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剣VS精霊魔法

「『我、火の準精霊と契約する裁定者が願う。エレメント・ブラストショット』」

「舐めるな!固有スキル『断裂』」


俺の周りに多くの火の玉が生じると加山に向けて放つ。

加山もスキルで切っていく。

俺がレベルを上げたこともあってか、前まで姿を捉えられなかったが今では何とか見える。


「今度は打たせません!スキル『加速』『強化』」


加山は一気に距離を詰めてくる。

俺も加山の動きに合わせて剣を抜いて、上手く加山の降り下ろす剣を受けとめる。


「なっ!?どうして!?」

「何、驚いてやがる」

「どうして僕の剣を受け止められるんですか!」

「俺だってレベル上げてんだ。別に受け止められないことはないだろ」


こっちはお前が引きこもっている間もせっせと魔獣狩りしてんだ。

ていうか、コイツの剣思ったよりも重くね。

正直、ギリギリって感じなんだけど。


「この剣は宝具ですよ!宝具がそんなただの剣で受け止められるはずがない!」

「まぁ、ただの剣ではないしな!」


そう言いながら、加山の剣を弾き返しながら


「『我、雷の準精霊と契約する裁定者が願う。エレメント・ブレイブショック』」


剣を横に大きく振ると雷の斬撃が生じる。

やっぱり、これカッコいいな。

加山は受けとめることなく、大きく後ろに下がりながら横に逃げる。

斬撃はそのままある一定の距離まで斬撃を保っていたがやがて消えてしまった。


「よく受けとめるのをやめたな。あのまま受け止めていれば感電したぞ」

「栗原さんは雷の魔法が好きみたいですしね。受けとめるとろくなことにならないことくらい分かります」


加山は片腕を抱く。

準精霊たちも俺の剣の中から出てくる。


「なるほど。ただの剣ではないということですか」

「流石に準精霊剣はそうそう壊されないようだな」


オヤジのところで買ったこの剣にかつてクソガキが準精霊たちを縛りつけていたように俺も準精霊たちを剣の中に入ってもらった。

ただ、あくまで準精霊たちを縛っている訳ではないので出ようと思えばすぐに出られる。

もちろん、俺はこの一瞬を逃しはしない。

これだけ距離があれば祝詞の構築は可能だ。


「『我、天空の精霊と契約する裁定者が願う。我を妨げるあらゆる障害を蹴散らし、我を導きたまえ』『業風』」


加山はとっさに上に剣を構える。

きっと『雷鳴』だと勘違いしたのだろう。

残念だな、今はできる限りお前と距離を取るのが俺の狙いなんだよ。

因みに先程の『烈風』の次に強い魔法だ。

加山は思惑と外れたのか悔しそうに顔を歪ませる。

業風によって加山は結界の端まで飛ばされる。


「トリー・ファイヤー」


隙を見て加山は魔法も使って攻撃をしてくる。

そういえば、勇者は魔法も使えるんだったな。


「『我、水の準精霊と契約する裁定者が願う。エレメント・アクアウォール』」


加山の魔法を防ぎながら祝詞の構築に入る。

加山も今度こそ俺が使うと思い、祝詞を唱える。


「『我、大地の精霊と契約する裁定者が願う。我を拒むあらゆるものを破壊し、我を導き給え。我がなすその力を示せ』」

「『僕、剣の勇者がいにしえの力を紐解き、その力を顕現させよ』」


俺たちはお互いに向けて放つ。


「『雷光』」

「『断裂剣』」


俺の雷光と加山の固有スキルがぶつかり、大きな衝撃波が生じて結界が大きく歪む。

意外とやるな。

流石は勇者と言ったところか。








「お願いします、ベリルさん!放してください!」

「すみませんが、ご主人様の邪魔をしないで下さい」


エミリアたちはベリルさんの水飴という精霊魔法で動きが抑えられていて助けに行けなくなっている。


「ナタリア!お願い!栗原さんを止めて!このままじゃ、シュウイチが死んじゃう」

「エミリア、ここは我慢して。優斗君ならきっと大丈夫だから」

「どうしてそんなことが言えるの!今にも死にそうな戦いをしているのに」


確かに今結界の中では優斗君は剣の勇者さんと見ているこっちが息を飲むような激闘をしている。

正直、魔獣相手でも滅多に見れないくらいの魔法とスキルのぶつかり合いだ。

攻撃がぶつかる度に生じる衝撃波も凄い。


「勘かな」

「勘って……。最悪、栗原さんだって負けて死ぬかもしれないんだよ」

「負けないよ。絶対」


ナタリアは私を説得するけれど私はそれを否定する。


「大丈夫、優斗君はいつも自分で決めたことは必ず成し遂げるから。優斗君が勇者さんを立ち直らせるって決めたらきっと立ち直らせることができるから。だから、それが成し遂げられるまでは絶対に負けないよ」


