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最強で最弱な英雄&優しい魔女の物語♡♡♡  作者: ゆきちゃん
第1章 魔女は英雄を見つけた
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10 美しき心は危険にさらされる

第3作目の投稿です。

是非是非、お楽しみください。

 その世界には、さまざな色の花々が咲き乱れていた。

 たくさんの色の花々は互いに相手を引き立て、全体として完全に調和していた。


 はるか彼方までその光景は続いていた。

 そして、花々の間を何か小さなものがいっぱい飛び回っていた。


「クラリスさん。何かたくさんのものが飛んで、すばやく動いていますが? 」


「アーサー王子様、妖精ですよ。たぶん、王子様は妖精に好かれると思います。楽しみです。」


「えっ、妖精ですか。あっ、よく見ると確かに羽がはえた人間のような姿をしています。」


 すると、飛んでいた妖精の一人が2人に気がついた。

「あっ。魔女様がいるよ。一緒にいるのは英雄! 美しき心を守る人だ! 気高き人! 」


 最初は少しずつ、そしてだんだんその数は多くなり、最後には大群となり2人の回りは妖精だらけになった。


 飛んでいた妖精がたずねた。

「真実に至る魔女の娘、クラリス様。お隣にいる英雄のお名前を教えてください。」


「この背の高いイケメンはアーサー王子様よ。今日は一緒にピクニックに来たの。」

「英雄がいるだけで、僕達は元気になれます。ゆっくりしていってください。」



「じゃあ、みなさん。私と王子様を2人だけにしてくれませんか。」


「はーい。わかりました。それでは、僕達はお2人のピクニックが盛り上げますね。」


 そう言うと、妖精達の姿は急に見えなくなった。


「王子様。あそこに小高い丘がありますね。あそこに登ってお昼にしましょう。」

 クラリスはアーサーの前を先導して、丘を登り始めた。


 登り終えると景色は最高だった。

 はるか彼方まで美しかった。


 2人はそこにシートを敷いて並んで座った。

 ちょうど良い気温で、ここちよい、そよ風が吹いてきた。


「このそよ風は、妖精達のプレゼントですね。さあどうぞ、今日はサンドウィッチを作ってきました。お口に合えばうれしいのですが。」


 アーサーは進められるまま、サンドウィッチを食べ始めた。

 口にいれた途端、最高の味わいだった。


「う――ん。最高です。こんなにおいしいサンドウィッチは食べたことがありません。特にこのジャムはおいしいですね。なんの果物かはわかりませんが、とにかくおいしいです。」


「ありがとうございます。作りがいがあります。そのジャムの原料となった果物についてお教えしましょうか。」


「ええ、何でしょうか。」


「イチゴ、なし、ブルーべーリーなど、それぞれのの果物味が最高に引き立つ割合で混ぜたものです。魔女が生み出した最高の調和には魔法の効果があるのです。」


「どのような効果ですか。」


「ふふふふ。食べると、そのジャムを調和した人をとても好きになってしまうのですよ。アーサー王子様はもう私にメロメロのはずです。」


「え――――っ! それでもかまいません。あの、すいません。後、何個かいただけますか。こうなったらどんどん食べて、クラリスさんの完全奴隷になりメロメロになります。」


「ごめんなさい。うそです。でも、どんどん食べてください。たくさん作ってきましたから。それから、飲み物もあります。サンドウィッチによく合う新鮮なミルクです。」


「はい。遠慮無くいただきます。」


 美しき心が映す世界の空は、クレヨンで描かれているようだった。

 最高の青色の中に、優しそうな太陽が浮かんでいた。


 太陽の光りはポカポカ陽気で2人を包んだ。

 満腹になったアーサーは眠くなってしまった。


「クラリスさん。すいません。私はとても眠くなってしまいました。このところ、いろいろな事で緊張した毎日が続いて、このように眠くなることなどなかったのです。もう、がまんできません。」


「アーサー王子様。それでは、私のひざを枕にしてしばらく眠ってください。」


「すいません。もうだめです。よろしくお願いします。」

 アーサーはクラリスにひざ枕をしてもらって深い眠りに落ちた。


 2人にとって、(あたた)かくて優しい時間が続いた。




 しばらくして、2人がいる小高い丘を照らしていた光りがさえぎられた。

 空に大きな手で、黒いおおいがされたようだった。


 クラリスの顔が険しくなった。

「ザラ! 」


 おおきな声がした。

「おやおやおやおや、お姉様。ものすごいイケメンにひざ枕をしているじゃないですか。」


 空に浮かんだ大きな手の黒い影から、何かがジャンプして落ちてきた。

 最初はものすごく早かったが、地面が近づくに連れてゆっくりと落ちてきた。


 そして、丘の上の空中に止った。

 全身黒ずくめの甲冑に身を包んだ女騎士だった。


 髪の毛も黒色、瞳の色は青色でクラリスにとてもよく似ていた。

 ただよく見ると、透き通った海のようなクラリスの青い瞳とは違い、青い瞳は深海のようだった。


「ザラ。今日は何をしに落ちてきたのですか。ここは、あなたがいるべき世界とは全く反対、お願いだから無用な戦いを起さないでください。」


「反対の世界の勢いが強くなったので、見に行くようにと我が主に言われたのです。やはり、英雄がこの世界にいて、神聖の力をまき散らしているじゃないですか。私の世界に攻めてくるのですか。」


「そんな気持ちは全くないわ。そもそも、この『美しき心が映す世界』と、あなたがいる『悪しき心が映す世界』は対になって存在するもの。反対の世界だからといって排除することはないわ。」


「そうですか。でも私はお姉様の全てを排除したい。なぜかというと、私は人の幸せが許せない『ねたみのザラ』だから。こうするの―――― 」


 そう言うと、ザラは剣を抜き、空中から2人に向かって剣を振り下ろした。

お読みいただき心から感謝致します。


※更新頻度

最初は内容をしっかり検討させていただくためのお時間をいただきます。

週1回、日曜日午前中です。今日は不定期更新です。


作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。

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