2話 〜裏の顔〜
次の日の朝私は女の人の家に泊まらしてもらっていた。
「すみません。泊まらしてもらってしまって」
私が言うと
「いえいえ、いいのよ。何か疲れちゃたのよね。全然平気よ。」
ずっと思っていたが本当に優しそうな人で嘘を言っている人には見えなかった。
「そういえば、自己紹介をしてなかったわね。遅れてしまったけど、私の名前はかこというの。」
「かこさんですね。ステキなお名前で」
私はちょっとお世辞を言うつもりだったのにかこさんはその事を本気にして、長々と話しはじめた。
「この かこ という名前は私のお父さんが、つけてくれてかこという漢字は…」
のとにかく話が長い。
「あら、ごめんなさい。長話になってしまって。」
「いや、全然大丈夫ですよ。あの、私行かなくてはならない所があってですね。」
「あら、そうなの。それじゃあまた遊びに来てね。」
かこさんとはお別れをした。
今から、行くところは、私の家。どんな風になっているかは、わからないけれど、とりあえず、行ってみよう。細い道を通り、商店街を抜けて、右に曲がったところでビラを配っている人がいた。あの人、かこさんと顔がそっくり。すかさず、私は声をかけた。
「あの、かこさんって知ってますか?」
「あー、かこなら、私の双子の妹よ。私の名前はみらいよ。」
「えー、そうなんですか。どうも顔が似てるなと、思ったんですよ。」
「あはは、そうなの。けど、どうしてかこの事を?」
「あの、今日かこさんと会ったんですけど、私の、実のお母さんだったみたいで。」
「お母さん?かこは子供なんて産んでないわよ。ずっと独身ですよ。」
「えっと、どういう事ですか?」
「あなた、もしかしてかこに騙されてるわね。実はかこ、あなた達がいる世界を調べて、ターゲットを決めて、そのターゲットをこっちの世界にやって来させ、悪に引きずり込もうとしているのよ。」
「そんな、ずっと信用してたのに。」
2話読んでくださってありがとうございます。新たな人物が出てきましたね。かこさんと、みらいさん。皆さんお気づきだと、思いますが、かこさんは、漢字に直すと過去になって、みらいさんは、未来になりますよね。
二人とも名前も性格も全て正反対なんです。
次回はその二人の性格の違いの差がどんどんあきらかになってきますよ。その違いが少し面白いと思います。
それでは、また次回。