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第4話 USSゴルディアース

 ヨグソトースの上部、バルカヌスの頭部カメラの位置に見える部分が突起した。

 突起は角を出すカタツムリのように、みるみると伸びていき、四方へ広がる。

 色は血液のように赤く変色。

 その形はバルカヌスと同じ人型に変わり、半身だけを出したケンタウロスのようになった。


「ころころと姿を変えやがって。不気味で吐き気すんだよ!」

 

 バルカヌスはレーザー銃を放り投げると、腰のパーツから短いロッドを出して装備。

 ロッドの尖端から光線の刃が伸びる。

 伸びたレーザーナイフを敵に突き立てた。


「俺たち海兵隊は、宇宙最強なんだよぉー!」


 マクナマラは我武者羅に操縦桿を動かし、光の刃先で敵の表面を引き裂く。


 ナイフは敵の心臓部に深く突き刺さり、急所を破壊。

 相手は浮遊する綿のように、ふわふわと流される。

 敵の体が離れると、悲鳴にも似た甲高いノイズの爆破音が、空間を震わせた。


「思い知ったか! さぁ、次はどいつが相手だ!?」


 マクナマラは口走った後に後悔した。

 何故なら、つい先程、苦戦を強いられた相手が、20体か30体は現れたのだ。


「おいおい、今の冗談、真に受けたのか? ……わかったよ! 相手すりゃいいんだろ」


 マクナマラがスラスターのレバーをフルスロットルに入れる寸前、目の前の敵は光の洪水に飲み込まれるように消えた。


 待ち侘びた瞬間が訪れ、彼は安堵する。


「もっと早くやってくれよ……」


 上下のない宇宙空間では上空の定義がない為、言うなれば自機より90度の位置に、いくつもの巨大な矢が虹色の空間を引き裂くように駆けて行く。

 一つ一つの矢はバルカヌスよりも倍以上大きい漆黒の三角形をなしている。


 空軍の空爆部隊サラマンダー。

 伝説の炎龍になぞらえた戦闘機編隊は、両翼から高出力の粒子砲を斜め45度の位置へ掃射。

 目前のヨグソトース群は空軍の攻撃により、鉛筆で描いた絵を消しゴムで消すように、掃討されていく。


 サラマンダー部隊に遅れて応援に駆け付けた、後方よりでいる影。

 巨人が神の山から姿を現すような威圧感があった。 


「ママのお迎えも来たか?」


 亜空間航行を可能にする空母【USSゴルディアース】

 磨かれた剣のような光沢を出す白銀の船体は、全長20キロメートル、横幅4キロメートルと規格外の大きさ。

 収容人数はおよそ160万人。

 動力は反物質を使い、核融合の数百倍の推進力を生み出している。

 その巨大な船体の上には、都市がまるまる建造され、まるでニューヨーク州のマンハッタン島が浮遊しているようだ。

 歴代の旗艦と同じく、艦船かんせん接頭辞はUSS(ユナイテッド、ステーツ、シップ)を拝している。

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