これは理屈では説明できないと思う。

けど、何か確信みたいなものがある。


「どうして、そんな……根拠ないのに」

「だって、優斗君は私の好きな人だもの。信じてあげなきゃ」


ナタリアは私の顔を見て目を見開く。


「ナタリアも信じようよ。ナタリアの好きな人はこんな逆境乗り越えられない人なの?」

「そんなことない!」

「なら、信じよう。大丈夫、きっと大丈夫だから」


私の言葉でナタリアたちは暴れるのを止める。


「もう良さそうですね」


ベリルさんはそう言うと、ナタリアたちの拘束を解いた。


「エミリア、私達も信じるよ」

「うん」


ナタリアたちが私の隣に来たところでバキンッと何かが割れる音がした。

優斗君の方を向くと結界が壊れて崩れ落ちていた。


「結界が衝撃波に耐えきれず崩壊してしまいた」


ルルちゃんが説明してくる。

砂ぼこりが晴れていくと優斗君たちが息を切らしながらお互いの間合いを確かめていた。








「はぁ、はぁ、はぁ」


俺たちは互いに息を切らしながらにらみ合いをする。


「いい加減にしてください!だいたい、どうして僕が戦わなくちゃいけないんですか!」

「お前が始めたんだ。お前がきちんと最後までする義務がある」

「うるさい!僕に指図するな!」


こういうやり取り何回目だろう。

俺たちの言葉はいつまでも平行線だった。


「酷く屈辱的ですが、僕と互角に戦っているなら栗原さんが魔王と戦えば良いでしょう!どうしてわざわざ僕にさせるんですか!」

「お前が託されたことだからってさっきから言っているだろうが!いい加減、理解しろバカ!」


いい加減諦めて自分の弱さに向き合えよ。

お前には戦う以外の選択肢はねぇんだよ。


「そうやって自分の意見を押し付けて……僕の気持ちなんかいつも考えない……」

「なんだよ。はっきり言えバカ」


加山は小さく呟いていて聞こえなかった。


「堪忍袋の緒が切れたって言ったんだ!もういい、手加減は止めです。あなたは殺す!これは決定事項です!ブロウさんへの狼藉も含めてあなたを殺してあげます!」


加山は俺にそう叫ぶと剣を高く掲げる。

すると、剣が光り輝くが前に加山と戦ったときよりもやはり輝きが弱い。

渚の魔物が放っている輝きと比べるとずいぶんと弱々しい輝きだな。

だが、それよりも俺は別のことでキレた。


「何が……クソ王子への……狼藉だ」


あんなこの世のゴミのことでなんで俺がこんなにも非難されなきゃならん。

ぶっ殺す!

あの腰ぬけバカ勇者も殺してやる!

少し当初の考えと違う気もするがそんなのどうでも良くなった。

ともかくあのバカを強烈に殺したくなった。


「『僕、剣の勇者がいにしえの力を紐解き、その力を顕現させよ』」

「『我、大地の精霊と契約する裁定者が願う。我を拒むあらゆるものを打ち砕き、我を導き給え。我が成すその力を示せ』」


俺はいつもよりより多くの微精霊たちから力を借りる。


「『雷鳴』」

「『破滅剣』」


今までの攻撃の中で最も大きな衝撃波が生じた。

これは少しまずい。


「『我、土の準精霊と契約する裁定者が願う。エレメント・ウォール』」


自分の前に壁を作って衝撃に耐える。

余りにも強いせいで結界が崩壊してしまった。

土煙も上がりずいぶんと長い間加山を認識できなかった。


「なんで!どうして死なない!」


晴れていくと加山は顔を歪ませながらそんなことを俺に叫んだ。

知るか、バカ!

ていうか、マジで殺す気のスキル放ったのかよ!

まぁ、俺も殺す気だったからあんまし言えないが。


「なんで!?僕の持つ最強のスキルのだったのに!」

「これが最強?」


正直な話、そこまで強いとは思えなかった。


「チート使いめ」


忌々しそうに加山は俺に叫ぶ。


「加山、どうしてもやる気はないのか?お前、俺の言葉が筋が通っていることくらい理解しているんだろ?」

「黙れ!僕に指図するなって言っているのが分かりませんか!僕は……もう戦わない。ここから出ていくんです!」

「お前、それは獣人族たちは見捨てるって言っているって分かっているのか?」

「だったら何だって言うんですか!魔王なんかと争うのがそもそも間違っていたんです!」


あ、ダメだこれは。

バカだと思っていたが、バカじゃなかった。

コイツはクズだ。


「お前には失望した。お前は少なくともあの時召喚された中ではまともだと思っていたのだがな」

「それは僕のセリフです。嘘をついて騙すような人だとは思いませんでした」


加山は嫌みったらしく言う。

俺は懐からMP回復薬のポーションを一気に飲み干すと加山を殺しにかかる。


「ポーションを使うなんて卑怯な!」


加山は俺を糾弾するが、そんなのは無視する。


「加山、俺はこれからお前を殺す。せめてもの手向たむけとして俺が使える最も強い精霊魔法で殺してやる」

「な、なんだって?」


加山は狼狽する。

それはそうだろ。

雷鳴を防いで精一杯がお前だ。

その上の……雷激を受ければタダでは済まないだろう。


「『我、土の準精霊と契約する裁定者が願う。エレメント・グランドバインド』」


加山は距離が詰めようとするが、その前に土の精霊魔法で足を下半身を掴んで拘束する。

その間に祝詞を構成していく。


「『我、大地の精霊と契約する裁定者が願う。我を拒むあらゆるものを蹂躙じゅうりんし、我を導き給え。我が成すその真なる力の片鱗を示せ』『雷激』」


右腕に強烈な電流が流れ、焼ける臭いが漂う。

俺の後ろに白い雷でできた竜が現れる。


「優斗君!」


リアが近づこうとするのを止める。

今の雷激を制御するのは正直やっとだ。

下手をすればリアに被害が出る。


「な、なんですか。それは……」

「加山、そもそもお前どうして生きているか本当に理解しているか?お前は本来なら魔王会ったとき殺されている。なら、本来殺されているお前が生きているのは問題だろ?」


騎士たちが命をかけて救ったこと、つまり後を託したことを放棄するならお前が生きている意味はない。


「な、なんですか!?その理由は!?」

「頭で理解しているお前にこれ以上言うことはない」


本当にお前が渚と同じくらい強いのならこんな逆境乗り越えられるだろ。

俺の言葉に加山は顔を歪める。

俺が手を下そうとしたその時、エミリアたちが加山の前に立ちはだかった。

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