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魔獣討伐依頼

幻人族地域に向かうにはどうしたらいいかとケインや爺さんに尋ねたところ馬車で最寄りの村まで行くのが良いということなので、運び屋という冒険者や商人を運ぶことを生業としている業者に金を払い運んでもらった。

幻人族の地域へ向かう道中は静かなものだった。

馬車の中でリリに幻人というのがどういう人たちなのか尋ねてみることにした。


「幻人族というのはその名の通り幻の一族なんです。今幻人族が住んでいる地域はかつて大陸にも記録が残っていたのですが、ある時を境にぱったりとその地域の記録がなくなってしまったのです」

「ある時期っていうのは?」

「人族が幻人族に戦争を起こした後です。戦争はもう80年ほど前です。幻人族の姿の記録では実体と霊体を使い分けることができると言われています。現状、幻人族が住む地域は人族と竜人族の住む地域の間にあるのですが、旅をしてその地域を通ると知らない間に竜人族の地域に入っているそうです」

「ずいぶんと変な話だな」


「そうですね。他にも、幻人族はピクシーたちとも共存しているという記録も残っていました。それとこれが一番重要なことなのですが、幻人族の住む地域の近くではなぜか転移石が使えなくなるのです」

「そうなのか」

「はい」


そういうことなら、朝早く馬車に乗る前に教えてほしかった。

今日は少女の墓にまだ行っていないのに。

しばらくは勘弁してもらおう

祟られないといいな。


「けど、そういった地域に何としても入りたいと考える冒険者もいて何年も挑戦している人もいるみたいです」

「入れないからこそ入りたくなるからな。俺も昔入るな危険や関係者以外立ち入り禁止の場所に入ってみたいとか立ち入りたいとか思っていたしな」


リア、リリ、ベリルが複雑な表情で俺を見つめる。

だって入ってみたかったんだから仕方ないだろ。

実際に入りはしていないけど。


「でも、優斗君。ベリルさんが来てからちょっと変わっていない?」

「私もそれは思います」

「そうなのですか」


リアの言葉にリリ、ベリルが反応する。


「俺は全く変わってないと思うが」


自分は変わってないと思う。


「ううん。ますたーかわっているよ」


ユキにまで変わっていると言われるなら変わっているのかもしれない。


「ユキ、あげた菓子のクリームが頬についているぞ」

「こっちー」

「違うこっちだ。ほら、動くなよ」


ユキの頬についているクリームを指で取った後、布で拭いてやる。

3人が温かい目でこっちを見ている。


「な、なんだよ」

「なんていうか」

「はい」

「そうですね」


3人はお互い納得して頷いている。


「前よりもなんていうか雰囲気に温かみが見えるような気がするんだよ」


リアが代表して答える。

そうなのか?

確かにベリルが来てから妙に穏やかにいられるようになることが多くなった気がする。


「けど、時々変なテンションになることも増えました」

「確かにね」

「そこがご主人様の良いところだと思います」

「何かあったか?」

「「ある(あります)」」


リアとリリが声を揃える。


「前に宿で裸にエプロンをしてくれとか」

「お兄ちゃんって呼んでくれとも言われました」

「そう言えば、メイド服っていうのを着てくれと言われたことがありました」


リアとリリが言うと思い出したかのようにベリルも言った。


「ますたー、わたしにおとうさんってよんでみてくれないかっておねがいしたこともあったよ」

「そう言えば、そんなことを頼んだこともあったな」


どうしてなんだろ。

なんかこっちの世界に来る前のむこうの世界での俺のテンションみたいだな。

いや、というより地下室のことを知る前に近いか?

まぁ、どうでもいいことだな。

過去は所詮過去、今の俺はあの時のことがあるから自分という人間が命欲しさに逃げるような最低な奴だって知ることができたんだしな


因みに俺の妹は俺のことを「ねぇ、」とか「ちょっといい、」とかでしか呼ばなかったから一度でいいから「お兄ちゃん」って呼ばれたかった。

そうして日が十分沈んだころには幻人族の住む地域に近づく。

幻人族の住む地域の前には巨大な木々が立っている。

その日はその村で宿を取って寝ることにした。





その日の朝、宿で朝食を食べていると


「あの、冒険者の方ですか?」


歳の取った爺さんが声をかけてきた。


「そうだが。なんだ?俺たちに何か用か?」

「実は私はこの村の村長なのですが、近くの草原で空に亀裂が入っているのを確認しましてこのままでは


近く魔獣が出現するので今のうちに討伐をお願いしたく」


「ああ、分かった。そういうことなら、手伝う」

「ありがとうございます。あのランクを伺ってもいいでしょうか?」

「Cだ」


魔獣討伐はCランク以上にしか認められていない。


「分かりました。では、その、えっとお名前は?」

「栗原だ」

「クリハラ様のパーティーのほかに後3つのパーティーが参加いたしますのでよろしくお願いします。報奨金は後でギルドで受け取れるようにしますので」

「分かった」


村長がいなくなった後、リアたちに話しかける


「というわけで俺の独断で決めてしまったがいいか?」

「危険が迫っているなら助けるのは当然だよ」

「私も賛成です」

「ますたーはわたしがまもるー」

「ご主人様の望みが私の望みです」


無事みんなの了解も得たわけで初の魔獣討伐と行くか。

正直、魔獣がどの程度強いかも分からないし後ろで黙って観察しているだけでもいいかもしれない。


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