~レガンの思い~
目を開けると、そこはレンの研究所。現実に戻ってきたらしい。ソファに横たわっていた。
「……帰って……来たんだ。あれ……何だか体がだるい……」
そう呟き、ゆっくり起き上がる。するとポトッと何かが落ちる。
「……冷たい……。あぁ……そうだ。私、熱で倒れたんだった……」
「……留……美……」
声が聞こえ、私ははっとし声が聞こえた方向を見る。
「……レガン……?」
レガンは私の隣で寝ていた。疲れ果てているのか、私がレガンを突いても起きなかった。
「…………」
「レガン……もしかして、ずっと看病を……?」
そう思うと、瞼が熱くなった気がした。きっと私のために何時間も休まずに看病してくれたのだろう。
「……レガン……。ありがとね……」
そう言って、レガンの頭をそっと撫でる。
「……んん……。留美……?」
「あ……ごめん! 起こしちゃった……?」
「いや、俺のことはいい。留美、大丈夫か!?」
レガンはバッと起き上がって留美を見る。
「私は大丈夫だよ……? まだ少し体がだるいけど……」
「だるいどころじゃねぇだろ……。お前、倒れてから3日も経ってるんだぞ!?」
「え……?」
私が記憶を辿っている間に、現実ではそこまで時間が経っていたのか。レガンに言われたことで初めて分かった。
「あぁ……私……ずっと寝てたんだ……」
「大丈夫か……? 留美……」
レガンは心配そうに私を見る。その様子に私は何故かほっとした。私……一人じゃないんだ……。私を思ってくれている人が此処にいる……。そう思った。