ナンパ
ユキと帰りに少女の墓に行く。
掃除をし、今日あったことを話す。
それだけじゃなく、この後のことも話す。
これから本格的に冒険を始めること、明後日がリアの卒業式だということを話す。
話を終えると花をたむける。
本格的に冒険を始めてもここにだけは毎日通うようにしようと思う。
転移石はギルドとその日までの冒険場所と宿を記録するが、もう少しお金を出して少女の墓の前も記録しようと決めた。
自分のあの時の思いも出来事も無くさないために。
「なぁ、君どこから来たの?」
「お兄さんたちが町を案内してあげるよ」
「すっげー、この子ちょーきれいな髪しているぜ」
「い、嫌」
バークレーへの帰り道、
まさにナンパそのものだった。
女の子の方は凄く嫌そうにしている。
どこの世界にもいるんだなあんな奴。
少女のところへ行ってきた後だし見て見ぬふりをするのも少女から罰が当たりそうだし助けてやるか
「おい、その子が嫌がっているんだからそれ以上はよせよ」
「ああ、なにお前」
「俺たちはこの子に用があんの」
「正義面すんなよ」
ナンパ男どもは忌々しそうに俺を睨み、ナンパを受けていた少女は俺を見る。
ん?
夕日で見えにくかったが、彼女の髪の色エメラルドグリーンだな。
どっかで見たような?
「おい、逃げんじゃねぇよ」
少女は男どもの注意が逸れたと思い逃げ出すが、一人のナンパ男が少女の腕を掴む。
「いや、放して」
「いいだろ、ちょっとだけだよ」
「嫌がっているんだからやめてやれよ」
俺は男の手を彼女からはずすと男どもの前に立って彼女を隠す。
「おい、やんのか」
「俺たちは冒険者だぞ」
「しかもランクCだぜ」
ほう、ランクCとは。
よく見ればいい装備を持っているじゃないか。
「ユキ、アイツら殺さない程度でやれるか」
「できるよー、いまするの?」
「いや、アイツらが俺に切りかかってきたらやれ」
「わかったー」
肩車をしているユキに声をかける。
ユキのやつ俺がどんなに激しく動いても肩から落ちないんだよな。
どうやってんだろ?
「テメェ、何無視してんだよ」
俺は彼女の方を向いて
「大丈夫か?」
「あの、後ろ」
「あんなのは放っておいて問題ない」
「てめぇ、なめやがって」
一人が殴りかかってくるので
「ユキ」
「『らいけん』」
「ぎゃああああああああああああ」
ユキの手から小刀の白い雷が放たれ、冒険者を襲う。
一人がこんがり焼かれる。
それを見て逃げればいいもの他の2人が剣を抜き
「てめぇ、よくも」
「なめんじゃねえ」
切りかかるので
「ユキ、ワンモア」
「『らいけん』」
「「ぎゃああああああああああああ」」
その後はお決まりの死ぬか寄越すかの2択ゲーム
剥ぎ取って縛り上げてギルドへ突き出し、オヤジのところに防具を下取りに出す。
「オヤジ、防具下取りに出しに来た」
「兄ちゃん、いったいいくつ防具を持ってくるんだ。しかも今回のはかなりいい奴じゃないか」
「だろ」
「もういいや、兄ちゃんのことはいろいろと気にしたら負けだって気づいた」
「なら、下取り頼む」
「あいよ。一つは兄ちゃんが自分で装備しときな」
「了解」
そんな会話の後のさっき襲われていた少女の元に戻る。
少しの間ユキに見てもらっていた。
「ありがとうございます」
「問題ない。気分よく帰ろうとする前にゴミ掃除をしただけだ」
彼女は帰ってきた俺に礼を言う。
俺も臨時収入があるから気分は良い。
「ますたー」
「どうした」
ユキが俺に声をかけるので返答する。
「このこ、せいれいだよー」




