~探究にむけて~
レガンにとって初めての覚醒現象に関わる資料。レガンは興味津々のようだが……それはまたしも、かなり昔に書かれた、一部文字が滲んでいる言い伝えだった……。
レガンと出会って早一ヶ月。私は新しく言い伝えが発見されたと聞き、必死に頼み込んで、どうにか借りることが出来た。
「……これは……?」
古い紙を、不思議そうな顔でレガンは見る。
「覚醒現象について書かれてある、古い言い伝えの一つ。新しく発見されたらしいから、それを借りてきたの」
「借りていいのか!? 大事な資料なのに!!」
「許可もらったから大丈夫だよ。あと、私…あの事件のせいで有名になっちゃったみたいで……すぐに借りれちゃった」
あの事件とはそう…私が覚醒人間となった直後に暴れ、人を殺し回ったあの事件……。照を殺してしまった事件でもあるため、あまり思い出したくなかった。だけど、忘れちゃいけない出来事だと分かっていた。だから私は今も覚えてる。そして今後も忘れることはない。
「そ……そうか……。で、何て書かれてあるんだ?」
「それが……残念なことにあまり読めなくて。今回、かなり滲んじゃってるんだよー……」
「どれどれ……。あー、本当だな……。一部、文字が滲んでる……。が、一つ分かったことがある」
「え? 何、何ー!!」
私は目をキラキラとさせながらレガンに聞く。
「……心の赤を持つ者は必ずしも人間とは限らない……ということだ」
「!?」
私は衝撃を受ける。
「ある一族が人間ではない……と書かれている。だが、ある一族とは何かについてはすまないが読み取れない……」
「……そうかー……。ありがとう、レガン。……こうなれば、あの人の所に行くしかないかなぁ……」
私はうーんうーんと考えながら言う。
「何処に行くんだ?」
「二ヶ所、行くよ!! 一ヶ所はレンの研究所。あそこにはたくさんの資料があるの。もう一ヶ所はこの現象の第一被害者、美江さんの家。あの人が一番詳しいだろうから」
あの人ならきっと……。そう思ったから。
「よし、行こうか!!」
レガンは行く気満々みたいだ。私はクスッと笑い、レガンを見て
「うん……!!」
そう言ってみせた。
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