表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

2話 ゴブリンの次は?

 数分歩いた所で次郎は、木に引っ掛かっているスーツのズボンを見つけ、不完全ながらも着るものを獲得した次郎は、辺りに武器になりそうな物を探し、木の棒を見つけて思う。


(この木の棒にすごく見覚えがあるのだが?)


 それもその筈、その木の棒には乾いた血が付着していた。


(さっきの奴らが使っていた物か?服の取り合いに夢中になって落としていったのだろう)


 次郎は深く考えず木の棒を手にして歩く。


 ・・・・・


 また数分程歩くと、そばにある草などに血が付着しているのを発見して辺り見渡すと、木の数本には刃物でつけたような傷痕にボロボロにされた血濡れのコートが落ちていた。


(あいつらが何かと遭遇して傷をおったという事か?)


 次郎は警戒しつつも血の跡が続く方に行ってみると犬?狼?みたいなの4匹が何かを粗食している。


 自分の体力では逃げる時に音をたてて気付かれるかもしれないと思い次郎はしゃがみこみ見つからないように様子を伺う事にした。


 何事もないよう祈り、様子を伺う次郎、狼の一匹が、顔を上げ此方に視線を向ける。


 次郎は内心焦りながらも右手に持った木の棒を

 両手で握り直し、静かに息を吐く


 逃げるか、戦うか、逃げた所で逃げ切る自信もなく、

戦った所で一般人で武装は、長さ40cmで太さ4cmの木の棒のみ、相手は野生の狼が4匹、勝てる気がしない、次郎は思案し狼がまだ完全には気付いていない事を祈り、留まる事を決めた。


「グルルル」


 こちらに視線を向けていた狼が唸ると、周りの狼も視線を向け唸る狼、以外の3匹が、横に広がりこちらを囲うようにゆっくりと距離を縮めてくる。


 心臓の鼓動早まるのを感じ、ほんの少し前の自分の判断を、後悔し自分を自分で殴ってやりたい気持ちだが、今はそんな事を考えている場合ではないと判断して、逃げ出すことにした。


 次郎の動きを察知してか、3匹の狼が一斉に走り出して次郎に迫る。


「うぐっ」


 背中に熱湯をかけられたような傷みが襲い、転倒しそうになるも踏ん張り走り続ける。


 ・・・・・


「逃げ切ったのか?」


 数分後、次郎はまだ走り続けながらも後ろを確認するが、狼はついてきていないようで安心して近くの木に背を預け座り込む。


「はぁはぁ...死ぬかと思った...」


〈ガサガサ〉


 茂みから次郎の首を目掛けて狼が飛びかかってきた。


 ゴロゴロと転がり避けると狼は頭から木に突っ込み、痛みを堪えるように狼が、ゴロゴロと転がっている。


(今なら!)


 好機と思った次郎が気付かれないようにゆっくりと転げる狼に近付き、両手持ちにした木の棒を振り上げる。


「うぉりゃ!」


「このっ!このっ!」


 何度も何度も、狼の顔面目掛けて木の棒を叩きつける。


 「クゥーン」


 狼は血まみれになりながらも鳴き声をあげる


「あがっ!」


 突如、後方の茂みから狼が飛び掛かってきて、次郎は狼ともみくちゃになるも


「くそっ離れろ!」


 どうにか狼の腹を蹴り上げて脱出し、蹴り上げた狼に視線を向ける。


「ガルルル..」


「どうするよ..」


 今の次郎は、逃走中に背中、そして、もみくちゃになった時に、身体の所々に、ひっかき傷があるが、興奮状態にあるせいか、痛みはあまり感じられず、出血によるベトベトとした感触に嫌な汗がたれる。


「なんだよ、これ!?」


 次郎は自身の身体に起きた現象に驚く!


「傷が治っていってる!!」


 次郎の急な叫びに狼が反応してか、再びこちらに向かってくる、次郎は正面に木の棒を構え、向かってくる狼を見つめる、動揺や焦りはなくなぜか凄く冷静であった。


 飛び掛かってくる狼に、木の棒を振るい叩き落とす!


「ふん!」


(傷が治ってから身体が軽い?)


 狼は着地と同時に横に飛び、再びこちらの様子を伺っている。


 次郎は再び正面に木の棒を構える。


 ・・・・・


 繰り返す事、体感で一時間近く、狼を倒す事が出来た、次郎は安心してか、その場に座り込む。


〈ぐぅ~〉


 腹の音がなって今日一日飲まず食わずで走り回っていた事に気がつく。


 そばには力尽きた狼が2体、辺りは、暗くなりはじめていた。


「今から食べる物探すのは無理かな..だとしたら..」


 呟き狼の死体を見つめて考える。


 辺りを見渡しても、刃物や火を起こす物になる代用品もないし、出鱈目に走って来たので、自分の現在地もわからないし、移動すれば、再びここに来れるとは限らないのだ。


 狼の死体近付くと、しゃがみこみ、噛みつき、毛皮を噛み切る、錆びた鉄の味に生臭さが口の中に広がって吐き気を催しつつも、

堪えて、狼の血で喉の渇きを抑えて、生きる為にと無理やり口に詰め込めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