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「愛人」  作者: ジェシカ.love
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3/3

「愛人」 そして石焼き芋屋のおじさんは……

次に現れた人は何時代の人か?



石焼き芋屋のおじさんの話を聞いていたら




おじさんの出会った女神(ヴィーナス)は夢を与えてくれたけど




大金を手にした事のないおじさんは


夢中で遊んでお金を使い、また貧乏になったんだなあ〜。




おじさんは昔を思い出しながら




「ヤッパリよお、俺の生き様に女神は怒ったんだよ。だから、俺は又、こんな暮らしをしてるんだあ。お姉ちゃんは名前はなんて言うの?」




私は何故か知らないが



名前を思い出せない。




私は誰かな?




誰かに魔法を掛けられたように




「あれ……私は誰かな?分かんないや。おじさん、話を聞いたから石焼き芋をちょうだい!」




おじさんは変な顔をしながら




「急に名前が分からないのか?まあ良いや、はいよ。特上の石焼き芋だあ。食べてみなされ」




「うわあ、甘いなあ。美味しいよ、あと一つくれない?足らないよ。朝から何も食べてないの……」





石焼き芋屋はあと釜に五つしか焼き芋はない。今、一つを上げたら商売になるのは四つだけ。




日銭で暮らしていた。




一日平均2000円の売り上げがないと食べて行けない。


「うーん、そうだな。ただではやれないから何かお姉ちゃんから面白い話が聞きたいなあ!」




「何でも良いの?何でも?」




記憶に有るのは男の部屋だ。




「うん、なんでも良いよ。作り話でも、経験したはなしでもなあ」




経験かあ。



ろくな経験はないからなあ。




私の親の話をしょうかな。




名前は思い出せないが




親にイジメられたのは覚えていた。



「うちの母さんはさあ、実の母さんじゃないんだ。あれは後妻なんだよ。私が六歳の時に、父親が再婚したんだあ。


私は養母に虐められたよ。手には煙草の火をつけられたり、父親がいない時には


ご飯はお握りが二個だよ。


父親は後妻を大事にしていたから私の話を聞き入れてくれなかったんだ」




石焼き芋屋のおじさんは身を乗り出して




「それからどうしたんだ?」




私は記憶に有るのを話をした。



「うん、直ぐに弟が産まれたよ。それで私は尚更、イジメにあったんだ」



「具体的にどんなイジメだか?」




「弟はブランドの服を着ていたけど、私はその辺の店のセールの服とかでさ。


誕生日は弟は生ケーキとお祝いを貰ったりさ、クリスマスにも


弟は願っていた最新のゲームを買って貰ったり。


私には何もないよ。


『お姉ちゃんなんだから要らないわよね。我慢できるものね。高校になったら贅沢をさせるから


我慢しなさい』って言われて……悔しかった」




石焼き芋屋のおじさんは涙を溢しながら




「その母さんは病気だよ。正気なら、相当な根性の悪い奴だな。お姉ちゃんの母さんをこんなに言ったら悪いけどな」




私は石焼き芋屋のおじさんに言った。



「全然だよ。気にしないから、母さんじゃないし。母さんならそんなイジメはしないもん」




「はいよ。おまけに石焼き芋を二個上げるよ。またこの辺りに来るからよ、少し移動して石焼き芋を売るわ。元気でな!」




「おじさんもね。ありがとうございます」




私は石焼き芋を三個貰った。




でも……おじさんはお金になるのかな?




見慣れた家が見えてきた。




石焼き芋を食べながら道にあった石ころを




おじさんがしたみたいに蹴っ飛ばした。




うーん、飛んだなあ。



「痛い!誰だ?」




えーっ?



誰かいたのかな?



「すみません、気分よく石ころを蹴っ飛ばしました。あなたは誰ですか?」




「長い眠りについていた、王子だ。僕を眠りから覚ました人が僕の妃(きさき)になる人だとご両親は告げて亡くなった。君を迎え入れよう!」




私は昔の西洋風のヘアースタイルと服装を見て




「あの?頭は正常ですか?貴方は何時代の人ですか?」




男はなんと答えて良いのか考えていた。




「僕には正妻がいるんだ。そうだ、思い出したよ。君は二番目のワイフです。度忘れしました」




「私と何がしたいの?あれ?何を?」




「正妻はベビーが産めない体なんだ。君は正常な体だろ?ベビーを産んで欲しい。君の願いは全て叶える。不足はないだろう?」




私はさっきの石焼き芋屋のおじさんを思い出していた。



「うん、良いよお。願いは三つ有るんだ。叶えてくれる?叶えてくれたら、ベビーを産むよ。何人、欲しいの?」




「叶えよう、ベビーは三人だ。プリンス、プリンス、プリンセスを頼むよ」




「分かったわ。私の願いを聞いてからよ。私の願いは、さっきの石焼き芋屋のおじさんが、少しでも良いから、裕福にして。二つ目は、私を鑑別所から出してくれたあの人にお金を上げて、1000万円。三つ目の願いはこの願いが本当に叶う証拠に、アパートに帰ったら、あの部屋をお城みたいに綺麗にしてね!」




「分かりました。その願いが叶ったら、僕のいる時代に連れて行きますよ」




「了解です」




私は夢を見てるのかな?




あの保証人になってくれた人のアパートに急いだ。



アパートの中がお城になるわけが……半分は期待しながら。




アパートに着いた。



石焼き芋は一個を手に持ち




部屋に入った。





そして私は頬をつねった。

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