3話 未知との遭遇!
あれから3日間、狼やゴブリンに遭遇し、木の棒で倒し、喰らい。(ゴブリンは食べてない)
夜は木陰で眠るも狼に襲撃されたりしたが、再生能力?のおかげでどうにか命を繋げていた。
「だいぶ筋肉ついてきたかも?」
次郎は左腕にちからこぶをつくる形にすると、ニヤニヤしながら腕をみつめるが、外見的にはあまり変わってないが、再生能力?の事が少しわかった事がある。
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怪我をした場合には、治りが早く、部位欠損等も修復する、しかも、修復された場所は修復される前よりも強くなるみたいだ。
なぜ部位欠損も治るか?っていうのは、狼の夜襲で指を噛みちぎられたからである。
噛みちぎられたヶ所は骨、筋肉、神経、血管、皮膚と順に再生していったのである。
一番最初は、その様子を見て気持ち悪くなって吐いてしまった。
怪我の度合いによってわかった事もある、この再生能力?は怪我が重い程、再生速度が速いのである。
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次郎はここ三日間、苦楽を共にした、木の棒の握りを確かめると歩き出す。
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3時間くらい歩くと次郎は、首を傾げる、この三日間、安全に
一時間も歩けた事がなかったからである。
疑問に思いながらも歩を進めると。
〈キーン〉〈ザッザッザッ〉〈カーン〉
ここ三日間で森の中では、聞いた事のないような音が聞こえてきた。
(金属音だよな...?)
次郎は、人が居るかもしれないと思い、期待して音のする方向に向かった。
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木陰で息を殺し覗きこむと、ここにきてやっとの人間?二人が、すぐそこで複数のゴブリンを相手に戦っていた。
一人目は、茶髪で肩口で揃えたショートの女性が短剣を両手に持ち、皮?っぽい軽そうな鎧でゴブリンとにらみ合っていて、その斜め左後方には、二人目は金髪で、髪は腰までの長さで、同じく女性で、耳が長く、俗に言うエルフ耳ではないかと考え、次郎は若干、動揺してしまう。
エルフ耳の装備は、弓でハーフレザー?っぽい装備である。
なぜにらみ合っているのかというと、対するゴブリン達は、動かなくなったのが3匹に、なぜか、木の盾に金属剣を装備しているのが、3体もいるからである。
対する次郎もビックリである、この三日間で、まともな装備をしたゴブリンには、次郎は遭遇していないからである。
(薄々、感じていたけど、やっぱり異世界なのか~)
しみじみ思う次郎であった。
「コレット~あの茂みになんか違うの増えたよ~どうする~?退く?」
弓を構えたエルフが言うと、コレットと呼ばれる少女が返答する
「私が魔法を使ってゴブリン達を片付けるから、サーシャは、弓で新手の方の警戒で!」
「りょーかーい!」
「じゃあ行くよ!ミラージュ!」
その瞬間、コレットの姿がブレたかと思うと分裂して、コレットが二人になったのであった。
二人のコレットが一気にゴブリンとの距離を縮め、一匹目のゴブリンを葬り、横から別のゴブリンの剣が襲い、コレットの胸を貫通するも、なぜかゴブリンの喉から血渋きが上がり、コレットの身体をすり抜けると倒れ、最後のゴブリンもいつの間にか、血溜まりに倒れていた。
「ふぅ~、終わったね!にしても、ゴブリンの武器持ちと遭遇するとわね」
二人のコレットが消え、少し離れた所に現れる。
内心、テンプレ的なのを期待し、危なそうなら助太刀に入ろうと考えていた次郎であったが、あっという間に終わってしまったので、出るに出れない状況に陥る。
「だね~、一時はどうなるかと思ったよ~」
サーシャがそう返し次郎のいる方向に、視線を向けると、声をかけてくる。
「そこに隠れてる人~何が目的?乱入して来なかったって事は、私達と争うつもりはないんでしょ?まぁ私達の戦闘情報を売り物にしようってなら、多少、痛い目には合わせるけど?」
サーシャはそういうと弓を構え、短剣の少女も構えなおし、此方を警戒しだした。
次郎は額に手を宛て考える
(なんかヤバイ!どうしよう?それに、なんで言ってる内容が理解出来るんだ?)
悩んでも仕方ない、怪我しても最悪すぐに治るし、ここは大人しく従おうと、次郎は、両手を頭の高さに上げて姿を現す
「あーあー通じますか?こちらに敵対の意思はありません」
次郎の足元に矢が刺さり慌てて飛び退く
(言葉が通じなかったのか?)
次郎は矢を放ったエルフに視線を向ける。
「ぷはっはははごめ~ん!あーあー通じますか?だって!笑わせるから手が滑っちゃったよ~、ほんと、ごめんね~」
サーシャは、お腹を抑えて、笑いを堪えようとしながらも、笑いながら言ってきて、コレットは、笑いを堪えて、肩が小刻みに震えながらも警戒を解いてくれた。