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戦闘①

拷問で吐かせた場所に着くと別宅とはいえ、ずいぶんと大きな屋敷だった。

門をくぐる前に持ってきていた紙とペンをおく。


「微精霊たちユキの居場所はどこか分かるか?」

『しゅうれんじょう』

「修練場はどこにある?」

『もんをくぐってみぎにすすむとみえる』

「分かった。ありがとう」

『どういたしまして』

「すごいですね。ここまで微精霊たちが協力するところは初めて見ました」


ベリルが俺と微精霊たちの会話を見て驚く。


「別にタダで動いてもらっているわけじゃない。後で言うことを聞くと約束しているからな。それよりも行くぞ」


門をくぐって右に真っ直ぐ走っていると


「なんか羨ましいです」


ベリルがそんなことを言う。


「ユキさん、すごく栗原さんに大切にされているんだなって分かります。私も栗原さんみたいな契約者に巡り会えたらなって思うとユキさんが羨ましいんです」

「俺はユキが攫われていることにも気づかなかった。契約者としては失格だ」

「そんなことないです」


ベリルはそう言うが、俺がもっと早くに気づいていればユキが攫われることなんてなかった。

真っ直ぐ走るとそこには卒業式会場の修練場のような場所があった。

そこにユキとクソガキ(=カイザー)がいた。


「さっさと僕にも加護を寄越せ」

「いやー。ユキのますたーはますたーだけだもん」

「このクソ精霊が!」


ユキが頬を叩かれる。

その光景を見た瞬間俺は頭に血がのぼっていた。


「あのクソガキが!」

「待ってください、栗原さん」

「放せベリル。あいつをぶん殴らなきゃ気が治まらない」


ベリルが俺の手を取るが、俺は今すぐにでもユキの元へ行きたかった。


「私が精霊魔法で姿を見えなくします。その状態の方が効果的だと思います」


ベリルも怒りで手を掴む力が強かった。

意外とエグイこと思いつくんだな。

そうだよなあんなクソ野郎にユキが殴られているのを見れば怒りも沸くか。


「分かった。すぐに頼む」

「はい。『濃霧』」


すると俺の周りに霧が出る。


「この霧は相手から一時的ですが姿を見えなくします。これであの人やっちゃってください」

「ありがとう」


技能スキル『ミュート』を最大限の力を使い、クソガキの元へ走る。

奴は全く気付いていない。


「このっ!加護を寄越せばいいものを」

「ひぐっ。えぅっ。わたしのかごはますたーにしかあげないもん」


そのまま執拗にユキを叩き続ける。

ユキは泣きながらそれを拒む。


「おまえなんか、ますたーがたおすもん」

「お前の契約者は今頃僕の従者が殺している。ほら、さっさと寄越せ。クソガ―ぶほぉっ」


ユキをもう一度叩こうとしたところで俺は全力でクソガキを殴り飛ばす。

ちょっとこっちも手が痛いな。

白いものが地面に落ちている。歯っぽいな。


「ユキ、助けに来たぞ」

「ま゛ずだぁあああ」


ユキは四肢を何か結晶のようなもので固定されている。

その結晶からユキの手足を外そうとしたところでバチッという音で手がはじかれる。


「ユキ、少し大人しくしていろ」


剣を抜いて結晶を叩き壊そうとするが、びくともしない。


「『ドヴァー・トルネイド』」


クソガキが俺に向かってそう言うとクソガキの持つ杖から魔法陣が浮かび上がり、竜巻が発生し俺に向かってきた。

俺は後ろに避けながら、かわすとユキから少し離れる。


「このザコが!よくも、よくも僕を殴ったな。誰にも殴られたことがないこの僕を!」


ガ〇ダムに出たキャラが言ったような似た言葉を吐く。

歯が欠けているのが分かった。


「一発殴っただけじゃ物足りなかったようだな」


