小説家になろうのシステムを使ったクイズです
「いきなりきたと思ったらそんな話?」
私は自分でも不機嫌だとわかる声で、付き合いの長い男をなじった。
「もう、頼れるのがお前しかいないんだよ」
この男の拝むポーズを何回見ただろう。
付き合って長い。
私の言って欲しい言葉は言ってくれないクセに。
頼まれ事は増えるばかりだ。
「親父の隠されてるって小説を読みたいんだ。最近おかしいんだよ親父。いきなり絶筆して俺や、お袋をニヤリって気持ち悪い笑顔で見てくるんだ」
ほらこんな顔と男は必至に顔を作るが、私には微笑みにしか見えなかった。
これも惚れた弱みだろうか。
「わかった、わかった。で。その小説を読むにはどうすればいいの?」
今度も私の敗けだ。男の頼みを聞く事にする。
「小説家になろうってサイトがあるんだ。親父はそこからデビューしたらしい。残っている親父の小説のタイトルにヒントがあるらしい」
どれどれ。私は男の差し出したメモを見る。
1, 北極なの?紛らわしい。方位磁石のおもしろ話
2, グラウンドの戦士たち。君が泣いても蹴りはやめない
3, Zナンバー
4, ファンからエースを奪った後に。
https://ncode.syosetu.com/○○○○○○○/
「この○に4つの作品名からわかったキーワードをいれるのね」
正直めんどくさい。
私はマシンを立ち上げた。
「ああ、そうだよ」
男のどや顔がうざい。
「最初の一文字と最後の二文字はアルファベット小文字で、後は数字なのね?」
男に確認する。
「そうだけど、何してるんだ」
男が不思議そうに聞いてくる。
「めんどくさいからマシンに全部入力させるのよ。出てきた作品に貴方のお父さんの名前があれば表示される」
私は相棒のマシンを優しく撫でる。
「それってずるい」
男が呆れている。
「チートよチート。なろうらしいでしょ」
実は私もちょっと読んだ事があるのだ。
ピーと相棒が作業終了を教えてくれる。
「この5番目のヤツね」
男と一緒に読む。
「俺、俺と結婚してください。」
男が涙でぐちゃぐちゃの顔で、言ってくる。
やっと私の欲しかった言葉を言った。
「やりなおし。もっとこう、あるでしょ。場所とか雰囲気とか」
すぐOKしない。さんざん待たされたのだ。ちょっとイジワルしてもいいだろう。
たぶん、この問題はこれで最後です。
あぶない。ネタバレするとこでした。
答えありきのコメントが一切書けないのは不便ですね。