ウィルの過去
すみません、今回はウィルの昔話と二年の旅の収穫の話です。修行編はまだです(^^;;
【ウィル視点】
俺は今王都からセナの住んでいるナパサ村に向かっている最中だ。
まぁ、道中暇だから俺の昔話でも聞いてくれよ。
誰に話してんだっていうツッコミは勘弁してくれ。
あれは俺が18歳の時の話だ。
俺は当時若くして賢聖となり、周りからは世界最強の賢者になるとまで言われていた。
だから、若さから来る過ちと言うか俺はかなり自分に酔っており、自分の世代では自分自身が最強だと思っていた。
ある日、魔大陸の若き魔王ディアルがハライド大陸の東の港町カラスコに15000の兵を率いて侵略を開始した。
王国は魔王ディアルを討伐すべく義勇軍を募り俺はそれに参加した。
王国の兵士からは2000、義勇軍からは20000人という兵士が集まった。
王国の兵士の中には、上級職の大勇者アルビス、俺の師匠である賢王サバス、剣王カリムがいたし、ましてや、魔王とは言ってもまだまだ若造のディアル、俺はこの戦呆気なく終わるだろうと思っていた。
しかし、結果は違った。
俺は魔王ディアルの圧倒的な武力の前になすすべなく半殺しにされ、約三分のニの兵士が命を落とし、俺の友もかなり死んでいった。
なんとか、アルビス、サバス、カリムが撃退したが三人ともその代償に命を落としてしまった。
後から聞いた話では当時ディアルは18歳だったという、そのときの衝撃は今でも忘れられず、俺はただの井の中の蛙なのだと気付かされた。
その日から俺はディアルに復讐を誓った。
仲間を殺されたこと、師匠を殺されたことへの復讐として。
今は停戦中だが所詮ただの時間稼ぎだ、いずれまた大きな戦いが起こるだろう。
だから、俺はその日から世界各地を飛び回り色んな修行をし、無詠唱魔法、最上級魔法も使えるようになったし、賢王にまでなった。
そんな時のことだ、親友のセナとエイダとの間に子供が産まれたことを聞いた。
俺は職業探査の依頼を受け探査した結果、驚愕だった。
俺の心から憎き職業である魔王だったのだから、しかしだからといってアランに対して憎いと感じたわけでなく、むしろ興味が湧いた。
魔王というのはどんなものなのか、この目で確かめてみたかった。
俺はその日、セナにアランの魔法教育を教えさせて欲しいと頼み、魔王について調べるためにまた旅に出た。
魔大陸にも出向き色々な奴に魔王のことを聞いたり、本なので調べたりした。
どうやら、魔王は魔法に関しては全職業の中でトップの適性を誇り、近接戦闘の剣術などの物理の戦いも得意とするそうだ。
つまり、無敵の強さを誇るのである。
分かっていたことであったが、魔法適性が賢者よりも上だったことは少しショックであった。
しかしまぁ育て甲斐があるもんだと考えると良いだろう。
絶対俺があいつのことを俺に並ぶまではいかないが、トップクラスの魔法を使えるようにさせてやろう。
ちなみにこの2年間、魔王誕生の話を聞いたが魔人の中には1人産まれたらしいが、人間の中にはアラン以外いないらしい。
しかも、大魔王ヤオルが加齢のため亡くなったらしいので、この世界にはアランを含め21人どういうことになる。
20人もいるとか骨折れるなぁ。
お、そろそろウィルの家に着くので俺の話はここまでだ。
んじゃ、さよなら〜。
次ぐらいから修行編にはいると思います(^^;;