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第四話

「ん…もう朝か…。」

今日は何とか起きれたな。

またワケのわからねぇ夢見ちまったが。


「あら流、今日は起きるの早いわね。朝御飯出来てるわよ。」

「兄貴おはよう。」

「ああ…おはよう。」

父さんは朝仕事が早ぇから、俺が起きる頃には大体出ちまってて此処には居ない。

「ごちそうさま〜…。」

大きな欠伸をもらしながら支度を終えると、俺は家を出た。


「あっ、おはよ〜流。」

白峰だ。あいつ曰くいつもの場所――近くの交差点で待ち伏せてやがる。

「はぁ…。」

俺は溜息をもらしながらも、足を早めて前を通り過ぎようとする。

「あっ、無視しないでよ〜。」

白峰が追いかけてくるが、無視。

「起きろー!」

「!?」

し、信じられねーぇ。バッグで後頭部殴りつけやがった。


某野球監督(外国人)の優勝時の一言にインパクトが劣ってねぇ。

「おまっ、無視されたからって殴るこたねーだろ!」

「あ、起きてたんだ。てっきり寝たまま歩いてるのかと思っちゃった。」

(笑いながら言うなっての!)

「だって、流があたしを無視するわけないもんね〜。」

「それはどっから来る自信だよ。」

「えーと、それはまあ…アレよアレ。」

アレって何だ…って聞く気力も失せてきた。

結局こいつと行くことになっちまったしな。


「流、なんだか今日元気ないね。何かあった?」

「何もねーよ。多少夢見が悪かっただけだ。」

「ふーん。どんな夢?」

「…お前に教える必要性が見当たらねぇ。よってその質問は却下する。」

「いいじゃ〜ん。教えてくれたってさ〜。」

「面倒くせぇ。」

「大した手間じゃないでしょ〜。」

「教えたくねーもんは教えたくねーんだよ。」

大体あんな夢を他人に話す奴なんかいるか?冷やかされるのがオチだ。


俺が再三拒絶していると、ようやく白峰も諦めたらしい。

「今度気が抜けてるときに聞き出してやる〜。」

などと言いながら怒っている。

ん、そうこうしてる間に校門が見えてきた。

教頭が「朝のニッコリあいさつ運動」なる無駄なことをやってるな。

あんなんにニッコリされても嬉しくも何ともねーっつの。


「そーいえばさ、うちの学校って校長が行方不明だよね。」

「いや…行方不明ってか見たことないだけだろ。」

行方不明だと何か事件に巻き込まれたみてーじゃねーか。

「お父さんに聞いても『おられることはおられるぞ』って笑うばっかだし〜」

「なんか事情があるんじゃねーの?それに大して困ってもないから構わねぇしな。」

俺は校門をくぐると、校舎へと足を向けた。

さーて、今日も一日暇(授業中の)を潰すとするか。

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