アリス・リデル
今回は初めてのヒロインです!
ナパサ村に住んでいる髪型がボブで髪色は綺麗な白髪をしている少女。
彼女の名前はアリス・リデル、この町に住む極一般の家庭の少女だ。
彼女はこの町でセナと同じく町を自衛する仕事をしているキャレブ・リデルとベル・リデルとの間に生まれた子供だ。
そんな彼女が最近気になってることがある。
【アリス視点】
あれは三ヶ月前の朝のこと、私ははいつものように母と洗濯物を外に干していた。
すると、男女の二人組が物凄い勢いで道の向こうのほうから走ってくるのが見えた。
女の人は母ぐらいの年齢だろうか、とても綺麗な真紅のロングで顔はとても整った顔をしていて、爽やかに走っている。
その後ろを走っているのが自分と同じぐらいの年齢の男の子だろうか、赤い髪の癖毛だ。
彼の方は物凄い形相をしており今にも倒れそうだ。
大丈夫かなと思っていると、二人が家の前を通り過ぎると思いきや私達の前に止まった。
「あ、ベル!おはよう。あとアリスちゃんも!」
「お、おはようございます。」
「おはよう、エイダ。朝のトレーニング?それにしてはかなり激しいわね。アランくん、目の焦点が合ってなくてかなり苦しそうだけど大丈夫なの?」
「あぁ、大丈夫よ。男の子はこれぐらいさせないとダメなのよ。それじゃあそろそろ行くわね!」
「うん、それじゃあね。頑張って。」
そういうとまた二人はモロの森の方に走っていった。
「お母さん、あの人達誰??」
「あーそうね。アリスはエイダとアランくんを知らないのね。」
そうすると母は私にエイダさん、アランくんの事を教えてくれた。
どうやら、エイダさんとは五年前、母と同じ時期に妊娠したらしくそのことで意気投合して良く話す友達になったそうだ。
昔小さい頃に会ったことがあるらしいのだが私は小さい頃の事なので全然覚えていない。
次にアランくんの事だが彼はこの村で12年ぶりに生まれた勇者らしい、村ではかなりの有名人になっているらしいのだが、私はそんなこと全然知らなかった。
その日から毎日、アランくんは家の前を走って来るようになった。
毎日毎日みていると、何故かだんだん話しかけてみたくなった。
まぁ家の近くに同年代の友達がいないっていうのもあったし、何故あんなに苦しそうなのに毎日走っているのか気になったからだ。
そしてあの日からちょうど三ヶ月、今日はなぜか彼は一人で走っていた。
何故だろうなぁっと思いながら彼を見ていると、いつも通りモロの森の方へ走っていく。
今日も話しかけるの無理かなぁっと思いながら洗濯物を片付け終えると、森から帰ってきたらしく戻ってきた。
すると家の前で立ち止まった。
これは今話しかけないと二度と話す機会がないと私は思ったので、私は決意して彼の元へ歩み寄った。
【アラン視点】
走り始めてから三ヶ月、俺は走る余裕が出始めて、最近では近所の人に挨拶できるぐらいだ。
今日はエイダはいない。
何故かというと最近、モロの森の魔物が活発になってるらしく、数が足りないということで召集されたようだ。
だからと言って俺は走り込みをサボることはしない。
エイダさんが怖いということもあったが、最近では走るのが楽しいのだ。
今日は余裕があったので少し早く走ることにしてみた。
しかし、完全に調子に乗ったようで家から約1キロ前ほどで立ち止まってしまった。
そうしていると。
「あのー、アランくんだよね?」
俺がふと声のした方に顔を向けると、そこには俺と同じ年ぐらいの白い髪の美少女が立っていた。
あら?俺にこんな可愛い子知り合いにいたかな?っと思ったが多分いないと言う結論に至った。
「あのー、どなたですか??」
「えっ?!あ、そうだよね。私のこと知らないよね。ちょっと説明するね。」
っと言うと彼女が何故俺の名前を知っているのか、何故話しかけて来たのかを話してくれた。
アリスって名前なのか、可愛いなぁ。
「で?なんで走ってるの??」
「あぁ、それは僕が暇をしていたら、お母さんが剣術の修行をしてあげるって言われて、そのまま流される形で体力作りのために走り込みをやらされてるんだよ。まぁ、今となっては走るのが楽しくなって、好きでやってるんだけどね。はははっ。」
「へーそんな理由が!ってアランくんって勇者なんだってね!聞いたよ!凄いね!」
その時俺は本当は魔王なんだけどなっと思ったが口にはしない。
「あぁ、そうなんだ。まぁそんな大したことじゃないよ。アリスさんの職業は何なの?」
「私?私は魔法使いだよ。」
「魔法使いなんだ、んじゃ魔法が使えるんだね。」
「え?こんな小さい頃から普通は使えないと思うんだけど・・、使えるの??」
「うん、ちょっとだけね。はははっ。」
「んじゃ、私にも教えてくれない?」
アリスは、上目遣いで頬を染めている。
そんな顔で言われたら断れるわけないでしょ!
ぺろぺろしちゃうぞ!
「うん、もちろんいいよ!」
そういうとアリスは喜んで嬉しそうに笑っている。
本当に笑顔が可愛い、抱きしめたい。
「アリスー!ちょっとこっちに来て〜。」
「はーいお母さん。今行くー。あ、アランくんちょっと待ってて。」
そういうと彼女は家に帰っていった。
どうやら、母親に呼ばれたらしい。
少しの間待っていると、アリスは巾着袋の様なものを持って家から出てきてこっちにやってきた。
「アランくんごめん。お父さんのお弁当届けに森に行かないといけなくなっちゃった。」
どうやら、アリスのお父さんがお弁当を忘れて届けないといけなくなったようだ。
アリスはすごく落ち込んで下を向いている。
落ち込んだ姿も可愛いなぁ。
「んじゃ、今度もっかいここに遊びに来るよ!その時に魔法教えるよ!」
すると、アリスの顔が満面の笑みに変わった。
「本当?絶対ね!それじゃあ、また今度ね!バイバイ!」
「うん、バイバイ!」
そのままアリスはモロの森の方に向かっていった。
とても可愛い子だった。
でも、五歳だぞ今はダメだ!
そんな調子で家に帰宅するとハンスが困った顔をしていた。
「ハンス?どうしたの?」
「あぁ、坊っちゃま。エイダお嬢様が弁当を忘れてしまいまして・・・・」
エイダもかよ!
「それじゃあ、僕が持っていくよハンス。ハンスは家の仕事があるでしょ?」
「おぉ、坊っちゃま本当ですか?それはありがとうございます。是非お願いします。」
俺は弁当を片手にモロの森へ向かった。
次はいろいろありまーす