井 次郎と言います」
記憶喪失と言った事に謝罪しフルネームを名乗る。
「いいんじゃよ、どれ、下手な混乱を招かぬようにの処置じゃろうて、まずステータスを見して貰おうかの~」
手のひらをこちらに向け裏返すと言う動作で、俺の身体から光の玉が飛び出し板状に広がる。
「お前さんにも見えるように視覚化しただけじゃ。どれどれ」
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名前 次郎 藤井
種族 亜人(不死人)
称号 異世界人
職業 元会社員
年齢 18歳
生命力 120
魔力 60
腕力 110
頑丈さ 100
精神力 130
器用さ 120
体力 110
スキル
全言語和訳
《この世界においての全ての言語が自動で和訳される》
固有スキル
超速再生LV2
《怪我、部位欠損、等が瞬時に回復する》
ユニークスキル
ソウルメモリー
《魂に存在全てが保存されて魂が存在する限り死ぬ事がない》
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「ほほう、凄いスキルじゃのう、儂はこちらで60年は生きとるが、見た事のないスキルじゃよ」
「年齢が18歳になってるのとステータスの数値について聞きたいのですが」
「うむ、そうじゃのう、ステータスは普通じゃよ、年齢は何歳じゃったん?」
「24歳でした。」
「ふむ、後から説明しようと思うとったんじゃがな、前の世界とこの世界の間にはの、何かしらの差があっての、世界から世界へ移動する時に、その差を無くす為に、何かしらの力と融合して特殊なスキル等が得られると考えられる、たぶんじゃが、その反動じゃろう」
「そうなんですか、元の世界に帰る事は出来ますか?」
「難しいじゃろうな、さっき言った何かしらの力との融合で存在力が違うからの、多分じゃが前の世界に戻っても、異分子とみなされて、世界から抹消されるじゃろう、残してきた家族でもいるのかのう?」
「いえ、特には居ませんが、帰れる帰れないで、考えれば、帰れた方が良かったと思いまして」
「そうじゃのう、儂を新しい家族と思っていつでも頼ってくれ」
キルトさんが、そういうと机の上に金貨を二枚とウエストポーチを置く。
「この金貨一枚は、王家からもう一枚は儂からの選別じゃ、そのウエストポーチはアイテムボックスじゃよ、中には儂の孫のお古の服が入っておるから使ってくれ」
「ありがとうございます」
さっそく服を着てお礼を言いながらお辞儀すると、キルトさんがうんうんと頷いて、ベルを鳴らして受付嬢の人を呼ぶ、実はこの人がサブマスターのクレアさんだと後から知りました。
クレアさんに案内され、迷い人は自立出来るまで、ギルド内にある宿泊施設を使う事が出来るという事でその日はギルドに泊まった。