新たな日々
最近、話がまとまっていくか不安です。
はい、どうも皆さんおはようございます!
今日ものこの時間がやってきました!
アランのお料理教室です!
今日作るのは何とピザ!
ってまぁ茶番はこんなところにしておいて、俺はこの世界の料理が嫌いってわけではないが自分の世界の料理が恋しくなってきた。
だから朝ごはんを自分で作ろうと今日は早く起きた。
もちろんエイダには許可を取っている。
本人は朝ごはんを作らなくて済むと喜んでいた。
それで今日は生前で一番好きだった料理のピザを作ろうと思う。
もともと俺は高校時代ピザ屋でバイトしていたので、作り方は分かる。
しかも、一番心配していたチーズがこの世界にあったので問題なさそうだ。
釜戸に関しては俺の土魔法で作れるので問題ない。
まず、生地を作り、サラダ油もどきを塗り、その上に昨日の晩餐で使われなかった余った野菜、肉、チーズを乗せる。
その後は外に置いてある手作り釜戸で焼くだけだ。
釜戸に火を灯しじっくりと焼いていく、こんなことをしていると前世の記憶が蘇ってくる。
あの時は店長によく怒られてたなぁっとか、先輩の瀬尾さんは美人な人だったなぁなどどうでも良いことばかりだが。
「おはよう、いい匂いだねアラン、何を作っているんだい?」
セナのやつが起きてきた。
どうやら匂いにつられて起きてやってしたらしい。
「あ、父さんおはよう。これは西の地方の料理でピザって言うんだ。パンを薄く広げたものにいろいろ具材をのせて上にチーズを乗せてね、焼いて食べるんだよ。」
「へー、それは美味しそうだね。何か手伝うことはあるかい?」
「うん、それじゃあお皿を家の中から持ってきて!」
セナは頷くと皿を取りに行ってくれた。
俺はそれからMサイズのピザを3枚ほど焼いた。
ちょっと作りすぎたかなとか思ったが、昨日の残り物ね作ったやつだし良いかなと思った。
家の中に料理を運び戻るとそこにはエイダ、ハンス、セナの姿が見えた。
ハンスは紅茶作っている。
セナとエイダは席に座って料理を待っているようだ。
「おはようアラン。料理ができたのね。また変わった料理ね、まぁいい匂いするし美味しそうね。」
「おはよう母さん。これはね切って分けて食べる料理でピザって言うんだ。美味しいらしいよ。」
「へー、それじゃあ私が切り分けるわ、その代わりに悪いんだけどティファナちゃん起こしてきてくれない?」
俺は分かったと頷くと客人用の部屋に寝ているティファナのもとに向かった。
部屋に入るとティファナの奴は気持ちよさそうに毛布にくるまって寝ていた。
ダメだ、超かわいい。
ちょっとだけ触ってもばれないよね。
俺はティファナの頬を指先で突く。
「や、やめて下さいませ母上そこはくすぐったいのじゃ。」
寝言だ。
しかし俺はハッとなり少しティファナの事が心配になった。
彼女にも母親がいてあんなのだが父親もいる。
それなのに昨日会ったばかりの俺たちの家に入れられて10年の間家に帰ってくるなと言われたらそりゃ寂しくなるだろう。
それならば、この子が寂しい気持ちにならないように俺が仲良くしてあげないと!
襲われたりしたが、それは父親に気に入られたかっただけのためだし根はそこまで悪い奴じゃないはずだ!
大丈夫だ!
ドスっ!
俺の頬にかなりの衝撃が走った。
俺は殴られた。
「き、貴様!妾がいくら可愛いからって寝込みを狙って襲おうとしておったな!」
「ち、違う!誤解だ!君を起こしに来ようとしただけだ!」
「う、嘘をつくな!なぜ妾の頬をつく必要があるのじゃ!おかしいじゃろ!」
「そ、それはあれだよ。僕特有の起こし方っていうのかな。はははっ。」
「そんな起こし方聞いたことないのじゃ!もういいのじゃこの変態!」
そう言うとティファナは一階に降りていった。
仲良くなれるのだろうか。
俺も一階に下りる。
そこには早く食べたいのかソワソワしているエイダ、そのエイダを見て笑っているセナ、紅茶をみんなのコップに注いでいるハンス、ムスッとしているティファナがいる。
「さぁさ、アラン早く座って!私お腹が減って限界よ!」
俺は席に座り、皆でピザを食べ始める。
味はかなりの出来だった、予想以上と言ってもいい。
我ながら伊達にピザ屋で2年間もバイトしていたわけでは無かったな。
エイダは早く食べたくて仕方無かったのか、大きな口でバクリっといきチーズが熱かったのか涙目になっている。
それでも味には満足しているのか、美味しい美味しいと言いながら何枚も食べていた。
セナとハンスはお互いにこんな物食べたことあります?今度調べてみましょうか?とか俺の料理について話し合っていた。
やめてくれ!そんな料理探そうとしてもないから!
