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王子

「陛下、勇者の加山様、高橋様、姫川様、裁定者の栗原さんをお連れしました。」


その後再び祭服に連れられ、俺らは王の間で王の前に立たされた。

正確には椅子に座る王の前に勇者共と俺の椅子が並べられ、俺らはそこに座った。


「うむ、ご苦労であった、ジョイド。下がって良いぞ」


あの祭服ジョイドっていうのか。因みに、ジョイドは『神官』という回復魔法に特化したジョブだった。


「ユウキ、シュウイチ、マナカ。何度も言うようですまぬが無理を言って申し上げる。話した通り、この世界は魔王に支配されそうなっている。この危機を脱するにはおぬし等の力がなくてはならない。そのために、ワシらに力を貸してはくれぬか。もちろん、おぬし等が活動しやすいように世界各国が武器、環境、金銭の支援もする。どうか、この世界を救ってくれぬか。」

王はそういって懇願した。


高橋「ああ、もちろんだ。魔王なんてすぐにでも倒してやる。俺はおっさんに付いていくぜ」

加山「任せてください。僕が世界を救いますから」

姫川「私じゃ役に立てないかもしれないけど、できる限り頑張らせてもらうわ」


などと言って興奮しながら立ち上がる。

「本当か。世界を代表して代弁させてもらう。本当にありがとう」


俺はもうどうにでもなれという感じだった。

勇者だったら多少やる気が出ただろうが、もう俺のテンションは最低値を更新中だった。


「クリハラはすまんことをした。」

「まぁ、もういいです」

「では、次にギルドに行ってもできるが先にギルドカードに冒険者ランクを印字しておく」

王はギルドカードを集め、印字をする

「そのギルドカードに名前、役職、レベル、冒険者ランクが表示されているはずじゃ。」

渡されたカード見ると、


栗原優斗

裁定者

レベル1

HP 400

MP 300

冒険者ランクF


と表示されている。


「では、次に宝具を持ってくるのじゃ」


そう王は部下の騎士に指示すると奥から石でできた剣、槍、銃を持ってきた。

銃はマスケット銃っぽいな。

すると、石の武器が光ると青木に槍、加山に剣、姫川に銃が近寄り空中で浮いている。

勇者たちがそれを手に取ると石の部分が砕け散り、きちんとした武器となった。


「すげー、なんかすごい力が自分の中に入ってきている気がする」

「だな」

「うん」


勇者たち各々の武器に感動して武器を眺める。


「では、最後にもう一人の勇者を紹介しよう。ワシの11番目の子で杖の勇者であるブロウ=ビザンティンじゃ」


すると、扉が開かれこちらに赤髪の男が歩いてくる。


「先ほど紹介をしていただいたブロウ=ビザンティンです。以後、お見知りおきを」

やってきた赤髪の男は優雅に会釈し、俺たちをゆっくりと見ると

「一人不要な者が混じっておりますが、こちらの方は」


初対面なのにいきなりふざけたことを言って。


「こちらは、えっと、なんじゃったかな」


この王もふざけているのか。


「栗原です」

「おお、そうじゃった。クリハラじゃ。勇者召喚して集まった候補者のうち唯一勇者には選定されなかったのじゃ。こちらも呼んでしまった以上、面倒は見なければならないと思っての」

「そうですか。それはすみません」


そうブロウは謝罪する。

心にも思ってないことが目つきで分かる。

この王子も俺のことを見下している。

その後、ブロウは他の勇者たちと個別にあいさつをするが俺に向けた目では決して見ない。

あの王子見ているとますます嫌な気分になる。


「では、これからさっそくギルドに向かいませんか」

ブロウが勇者たちとあいさつを終えるとブロウはそう言う。


「え、今から行くの?」

姫川の疑問にブロウが答える。


「はい。勇者様たちはまだギルドの使い方も知らないと思いますし、レベルアップも兼ねて魔物狩りに行くのが良いと考えまして。それにいずれは個別に魔物と戦っていきますし、今くらい一緒にどうですか」

「僕達でパーティーを組むんじゃないの」

「私は勇者であると同時に王子の身分でもありますのでなかなか冒険に行けないのですよ。それに勇者の仲間の成長補正を無駄にするのもあれですし、個人個人で自分のパーティーを作った方が良いと思います。」

「確かに」


そういうわけで、これからギルドへ向かうことになった。


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