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夜襲

「ユキ、そろそろ寝ろ」

「まだー、ますたーといるー」


夜がだいぶ更けてきた。

ユキはまだ俺の部屋にいて、眠そうに目をこする。


「明日はいよいよ冒険のために家を早く出るからもう寝ろ。俺ももう寝るから」

「わかったー」


ユキはそのままふらふらと頭を揺らしながら自分の部屋に帰って行った。

あれはすぐに落ちるな。


ユキと帰りに少女の墓に寄ってバークレーに帰るとすぐにリアたちが帰ってきて、俺がリアたちに好きだと一度も言っていないと言われた。

すぐに2人に好きだと伝えてキスをすると二人とも嬉しそうだった。


その後、俺、リア、リリ、ユキは少し前までリビングでどこの場所に向かうかを話し合った。


今俺たちがいるのは人族の支配地域の中では大国のビザンティン。

この世界には人族、エルフ族、竜族、獣人族、幻人族、魔族の6つの支配地域がある。

魔王は魔族の支配地域にいるから残る5つのどの支配地域に行くべきかという相談になる。


俺個人としては少女のこともあったし、すぐに獣人の支配地域に行きたかったがかつて人族は他の5つすべてと争ったことがあるので行くのは強くなってからの方が良いということになった。

というか、周りに敵ばっか作って何がしたいんだ人族は。

とりあえず温厚な幻人族の支配地域を進みながら、比較的人族に穏健な竜人族の支配地域に向かうことにした。


「さて、そろそろ寝るか。ん?」


この世界の文字の勉強を終え、就寝しようとしたその時微精霊たちが騒がしくなった。

俺はいつもできる限り技能スキルの『感知』を付けているようにユキから勧められた。

なぜなら、微精霊たちのことが分かっていると時々こんなふうに俺に危険を教えてくれることがあるからだ。

騒がしいということは危険が迫っているということか。


「微精霊、誰かがこの家を狙っているのか?」


微精霊たちは集合して一つの白い砂のようになると机に置いてあったペンを動かし始める。


『命を狙っている』

「それは俺か、それともリアたちの誰かか?」

『たぶんあなた』

「分かった。教えてくれてありがとう」

なら、対策を取るか。





「ここだな」

「ああ」


微精霊たちの言う通り二人の男女?の声が聞こえる。

全く俺の命を狙うっていうことはもしかしてあのカイザーとかいったガキか?

確かリアたちの話じゃ、この国騎士団団長のガキなんだっけ。

どっちにしても俺を狙いにここに来るとかどこまで愚かなんだ。


「よし、いくぞ」

「本当にやるのか」

「仕方ないだろ、坊ちゃんの指示だ」

「くそ、分かった」


2人が剣をベッドに向ける。

よし、今だな。

小さな声で詠唱をする。


「『我、大地の精霊と契約する裁定者が願う。我を拒むあらゆるものを破壊し、我を導き給え。我がなすその力を示せ』」


奴らを殺さない程度に小さくかつ動けないように


「『雷光』」

「な、なん―」

「まぶしい―」


俺が放った白い雷は侵入者を大きく吹き飛ばし部屋の壁に叩きつける。

やべ、壁が突き抜けた。


侵入者はそのまま外にまで転がると動きが止まる。


俺は取った手は非常に簡単。

別の場所から布団を持ってきて丸めると俺のベッドに置いて毛布を掛けただけ。

俺はクローゼットの中に入って奴らを隙間から観察。

微精霊に頼んで夜目が利くようにしてもらったがな。

後はあいつらが暗い中剣を突き刺したところで魔法を放って試合終了。


さて今のうちにやることをしなければ

騎士団の鎧を着ていた男女からそいつらの鎧や衣服、持ち物をすべて剥ぎ取る。

男だろうと女だろうと容赦はしない。


「ど、どうしたの。すごい音がしたけど」

「なにがあったんですか」

「あら~、壁がないわね~」

「なにか爆発がしましたけどどうしたんですか?」


リア、リリ、母親、べリルがやってくる。


「ちょっと命をこいつらに狙われてな、撃退したところだ。騎士団の鎧を身に着けていたからカイザーのクソガキとかが俺に差し向けたんだろう」


リアたちは少し驚いたがあり得るかもと言う。


「あの優斗君、その人たちに襲われたんだよね」

「そうだが」

「どうして女の人の服や鎧も全部奪って、縛り上げているの?しかも下着まで脱がせたみたいだけど」

「そんなの全部売るに決まっているだろ」


何をたわけたことを。

ユキなら俺にノリノリでついてくるのに。

あれっ、ユキがいないな。

寝ているのか。

リアたちは信じられないという顔でこちらを見ている。

さて、そろそろ起こすか。


「おい、起きろ」


言いながら男女を殴る。


「ゆ、優斗君、もうちょっと優しく」

「殺されかけたんだ、これくらいがちょうどいい」


男女が目を覚ます


「あれ、俺らなんでこんな姿なんだよ」

「き、貴様、この縄をほどけ。八つ裂きにしてくれる」

「お前ら、なんで俺を狙った。確か、坊ちゃんの命だとか言ったな。坊ちゃんとは誰だ?」

「そんなことを貴様に話すか」

「そ、それよりも俺らを早く放した方が良いぜ」

「どういうことだ。お前らの仲間がいないことは微精霊から聞いている」


男のセリフに俺は眉をひそめる。


「早く俺らをほどかないとお前の精霊がどこに行ったか言わねぇぞ」


俺はその言葉を聞いた後、すぐにユキの部屋に向かい飛び込むとそこはもぬけの殻だった。

すぐに襲撃者たちのところに戻ると男の髪を乱暴につかんで持ち上げる。


「お前、ユキをどこにやった!」


自分でも驚くくらい大きな声が出た。


「いててててて。この手を離せよ」


クソっ。

乱暴に放すと男に詰め寄る。


「吐け。さもなくば殺す」

「いいのか、俺たちにそんな態度取って」

「おい、お前」

「お前は黙ってろって。俺に任せろ。どうせこいつを殺せなかったら、俺らは次の指示通りに動けばいいんだから」

「分かった」


女が男を止めるが男の言葉で納得する。


「俺らの縄をほどけ。しないのなら、お前は自分の精霊がどこにいるのかも分からないままここに突っ立って、分かったときには殺されているかもな」


こいつ、これが目的か。

縄をほどいても情報の出し渋りをして時間を稼ぐ。

そういうことならこっちにも手がある。


「リア、ヴァルトハイムのジジイにユキが連れ去られたと伝えろ。リリ、城下町にあるか分からんがあれば場所を教えてほしい店がある」

「わ、分かった」

「どんな店ですか」


リリに聞くと


「た、確かにそのような店はありますけど、何に使うんですか」

「拷問だ」

「お、俺らを拷問するなら場所は絶対吐かないぞ」

「そ、そうだ。貴様のような変態に屈しはしない」


微精霊たちにはユキの捜索を頼みながらこっちはこっちで動かないと。


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