退屈 勇輝・優衣
<勇輝>
優衣達は学校に行った。帰りに来てくれるらしいけど一人だとさびしいものだ。そうだ優衣と会ったときを思い出してみるかな。
<優衣>
私は勇輝と今は一緒にいない。学校だ。今は学校は嫌いだ。勇輝と一緒にいられないからだ。授業はめんどくさく感じた。勇輝と会ったときのことでも考えよう。
<勇輝>
優衣と会ったのは高校1年の9月の野外活動の時だった。(この学校は小中高一貫教育の学校です。)その時俺のクラスに優衣はいた。でも話したことはなかった。クラス1の美人で周りの美男子ぐらいしか話したことはないだろう。野外活動の班で初めて一緒の班になった。男3人、女3人班だった。俺の班は、まぁ~面白いことに、カップルが2組いた。書記の粥見さんと俺の友達の河木カップルと実行委員の久美さんと俺の友達の佐加井カップル。あの時は悔しかったな。自分だけ仲間外れだった。付き合ってないというなら優衣もだったけど、あの時の仲間外れは違った。美男子美女たちばかりだったのにおれはただの凡人だった。あの時はなんだか悔しかった。カップル二組はにぎやかだった。優衣もその話に加わっていた。実は俺も話に加わっていた。でも何言ってたのかは俺にはさっぱりだった。恋愛話。昔の俺には無縁のものだった。優衣はその時からもにこやかにしていた。俺にも話しかけてくれてた。
「山井君って好きな人とかいるの?」
な~んてことも言われたっけ。
「いないよ。」
俺にはあの時の優衣はただのお嬢様にしか見えなかった。
<優衣>
私は、はじめて話した時の勇輝はみんなとどこか違ったように見えた。他の人は最初は絶対敬語しか使ってくれなかった。でも勇輝は敬語ではなく、友達に話すように話してくれた。あの時は嬉しかった。
「何かやりたい係あるか?」
「う~ん。ないよ~」
なんてかわいく見せたこともあったな。でも勇輝は
「俺が手伝ってやるから、なんかやってみろよ。」
その時から恋人みたいに接してくれた。あの時は勇輝がとてもかっこよく見えた。今もカッコイイけれど。
「じゃあ生活係やるよ。手伝ってね山井君。」
「いいよ。あ・それと山井でいいから。」
「わかったよ。山井。ありがとう。」
あの時から好きだったのかも知れない。顔はイケメンじゃないけど、どんなイケメンよりかっこよく見えた。性格もよくて…勇輝のことを考えるだけで顔が熱い。