エンディング
目が覚めたら病院だった。どうやらあの後搬送されたらしい。ユウはどこだろうと辺りを見回すとアタシの太ももあたりの布団の上にいた。どうやら二人とも無事みたいだ。
寝直そうとしたところでノックがされる。
「どうぞー」
扉が開かれ、そこには仲上さんとリンさんがいた。
「おー起きたか! 元気か?」
「おはようございます。特に身体に変な感覚はありませんし、ユウも見た感じ異常なさそうです。まあお医者さんにちゃんと聞かないとわかりませんが」
「医者も命に別状はないって言ってたし、説明じゃ極度の疲労によるものだって言ってたぜ。だから心配ないよ」
「そうなんですね、よかったー」
「にしても大活躍だったな!」
「えへへ。なんかよくわからないですけど、できる気がしたんですよね」
「すごかったぜ本当に。あ、だけど祢宜さんかあ伝言な。ソロモンを身に纏うのはあまりしないように。本当の本当に有事の際のみにしてください。だってよ」
「たしかに、いきなり倒れたらそうもなりますよね」
「つーか、研究が進まなかったのも、使用者の負担が大きいってのが元々あったらしい」
なるほど、と相槌を打つ。何はともあれ、命があってよかった。
その後、仲上さんから御門の処遇について聞かされる。多くの命を奪ってきたこと、とはいえ直接手を下していないこと、そして本人に反省の色が見られること(本当かどうかアタシは怪しいと思っているが)、ソロモンという難しい存在が関与していることを鑑みた結果、懲役三十年程度の見込みであるらしい。とはいえ、今は警察病院で入院中だ。機会があれば顔でも見てやりたいが、アタシは入れるんだろうか。
仲上さんたちは要件を伝えると少々の世間話の後に帰っていった。話に出なかったことで気になることがある。的崎さんのことだ。彼は御門さんと一緒にいなかった。今はどうしているのだろう。リプロはまだ的崎さんが残っている。根絶したとは言えない。ウィズダムのみんなも気にしているだろう。だが、何も手がかりが現状ないためどうしようもない。今はひとまず休もう。春から夏まで怒濤だったな……あれ? そろそろ期末テスト……? いや、考えるのはよそう。アタシは二度寝した。