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~レガンの正体~

 レガンが美江さんの家に入ろうとすると、ビリッと音が鳴った。そして美江さんは衝撃なことを言った。


「……貴方、人間じゃありませんね……?」


「「!?」」


私もレガンもびっくりした。でも心の中で、やっぱりという気持ちもあった。レガンの髪……まるで人形のようにさらさらだった。人工的な髪……という感じだったのだ。


「お……俺が……人間じゃない……だと!?」


その言葉に美江さんは振り向いて


「ええ。貴方は人間じゃない。……人形よ」


そう冷たく言い放った。レガンにとっては衝撃なことのはずなのに、レガンは何も言わなかった。


「……自覚でもあったのですか?」


レガンの様子を見て、美江さんは尋ねる。


「……そんな気はしてた。生まれた時から動けなくて、涙も汗も出なかった。かろうじて話すことは出来た。だから俺は……人形に近い人間だと信じた。だけど馬鹿だった。そもそも生まれた時から……人形っぽいやつなんているわけなかったんだ……。俺はやっぱ、ただの人形って訳か」


レガンの声は悲し気だった。やっぱりとは思っていたが、それでも、レガンが人形であることに衝撃を受け、私は動けずにいた。


「……言い伝えで、貴方のことが書かれている物があるのです。それが証拠です」


美江さんは気の毒そうに言った。でもレガンはずっと下を向いたまま。


「……あ、もしかして……」


「……? どうしました? 留美さん」


「あのね……この前、新しい言い伝えが発見されて……確か、その言い伝えに、心の赤を持つ者でも人間じゃない者がいるって……書いてありました」


「……!! それよ、留美さん。その言い伝えにレガンさんのことが書かれています!」


やっぱり……。この言い伝えを明らかにしたら……レガンのことが……心の赤を持つ者のことが分かるんだ。


「……美江さん。レガンについて……教えて下さい……。その言い伝えについて……教えて下さい……!!」


私の声にレガンは初めて顔を上げる。レガンの顔が見えた。初めて弱い顔を見た気がした。いつも自信に溢れ、明るい目をしていたレガンは、今は自信を失くし、小さくうずくまり、暗い目をしている。その姿はまるで、小さく怯える子供のようで……。そして私は決意した。レガンのこと、もっと知りたい。支えたい。理解したいと。


「……留美さんならそう言うと思いました。いいでしょう、話します。彼について……」

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