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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第1章 孤児院の改革
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城内の腐敗

スラムの人達も孤児院に来て下さいました。


ここまで王国が腐敗しているのは王族に責任があると思っております。

王の間で両親に確認を取ります。


「お父様、お母様。お城で働く全ての人達の確認をしたいのですが、よろしいですか?」

「アリーはお城で働く人間に裏切り者がいると言いたいのか?」


お父様は少し困っている様子です。

「間違いなくいると思っています。問題になる前に対処したいのです」

「良いと思うわ。ここまで国が酷いのは王族の責任。お城の中だけ綺麗なのは不自然でしょう?」

「そ、そうだが…」


お母様は賛成の様ですが、お父様が難色を示しています。

「あなた。何かがあってからでは遅いのよ?決断は早くするべきだわ」

「分かった。アリーの好きにして良い。私は見学させてもらう事にする」


「そんな消極的な事を言っていられるのも今の内だけよ?」


お母様の言葉が意味深ですが、私は貴族と繋がる人がいると考えています。

王族と貴族は共に腐敗していたのですから…。


そもそも、この国に階級制度を取り入れた先々代の国王が愚かな人です。

見栄を張る為に立派なお城を建てたい、その為の資金集めが階級制度なのです。


その時に資金を多く出した人達が貴族なのです。

国を王都と5つの領に分け、領の管理を侯爵家が、さらに侯爵家にお金を出した人が伯爵家や男爵家として同じ領内にいるのです。


その時には既に腐敗していたと言っても良いでしょう。


腐敗しれていたら危険な部署を呼び出してもらいます。

「近衛騎士の皆様、宰相様と文官を広間に集めて下さい」

「宰相まで呼ぶのか?」


お父様が声を上げます。

「宰相様は何の仕事しているのですか?私は普段見かけません。それに宰相の役職に就けたのはお父様ですか?」

「いや、先代国王だが…。」

「アリーの言った通り呼び出すべきだわ。腐敗は以前から始まっていたのですからね」


広間に集められた宰相と文官に声をかけます。

「貴族の指示に従っている人、貴族と繋がっている人、誰かにお城の情報を話した人はいませんか?」


やはりいます。

5人です。


この数が多いのか少ないのか分かりませんが、まだ城内で何も起きていない今、見つけられて良かったです。

5人を近衛騎士に捕縛して頂き、残りの文官は仕事に戻って頂きました。


「あなた達は貴族と繋がっていますね。何を話しましたか?自白するか拷問されるか選んで下さい」

「王女様、私達は何もしておりませんが?」

「そうです!何故捕縛をされるのです」


この5人、繋がりがありますね。

「あなた達が貴族に情報を流すとしたら、侍女や近衛騎士の情報が一番でしょう。簡単に王族の命を狙える場所にいる訳ですから」


今、一番嫌な言葉で反応がありました。

「まさか、近衛騎士の情報を貴族に流したのですか?私達と宰相様しか閲覧出来ないはずです」


お父様が話を聞いていて激怒しました。

「宰相!誰の情報を流した。俺はお前を信じていたんだ。何故こんな事をした?」

「国王様、私は逆らえないのですよ。手紙に書かれた指示に従うように洗脳されているのです。そして貴族の推薦もあり宰相の地位に就いたのです。私が文官に流した情報はケヴィンの情報です」


お母様が声を上げます。

「ケヴィン!急いで家族をお城に避難させなさい」

「はい!」


お父様が5人の文官を睨んでいます。

「おいおいおい。とんでもない事をしてやがるな。どこの貴族の命令だ?どうせ死ぬんだ。痛い思いはしたく無いだろ?とっとと話せ」


文官達は観念したのでしょう。

「私達と宰相は、最初から貴族連合の指示により城にいます。どこの貴族ではありません。全ての貴族の命令に従わなければいけないのですよ」


最悪の情報です。

やはり貴族から送り込まれていた人達がいた様です。


お父様が決断を下しました。

「とりあえず、今まで何を貴族に流したのかゆっくり拷問室で調べさせてもらおう。連れていけ」

「かしこまりました」(近衛騎士)


「宰相、あなたは私の実家で更生プログラムを受けてもらいます。洗脳も解けるかもしれません」

「ありがとうございます。私の様な罪人に情けをかけて頂き感謝します」


宰相は泣きながらお母様に頭を下げています。

もともと心は濁っていないのです。


洗脳さえ解ければお城で仕事も出来るでしょう。


それから順番にお城で働く人達を検査していきましたが、貴族と繋がっている人はいませんでした。

貴族は宰相から情報を得れる事が分かっていた為、これ以上の密偵は必要無いと判断したのでしょう。


ケヴィンは私の近衛騎士です。

彼が家族を連れてくるのを待っていました。

暫くして小さな妹を連れてお城に来ました。


「ケヴィン、あなたの家族は妹さんだけですか?」

「はい。両親を亡くしておりますので妹を施設に預けておりました」


「あなたは孤児を差別していますか?」

「いいえ。しておりません」


嘘は言っていません。

近衛騎士の感情は特に気を付けて見ていたのですから、間違いは無いでしょう。


「あなたに特別任務を出します。孤児院の中に入りクリスタと共に孤児を守りなさい。妹さんの近くにもいれますし勉強させる事も出来ます。どうしますか?」

「はい!その任務受けさせて頂きます」


これで孤児の安全性も高まりますね。

そろそろエリーを連れて孤児院に行こうと思います。

宰相を助け、近衛騎士を孤児院の護衛に送りました。

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