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プロローグ

リメイク作品です。なお、「タイトル未定」は一応、凍結という形で。…べ、別に行き詰まっちゃった訳じゃないんだからねっ!!

「お〜い起きろ、朝だぞ。」


 シャーっ!と、部屋のカーテンをあけ、薄暗い部屋に朝の日差しを送り込みながらベッドで気持ち良さそうに寝ている、白髪の少女を起こす。


「ん〜、もぅお兄ちゃんたら、こんな朝早くに私の寝込みを襲いに来るなんて…。そんなに溜まっていたなら昨日の夜にでも言ってくれれば良かったのに。」


 横になりながら上半身を両手で抑えて体をまるでタコの足のようにくねらす少女。…器用な奴だ。


 この器用な奴は俺の妹。名前を心道しんどう光咲ありさと言う。

 汚れのない白色の、肩まで伸ばした髪が特徴だ。

 だが、不思議と老けては見えず、逆に白色だからこそいい感じに「光咲」と言う人物を表しているのかもしれない。


「なんだ、起きてたのか。」


 軽く下ネタよりの発言を流す。いつもの事だ。相手にするだけ無駄だと言うのはもう既に六年前から知っている。


「さっさと着替えて降りてこいよ。」


 俺はそう光咲に言うと、部屋を出て行った。


「あぁ…。」


 と、光咲の落胆した声が聞こえたのは気のせいだろう。





「いただきます。」


「いただきます!」


 学校の準備が整い、俺と光咲で朝ご飯を口にする。

 今日の朝食は炊きたての白いご飯に熱々のなめこ汁に納豆だ。

 俺と光咲の朝食はいつもこんな感じだ。朝はあまり食欲がないからしょうがない。


「見て見て、お兄ちゃん。これ、こんなに糸引いてるよ…。」


 光咲はよくかき混ぜた納豆を箸で上下させて見せてきた。


「それにほら、このコもこんなにぬめぬめさせて…。」


 そう言ってなめこをちゅるんっと口に運ぶ。


「やめろ。」ブスッ!


「あだーーーー!!」


 光咲はそう声をあげると、眉間を押さえて床を転がり始める。

 まぁ、仕方ないだろう。眉間に箸をブッ刺したんだから。

 サッと、布巾で箸を拭い、口にご飯を運ぶのであった。






「あぁ〜痛かった〜。」


 朝食を終え食器を片付けた後、家を出て学校に向けて歩いていると、光咲が自分の眉間に×印で貼ってある絆創膏をなでながら呟いた。


「自業自得だ。」


 そう、光咲に言ってやると


「あれは痛すぎるよ〜。…でも、あれがお兄ちゃんの愛だと思えば、私はその痛みさえも快楽に感じることだって…。」


 きゃーっ!と、頬を手で押さえながら顔を横に振り、空いた手で俺を軽く叩く。


 そろそろ本気で医者に見てもらった方が良いんだろか…。


 はぁ…と、溜め息を一つ。


「お、ここでお別れだな。じゃあ。」


 目の前にY字路が見えた。ここで俺と光咲はお別れだ。光咲は中学生で俺は高校生だからな。


「はぁ〜、お兄ちゃんのいない学校なんて、髪の毛が抜けた波○だよ。」


 よくわからん事を口走る光咲に軽く手を振り、高校の方に歩き出した…と、同時に、何故か胸騒ぎがおこる。

 俺は足を止め、チラッと光咲に目を向ける。


「光咲!!」


 俺は声を上げた。明らかにおかしいのだ。光咲の足下に七色に発光する、円陣が現れたのだから。


「ほぇ?…って、なにこれ!?」


 光咲も気づいたらしく、驚愕する。


 俺は全速力で光咲のもとに駆け寄り、円陣の外に押し出した…瞬間!


 ブウォン


「うわぁ!」


 そんな音と共に、円陣に大きな穴が現れ、俺はそのまま穴に落っこちる。


「うをぉぉぉぉ!お兄ぃぃいちゃぁぁぁあぁん!!」


 そう声を上げた光咲は自ら穴の中に飛び込んできた。…まるで、「ふ〜じこちゃ〜ん」と言ってダイブしてくる大怪盗の三世のようだ。


「バカ…や…ろう…。」


 俺はそのダイブを最後に、意識がプツリと消えていった…。



誤字や感想、その他何かありましたら気軽にどぞっ!

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