会話2 倉井
私はまた山井君の前に立っていた。さっきよりは遠いけれど近かった。私の顔は真っ赤なんだろう。自分でもわかるすごく熱い顔から体まで熱い。そして私は言った。
「山井君許さないよ。ちょ・ちょっとからかいすぎじゃないかな?」
「ご・ごめんなさい…」
「だから許さないって!」
「そこを何とか…」
ここまで弱気の山井君を見たことがない私には許したいという気持ちが芽生えていた。
「じゃ・じゃあい・今から言う質問に正直に答えたら許してあげる。許してあげるって私が言ったらもう正直に答えなくていいから。」
「わ・わかった。」
「じゃ言うね。私と書記の粥見ちゃんと実行委員の久美ちゃん、どの人と付き合いたい?」
「…えっと、か…」
(やっぱりね粥見ちゃんのほうが好きなんだ…)
「か・会長…」
「え…私?」
「う・うん。」
さらに顔が熱くなった。
「じゃ・じゃあさっきの萌えたっての本当?本当ならどこに萌えたの?」
「本当です…萌えたとこはか…かわいい顔です。」
また顔が熱くなった。体が震え始めた。
「さ・最後の質問。今までの答え正直に言った?」
「はい…」
ちょっとからかうかな…
「私のこと好き?友達としてではなく。こ・恋人として。」
「う・うん好きだよ。前から好きだったよ。だから付き合ってください。」
「へぇ?」
(ちょっとまってよこれって告白なのかな)
「これって告白なの…」
「うん…」
「何で告白したの?からかってるってわかってたでしょ。」
「うん。わかってたよ。でもまだ許してあげるって言われてなかったから正直に言ったんだよ…」
「あ…じゃあ許してあげる。これで終わりね。」
私の前にいる山井君は力なく壁に背中を付けていた。
しばらく沈黙が続いた。私は力を込めて言った。
「私もあなたが好き。だから付き合ってください。」
山井君は驚いていた。そして
「僕のほうこそよろしく。」
と力なく言ってくれた。