本当は『雷光』を放って殺せばよかったのだが、ユキにも当たる恐れがあってできなかった。


「なんで貴様がこんなに早くここに来れたのかは分からないが、素直に僕の従者に殺されていれば苦しまなくて済んだものを」


お前の従者たちは今絶賛お楽しみ中だよ。


「良いだろう。僕が直々に貴様を殺してやる。貴様がいる限り、精霊の加護ももらえないみたいだ」

「栗原さん大丈夫ですか?」


ベリルが駆け寄ってくる。


「女がでしゃばるな。『トリー・ウォール』」


クソガキがそう言うと俺とベリルの間に見えない壁のようなものができる。


「栗原さん」

「大丈夫だ、ベリルはそこで大人しくしていろ」


クソガキは四方をその壁で囲んで逃げられないようにする

元よりユキを取り返すまで逃げる気はないが


「クソガキ、ユキの四肢についている結晶はなんだ?」

「なんだよ、そんなことも知らないのか。これは精霊結晶。精霊の力を抑えるための道具だ」


だからユキは自分で逃げられなかったのか。


「そんなことよりも君は自分の心配をしなくていいのかい?今なら泣いて許しを請えば楽に死なせてやるよ」

「お前程度に許しを請うくらいならお前を殺して死んだ方がマシだ」

「良いだろう。苦しんで死ね!」


クソガキは剣を抜き、俺に向かって走ってくる。


「『表突き』」


とっさに技能スキルの『加速』を最大限の力にする

クソガキとの距離が一気に縮み、クソガキの剣が俺の胸を狙う。

俺は自分の剣でうまくクソガキの剣に合わせると、剣の軌道を変える。

たぶん剣のスキルだろう。

確か、『精霊騎士』がクソガキのジョブだったか。


「『タイムファスト』」


距離を再び取りながら、カウンターで剣をクソガキに叩きこむがスキルで逃げられる。


「まさか剣のスキルも持っていない裁定者ごときが僕の剣スキルの技を防ぐとはね」

「お前は剣スキル持っていても俺に剣の腕で劣るってもう一度魔法学院に入り直した方が良いんじゃないか?」


挑発で返してやるとクソガキは顔を真っ赤にしながらキレる。


「ふ、ふざけるのも大概にしろ。僕のようなエリートが貴様のような弱職のヤツに劣るはずないだろうが」

「だったら、そのご自慢の剣スキルで俺を倒してみろよ」


クソガキは『精霊騎士』でもたぶんレベル1。

たいして俺は『裁定者』でもレベル58。

高レベル弱職でも低レベルの強いジョブなら渡り合える。

後は隙を見てユキを救出。

『雷光』を放って逃げるのみ。

そうして万全の態勢でクソガキを始末する。


「『乱撃』」


クソガキの剣スキルを紙一重でかわしながら、カウンターを入れる。

やはり他の剣スキルでかわされる。


「クソが!『光陰』」


剣を光らせ目くらましをするが微精霊の危険察知の知らせでかわしてカウンター攻撃をするが、かわされる

それの繰り返しになる。


途中、ユキを助けようと思ったが邪魔をされる。

ベリルも見えない壁を弱い精霊魔法で壊そうとするがなかなかうまくいかない。

ベリルは強い精霊魔法のことは思い出せそうではあるが、思い出せないらしい。


「この、弱職が」

「はぁ、はぁ」


クソガキも俺も疲れが出てきている。

早急にユキを助けないと。


「貴様にだけは使いたくもなかったがこれ以上貴様に時間を取られるわけにはいかない。僕の精霊が見られることを幸運思え」

「自分のご自慢の剣が通じなかったやっかみか?」

「黙れ!弱職が」


クソガキは持っていた剣を捨て去るともう一本脇にさしていた剣を抜く。

鞘から抜かれると5つの小さな光がクソガキの周りに浮かぶ。


「僕の力を知るが良い」


クソガキはそう言いながら笑った


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