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1話 ゴブリン怖い



 ふと、目が覚めると、周りには木々が茂り、草々は腰の高さくらいある森?林?みたいな所のでかい木の根元であった。


「ここは何処だ...?」



「俺は確か昨日、職場の同僚と飲みに来ていた筈、この状況は、いったいどういう事だ..?」



 俺、事、藤井 次郎(24才)、独身、は、たぶんだが、どうやら酔い潰れて外で眠ってしまったらしい。


 とりあえず所持品を確認しようと、見渡せる範囲で探してみるが、辺りには、そういった見覚えのあるものはない。


「糞っ..タバコも財布も無いしスマホも無いしどうするか...」


 飲みに行くということで酔って落としても大丈夫なように荷物を予め減らしていたので災難である。


「それにしても暑いな..」


 次郎がそうぼやくのも無理はない、周りの気温は夏上旬くらいの温度で、次郎の格好は、仕事用のスーツに、厚目のコートを羽織るといった冬の格好であった。


(異常気象か?天気予報ではなかったが...)


「帰ってから飲み屋か、同僚に連絡すればどうにかなるか?なかった場合は仕方ないけど..」


 次郎は、コートを脱ぎ肩に掛けると、辺りを見渡し、自分の置かれている状況を考える。


「ここまで俺はどうやって来たんだ?」


・・・・・・


「歩いて来たのなら来た道がある筈だよな?」


 そこで次郎が見つけようとしたのは、人が通ったような痕跡、草々の倒れたヶ所などを探したのだが、そういった痕跡はみつけられず、今まで、誰も入った事の無いかのように、鬱蒼と草が伸びていた。


「とりあえず、ここにいても仕方ない、歩いてれば、何処かに出るだろ..」


 次郎は、太陽の高さを確認し、東と思われる方角に歩き出した。


・・・・・・・


 30分ぐらい歩いた頃、ふと思う、自分は、現在の日本の成人男性と比べても、体力は無い方であり、かといって頭の方は?っと問われると、頭も良い方ではなく、自他共に認める凡人である。


 なので、現在の次郎は、呼吸が上がり始め


「全然、景色がかわらない..」


 泣き言を言う始末である。


〈ガサッガサッ〉


 物音がして次郎は驚き、身体の動きが停止する。


 都会育ちのインドア派の次郎は、生まれてから今まで、近い距離で野生動物と遭遇した経験が無く


《ギャッグギッ》


『グギギッギャッギャ』


「なんだよあれ!!」


 草の茂みから現れたのは緑色の肌の毛の無いオラウータンみたいなの2匹が1本の木の棒?を引っ張りあいながら現れたのである


(もしかしてこれってラノベとかである異世界転移か!?だとしたらこの状況、非常に不味いぞ..あれってゴブリンなのか?)


 次郎の内心を知ってか知らずかそのゴブリンっぽい者達は次郎に気付き気持ち悪い笑み?を浮かべ、次郎を挟み込むように2手に別れて歩みよってきたのであった。

 

(ヤバい、走って逃げるか?いや、俺の体力じゃ逃げ切れないんじゃない?これ詰んだんじゃねw)


《グッヘヘヘッ》


『ギャッギャッギャッ』


「さっき奪い合ってたのになんで息がピッタリなんだよ!!」


(ヤバい!ヤバい!ヤバい~!!)


 少しずつ詰まる距離、この窮地から脱出する方法はないか思案する次郎


(こういうのって近くに人が居たりチート的な能力あったりするんだよな..もしかしたら俺にも何かチートがあるのか?)


 とりあえずゴブリンから目を逸らさず次郎は周りに誰か居ないか叫ぶ事にした


「誰か居ないかー!!助けてくれー!!」


 次郎の急な叫び声に驚くゴブリン達


(糞っ!!誰も居ないか..)


 ゴブリン達は次郎の急な叫びでビックリした事を不快に感じたのか苛立たしげに木の棒を振りかぶってきた。


「危なっ!糞っ!!」


 伸長140cm弱の子供が、木の棒を振りかぶってきた感じなので、どうにか次郎でも避ける事が出来た。


(よくよく考えたら相手は子供くらいのでかさだし俺でも勝てるんじゃね?)


 相手の容姿を再確認し心に余裕が生まれる次郎そして避けられて不機嫌に地団駄を踏むゴブリン


〈ビュン!!〉


 先ほどとは違い鋭い風切り音を鳴らし振りかぶってくるゴブリンに次郎は左に避けて、肩にかけていたコートを、ゴブリンに被せて素人ながらも大きな振りかぶりの右ストレートが、見事にゴブリンの顔に当たる。


《グッ》


 次郎の右ストレートが当たり木の棒を持ったゴブリンが、転倒して、うめき声をあげる。


(よしっ!勝てる!)


「ぐあっ!?」


『ギグギガ!』


「クソッ!もう一匹の奴か!?」


 次郎は、もう一匹のゴブリンの存在を忘れてタックルされ転倒させられて抑えつけられてしまった!!


 ダメージから回復したのか木の棒を持ったゴブリンが体勢を整えてしまう。


《グギャッグッグッグッ》


 木の棒を持ったゴブリンが倒れた次郎の頭上に歩いてきて、気持ちの悪い笑みを浮かべていた。


「やめろ!止めてくれ!俺が悪かった!なっ!」


 ゴブリンは動きを止めず無慈悲に次郎の顔面に木の棒を降り下ろす!!


〈ドゴッ〉〈グギッ〉〈ボキッ〉


 次郎は何度も何度も顔面を殴打され視界が鮮血に染まりながら意識を手放し、ゴブリンは次郎の身体が無反応になるまで殴り続け、次郎の着ていた服を奪い、ゴブリン同士で服を奪いあいながら森の茂みに姿を消していった。


 ・・・・・・・




 どれぐらい時間がたったであろうか。




 ・・・・・・・


(ここは何処だ..俺は何をしてたんだっけ...)


 そして、次郎の意識は覚醒していく


「んっうっうん..?一体どうなってる?ゴブリンは?俺はボコボコにされて..」


 次郎は上半身だけ起こすと服を着ていない事に気が付き首から肩にかけて乾いた血がこびりついていた。


「なんだよこれ、!?血の跡はあるけど怪我してる感じがしない!?」


 次郎は鏡等がないので手探りで頭や体に傷がないか確認した。

(※全裸で上半身血まみれの男が自分の身体を..)


(怪我が治ってる?跡形もなく、もしかして再生能力とかか?)


 自分に何かしらの特殊な能力が備わったかも?っと内心、疑惑と喜びに期待し


「とりあえず何か着るものを探さないと...」


 太陽の位置は低くく、日が落ちてきたのを感じ、夏上旬くらいの気候だとすると夜は冷え込むのではないか?っと考え裸で行動するのは不味いと思い、辺りを見渡すが何もない、仕方なく、ゴブリンが来たであろう方向に向かうことにした。


 ・・・・・


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