~研究ノート~
私が寝ている間、レガンが色々調べてくれていたらしい。あちこちに資料が置かれていた。
「……調べてくれるのはいいけど、もうちょっと綺麗にしようよ……」
資料が乱雑に散らかっていた。私は整理しようと、資料を持つ。
「……レン、ずっと調べてたんだ……。私達、覚醒人間のこと……。覚醒現象のこと……」
レンがここまでしてくれていたことに、私は涙が出そうになった。
「……ん?」
資料と資料の間にノートがあった。
「これ……レンが必死に書いてた……。……『赤い雲』……? 何だろう……?」
そんなワード聞いたことなかったため、気になりノートを開いてみる。
『赤い雲とは? その名の通り赤色の雲らしい。何が原因でこの雲が発生するかは分かっていないらしい。どれを見ても書かれていない。最近分かったことかもしれない。情報によると、この赤い雲が出ている時、我々心の赤を持つ者が暴走してしまうらしい。言えば、心の赤を持つ者の覚醒……と言ったところだろうか。どうしてこうなるかは不明。そしてこれを抑える方法として、その暴走した心の赤を持つ者を思う人物が声を掛け続け――――――』
「あれ……途中で終わってる……。きっと、これを書き切る前にレンは……」
不意に涙が出た。涙はノートを濡らしていく。
「あ……ノートが濡れちゃう……」
慌ててノートを閉じて、ソファに座る。
「……レン……。私のために……きっと研究……夜遅くまでして……しんどかったよね……辛かったよね……!」
涙が止まらない。どんどん出てくる水。透明でしょっぱい味がして……赤くなくて温かい……。私はしばらく泣き続けた。