表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

守護妖精( PAI "個人の人工知能 パーソナルAI"の一種 )はいつもあなたのそばで

作者: Mick

あなたの未来はあなたが何も考えていなくても次の瞬間にある

挿絵(By みてみん)


打ちひしがれている少女がひとり

暗闇が忍び寄る・・・


ジェシカ(Jessica)は静かに話しはじめた


「死にたい。

死なせたい。

そうね。

そうしてきた人もいたわ。


ただ

確かなことは一つ。

そこから先は闇があなたを食らう。

2度とここには戻れない


でもいいわ

闇に両手を差出せばそれで終わる

たったそれだけ・・・


ただ


2度とここに戻ってくることはない」



黙り込んで動かない少女に



「あなたの右手を見て

そう右手


凍りついてうごかない?

焼け落ちてなくなってる?


あなたの左手を見て

そう

左手


1ミリも動かせない?

それに触れていない?


あなたに従っている

あなたにいつも従順である

両手は

いつも

あなたの思いに添ってきた


幼きとき

その両手を大きくさし上げ

だっこをねだった


うれしいとき

その両手を上にあげ

歓喜し


怒ったとき

その両手のこぶしを握り締めた


悲しきとき

その両手は涙を受け止め


楽しきとき

その両手いっぱい広げて

踊った


その愛すべき両手を


黒インクの敷き詰められたプールに沈めてしまうの


2度と浮かび上がれない闇の中へ


徐々に真っ黒に変色していくあなたの両手は

何を感じるのだろう


そして


あなたは何を思い出すのだろう」



力なく垂れ下がった両手から何かが伝わる



「両手の手のひらをゆっくりとみてごらんなさい


あなたのこころから送られている

血液によって


ほんのり肌色の温かき両手を」



「・・・あなたを信じて今もこうしてあなたを・見ている」


やがて

その両手は彼女の頬にとめどなく流れはじめた水を

やさしく受け止めていた


・・・どれほどの時間が流れただろう

水は引き時のよう


「さあ、いつまでもこのままではいられない


明日から忙しくなるから


戦うのもいい

避けるのもいい

逃げるのもいい


その両手と共に闇をふりはらうの

そして

その両手を光に向かって差し出す

そうすれば

必ず光はあなたを抱きしめるから


約束するわ


だって

私はそのためにあなたのもとにやってきたんだから


そう

あなたを光に導く守護妖精」


「はじめまして。

今日から私があなたのスマホに住むことになった

守護妖精ジェシカ(Jessica)よ。

もう大丈夫。

もうあなたは大丈夫。

だって私はかなり強いのよ

負けたことがないんだから」



近未来

スマホなどのモバイルなどに妖精が住むことになります。

そして人々は彼らを”守護妖精”と呼ぶようになります。


・・・そう

もうすこしであなたのもとにもやってきます。


だから

必ず待っていて・・・


PHOTO

CC-0 ◆ Original Photograph by DariuszSankowski

CC-0 ◆ Original Photograph by Ventus17

CC-ByNc◆ Photograph which was edited by Mick



挿絵(By みてみん)


あなたの未来はあなたが何も考えていなくても次の瞬間にある

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