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魔王討伐①

「さて魔王との戦いだが、戦力はどの程度ある?」

「たぶん、期待するほどないと思って良いです。最初の戦いで実力者は全員殺されてしまったので」


リリに雷激を放ったことによる腕の治療してもらい、それが終えたと俺たちは半壊状態の加山邸からまともな部屋を見つけ、そこに集まって作戦会議をした。


「となると問題はどれだけ魔王の戦力を分散させるかだな」

「どういうことですか?」

「魔王は自分のことを天才か何かと勘違いしている傲慢なところがある。むしろなんで色欲なんだよってくらい傲慢な奴だ」

「それは確かにそうかもしれません」

「奴と一対一になれば加山、お前は負けない」

「ありがとうございます」


そう簡単に頭を下げるな。

前と違って何か調子狂うだろうが。

リアたちは俺たちの仲が良くなったことに嬉しそうだから嫌みでも言う気分にならないし。


「ともかく、その魔王が厄介なのは周りの魔物たちだ。それなの強さ、最悪魔獣と同レベルと仮定して対処する必要がある」

「そのために分散させ、僕と魔王を一対一で戦う環境を作るということですか?」

「それもひとつあるが、一番は魔王城の警備を手薄にしたいからだ」

「何故ここで魔王城が出るんですか?」

「魔王城には魔王の奴隷たちが多くいるんだろ」

「はい」

「そいつらを解放する」


すると加山たちもリアたちも驚きながらも俺を嬉しそうに見る。


「やはり、僕が間違っていました。嘘をついてまで僕たちを騙そうとした人とは思えません」

「そうだよ。優斗君は嘘をついて騙すような人じゃないんだから」


リアは胸を張って自慢をする。


「何か勘違いしていないか?」


多分、加山たちは勘違いしている。

俺の狙いはそこではない。


「魔王の奴隷を解放するのはあくまで本当の狙いの副作用で必要なだけだ」

「どういうことですか?」

「それはなー」

「なるほど、そういうことですか」


俺の狙いを伝えると加山たちは納得する。


「でも、それでも助けようとするんだからやっぱり優斗君は優しいね」

「リア、俺を誉めるのは作戦がうまくいってからにしてくれ」

「うん、分かった!」

「では、メンバーの割り振りをするか」

「そうですね」


その後俺と加山でそれぞれ担当する場所のメンバーを割り振った。

魔王が押さえている主要な都市の解放の班は勇者のメンバーとして顔を知られているレレイ、ジュリエッタを筆頭にベリル、ユキ、都市の奪還の後にルルに結界を張ってもらうことを含めて頼んだ。

魔王の配下であったバルバラを潰す班にはエミリア、リアに任せた。

そして魔王を実際に討ち取る班は俺、加山、リリになった。

リリは俺たちの回復と解放した奴隷たちの治療を頼むためにも必要だ。


メンバーの割り振りでリアたちはリリが俺と一緒であることに文句を言ったし、レレイとジュリエッタはエミリアがバルバラを討ち取る班になったことに文句を言って宥めるのに俺と加山は苦労した。


若干だが、加山とハーレムの維持にどれだけ大変なのか談義をして打ち解けた。

本当にハーレムって実際作っている時は嬉しくてテンション上がるけど、それの維持ってマジキツイ。










「いい加減にしろ!」


魔王は座っているテーブルを思いきり叩くと立ち上がる。


「何度も俺にたてつきやがって!ゲリラなんていうふざけたことしやがって全くいい加減俺の力に屈しろって言っているのに!」

「ま、魔王様。実はもうひとつ報告が……」

「なんだよ!」


魔王は怒りを露にしながら奴隷契約を交わしている獣人族の男に投げやりに聞く。

この男が魔王に殺されていない理由が単純に有能であるがためであるが、それはまた別の話。


「実は……、剣の勇者が再び軍を指揮してこちらに向かっています。他にも別働隊で都市の奪還も始めているそうで……」

「なんだと?」

「その結果、各地の反魔王勢力も勢いづいて……」

「あの腰ぬけが……、まだ懲りていないようだな。良いだろう、今度こそ殺してやる。それに……」


あの勇者の女、かなりのレベルの女だしな。

あの女共が俺の腕の中でよがる様子を想像するだけでそそるぜ。


「バルバラには俺の魔物共の一部を連れてゲリラ共を蹴散らせ。俺は勇者を殺しに行く。お前はこの魔王城で俺の今夜の女を用意していろ。いいな!」

「は、はい」








「上手く引っ掛かったようで良かった」


俺とリリ、加山は魔王が魔王城から飛び出して加山率いる討伐軍がいる方向へ飛んでいったのを確認して草叢から出る。


「バルバラも人足先に行ってくれたので良かったです」

「だな」


俺たちは加山の転移石で魔王城の付近まで飛んだ後、密かに魔王城へ侵入した。

ありがたいことに結界を張っていることもなくすんなりと入れた。

大方、自分の魔王城に近づく輩なんていないとでも思っていたのだろう。


「エミリアは大丈夫でしょうか?やはり、僕が倒すべきなのでは……」

「エミリアとリアを信じろ。あんな奴に負けるほど弱いのか?

それにわざわざ一時的だが、俺の準精霊たちを貸したんだ。心配要らん」

「信頼しているんですね」

「お前は違うのか?」

「いえ、僕も信じます。では、できるだけ早くお願いします。僕もできるだけ抑えますが、あくまで作戦に栗原さんの力は必要なので」

「もちろんだ」


加山はそのまま再び転移石で討伐軍の元へ飛んでいく。


「優斗さん、大丈夫ですよね?」


リリは不安そうに俺に尋ねる。

それはそうだ。

これから魔王と一戦をやるんだ。

俺はリリを抱き寄せると抱き締める。


「大丈夫だ。俺は命をかけて、リリを守る」


リリを見つめてはっきりと言った。

するとリリは俺にキスをすると抱きつく。


「この戦いが終わったら私をー」

「ストップ!それは死亡フラグだから」


俺は声を上げてリリの言葉を遮る。

リリは面白おかしく笑いながら


「ふふっ。分かっていますよ。私、頑張ります」

「ああ、頼むぞ。リリの力見せてくれ」

「はい」


俺たちはそのまま魔王城へ突入した。

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