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~不動化~

 「何故だ……何故、味がしない……香りが分からない……?」


 俺は気付いてしまった。人間としての生が終わりかけているのではないかと。元に戻ってしまうのではないかと。元の俺はそもそも動けなくて、感情すら持っていなかった。命も……心も……。言えば人形だ。だが俺は人形じゃない。人形に近い人間だ。……そう信じてる。だって動けなかった時、俺は物を見ることは出来た。極力話さなかったが、一応喋ることも出来た。が、今みたいに上手くは話せない。人形はそれすら出来ない。だから俺は……人間なんだ。人形の……はずが……ナい。


「嫌だ……俺はまだ……まだ動きたい。この命……この心……持っていたい……!!」


もう動けなくなると思うと、体が震えた。俺はこのままで……イたい!!

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