11話 火の取り扱い場所は選びましょう
現在、ギルドではミレイがレザーアーマを着込み、腰には刀を装備し、二階の突き当たりの部屋の前に目を閉じ、腕を組んでたっている。
「来ましたか..」
ミレイが目を開けて呟くと、肩に大鎌を担いだ、10才にも満たない銀髪の男の子が立っていた。
「不意討ちしようと思ったのに気付かれちゃったね、ボクは、ネロ、気付かれついでに名乗っておくよ」
銀髪の少年は、大鎌の頭を床に付けて名乗ってくる。
「私はミレイです、ここに何か用ですか?コレクトのネロさん?」
組んでいた腕を解き、いつでも抜刀できる姿勢をとるミレイ。
「あのお爺ちゃんか~やるね~流石、元、日本人、ほうれん草が出来てるねって、それ日本刀じゃん!?こっちにもあったんだね~」
ネロはあっと何か気付き、軽くふるう。
「そうだった、あんまり時間ないんだったよ、お姉さんをサクッと倒してその部屋に入らせて貰うよ、倒さないと入れないみたいだし..」
ネロが、そう言うと、黒い霞みように姿が薄れて消える。
「闇魔法による認識疎外ですか..」
〈ヒュン〉
何もない空間から、大鎌が現れる
〈ガンッ!〉
「くっ厄介ですね、ですが!」
〈ボッ!〉
「熱っ!」
大鎌に火がつきネロが姿を現す。
「お姉さん、魔法名も言わずに魔法を放つのは反則じゃない?」
「仲間の居ない状況で魔法名を言うのもどうかと思いますよ?それに、私は剣士であって魔術士ではありませんからね!」
「そうだねっと、そんな剣士のお姉さんにプレゼント!『ロックニードル』」
長さ一メートルぐらいの岩の針がミレイに向かい射出される。
「はっ!」
〈ボンッ!〉
ミレイの掛け声と共に岩の針が爆散する。
「へぇ~自分の周辺に薄く魔力を漂わせたのを任意の場所に急速圧縮してから発動して爆発させてるんだね~やっぱりこっちの人と実際に戦ってみると色々と勉強になるね」
ミレイは肩で息をしながら納刀し、ネロを睨み付ける。
「ずいぶん、苦しそうだね、岩は燃えないし切れにくいからね、さっきの爆発でその消耗なら、後、2、3本追加すると終わるね」
さっきと同じような岩の針が4本、に現れ、ミレイに向かい放たれる。
「あまり使いたくありませんでしたが、仕方ありません..」
ミレイはそう言うと、腰を落とし、刀を握る右手に一瞬にして膨大な魔力が込められ、抜き放つ!
『大、爆炎刃!』
ミレイの刀から生み出された巨大な炎の斬撃は、太陽と見間違うかのような光量をもってネロに向かい、間にあった岩の針も触れる前に蒸発し、消えてしまった。
「こ、これは、ヤバいかも!」
炎の斬撃が迫り、ネロが呟く。
〈ズドーン〉
ミレイはネロが大、爆炎刃に呑まれるのを確認すると、魔力消費量の激しさに意識を無くしてしまう。