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その後

優斗君、精霊魔法を1発しか使えないとか嘆いていたけどあれはそう言う次元ではないと思う。

あれだけ、高出力かつ範囲を限定して打っている。

栗原君は気付いていなかったみたいだけどあの白い雷が出た瞬間、演習場を薄い膜のような物が覆っていた。


そして演習場を存分に破壊した後、まるで消えるように一瞬であの白い雷はなくなってしまった。

たぶん、指定したものを破壊し尽くすまで消えないものの類いだと考えられる。


「ねぇ、リア。さっきの人が前にリアが言っていた冒険者の人?」

「うん、そうだよ。そして、今は、その、か、彼氏」


私は恥ずかしかったけれどマーガレットにそう言った。


「あの人がリアの好きな人なのね。え、でもさっきあなたの妹さんからあの人が私の恋人ですって周りに言っていたけど」


リリめ、勝手になんてこと言っているのよ。


「リリは嘘言っているの。私が彼の恋人」


マーガレットは私の言葉に何となく察しがついたようで


「姉妹で同じ人を好きになるって本当にあったのね」

「う、うるさいよ」

「まぁ、姉妹だから男の好みも似ているのか」

「勝手に納得しないでよ。私は本当に困っているんだから」


優斗君は私のことを好きでいてくれているとは思うけど、リリのことも好きみたいだから困る。

私がお風呂に入っている時とか二人きりでよくいるし。


「でも、カイザー君ちょっとまずい感じじゃなかった?」

「そうだね」


私は前にカイザー君に告白されて断ったのだけれど、未だに私に告白してくる。

今回、カイザー君は私が好きな人である優斗君に恥をかかせるつもりだったけれど、失敗してしまった。

優斗君がいなくなった後、凄い恐い顔をして怒りながら帰って行ってしまった。

カイザー君のお父さんはこの国の治安を任されている騎士団の団長だからもしかしたら優斗君が大変なことになっちゃうかもしれない。


「でも、優斗君なら大丈夫だと思うよ。ユキちゃんがいるから逆に騎士団の人達が心配だよ」


そうユキちゃんは優斗君に害を成すものに容赦がない。


「ユキってあのちっちゃい子?」

「そうだよ。ユキちゃんは精霊なんだよ」

「へぇー、精霊って初めて見た。カイザー君は確か準精霊を使役しているんだっけ」

「確かそうだった気がする」


前に学年集会の時に準精霊を使役できるようになったということで皆の前で誉められていた。

普通、精霊は使役することで精霊の力を引き出し自分が放つ魔法の強化やMPの消費を抑えるために用いる。

だから、優斗君とユキちゃんみたいな関係は初めてみて驚いた。


「でも、そんな凄い精霊を使役しているならきっと彼、冒険者ランク相当高いんじゃないの?」

「ううん。つい1ヶ月前にEになれたって言っていたよ」

「嘘でしょ、冒険者ってそんなにレベル高いって聞いてないけど」

「優斗君、『裁定者』だからランクFから始まったんだって」

「ねぇ、それじゃあ私達は彼よりどうみても弱いのに高ランクスタートって不平等じゃないの?」

「それは思うけど」


でも、さっき見ていた人でギルドで上役の人がいたからきっと優斗君はすぐに高ランクになれると思う。


「ねぇ、もっと彼氏の話をしてよ。馴初めとか」

「良いけど、優斗君あげないからね」


その後、マーガレットや私の話を聞きに来た子達に優斗君との出逢いと恋人になるまで話した。

途中、リリが加わって姉妹でどっちが優斗君の1番の恋人か言い合いになったけれど。

一通り話し終えるとマーガレットは


「さっきから聞いていたら、あなた達はその栗原君に告白しているけど、その彼本人から返事されてなくない?」


衝撃的なことを教えてくれた。


そうだよ、私好きって言ったけど優斗君から好きって1度も言われてない。

キスは何回もされたけど。

何回かディープキスだったけど。


どうやらリリもそうみたいだし、後で優斗君から言ってもらわないと。

もちろんリリより先に言ってもらわないと。

私は最後のお別れをするとリリと我先にと家に帰った。


「優斗君」

「優斗さん」

「ますたー、わたしのことすきー?」

「前にも言ったろ。好きだよ(娘的な思いで)、好きじゃなきゃお前の面倒なんて見ないだろ」


そ、そんな~。

ユキちゃんに優斗君のファースト好きが取られていた。

でも、とりあえず好きだよとは言ってもらえたから良かったけど。


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