ティファナの奴は初めは胡散臭そうに俺の料理を見ており、渋々一口食べると驚いた顔になりそのまま何枚もピザを頬張っていた。
どうやら、予想以上にピザが美味しかったらしい。
そういうとこも可愛いやつだな!
朝飯を食べ終わり、セナは村の自衛、ハンスは家事、エイダは食材の買い出しに行く。
エイダとは昼から剣術の修行の予定だ。
もう、朝のランニングは1人でできるといったので俺1人でやることになった。
その時少しエイダが悲しそうな顔をしたので少し心が痛んだが、アリスに魔法を教えてあげるのでそれを見られたりしたりすると少し嫌なので勘弁してほしい。
ティファナの奴は村の自衛を手伝うものだと思ってたらしいが、セナが子供にやらせるのは可哀想だということでナラハンとグールが自衛を手伝う事となった。
俺はティファナに朝のランニングに誘ったが、無茶苦茶睨まれてそっぽを向かれてそのまま家を出て行ってしまった。
俺、ムッチャ嫌われてる。
ちょっとぐらい頬触らしてくれても良いじゃないか。
まぁ、そんなことを気にしてられないので今日も朝のランニングを始める。
今日も森まで1往復する。
その後、アリスの元に向かった。
「あ、おはようアラン。今日もランニングお疲れ様!」
「うん、おはようアリス。んじゃ特訓始めようか。」
アリスは頷くといつも通り満面の笑みである。
守りたい!この笑顔!
今日はアリスに七属性ある魔法のうちどれが適性なのか見定めることにした。
ちなみに俺は闇が一番得意でそれ以外の属性もかなりの適性がある。
アリスは7つの初級魔法を唱えたところで、魔力が枯渇したのかフラフラになっていた。
俺の見立てではどうやらアリスは水と光に適性がありそうである。
「あれぇ?アラン?なんかアランが3人ぐらいいるよ?そんな魔法あるの?」
「ち、違うよ!多分、アリスは魔力の使い過ぎで疲れて目がボヤけてるんだよ。僕も最初の頃はそんな感じだったから仕方ないよ。」
「そ、そっかぁぁぁ。zzz。」
そう言うと、アリスは俺の元に身を任せて寝てしまった。
アリスの顔が俺の顔の近くに来てドキドキしたがペロペロしたい自制を抑えて彼女の家におんぶで送ってあげた。
ベルは寝ているアリスを見てかなり驚いていたが、事情を説明したら明日も面倒見てあげてねっと言われたのでさらにやる気が出た。
そして、家に戻り昼飯を食べ終わると、エイダとの剣術特訓の始まりだ。
最近ではしっかりと木刀を振ることができるようになった。
日頃の特訓の成果だな。
「今日からは剣術の特訓をするわ!アラン!あなたにこれから教えるのは天真一刀流よ!」
この世界には4代剣術と呼ばれる剣術が存在する。
それは天真一刀流剣術、八亀流剣術、龍神一刀流剣術、王国剣術の四つである。
天真一刀流剣術は攻守にバランスがとれている剣術、八亀流剣術は守備に徹する剣術、龍神一刀流剣術は攻撃に徹する剣術、王国剣術は王国騎士団が習う剣術で連携を第一とした集団のための剣術である。
俺が習うのは天真一刀流でエイダのやつはなかなかの使い手らしく、天真一刀流の三つの必殺技の一つである天斬を使えるらしい。
天斬とは剣先に魔力を貯めることにより放たれる斬撃だ。
エイダに一回見せてもらったことがあるが、大きい岩さえもスライスチーズを切るかのかのように綺麗に切ってしまう。
とんでもない威力である。
でもまあ、そんなことは初めから出来るわけないのでまずはエイダとの組手を行い天真一刀流の基本的な型を習う。
それを夕飯の時間になるまで少しの休憩を交え続ける。
この特訓は正直素振りをするよりもハードで大変だが、素振りよりも楽しいのでやりがいがあった。
しかも、エイダはやはり剣術に関しては無茶苦茶強い。
こんなことでは一生勝てないのではと思わされるぐらいだ。
まぁ、それだからこそまたやる気が出るのではあるが。
特訓も終わり夕食の時間になった。
その時間になるとティファナも帰ってきた。
しかし彼女の姿はかなり汚れており何か戦いでもしてきたかのようである。
そんな彼女にエイダがどうかしたのかと聞くと彼女は別にないので心配しないでと言うだけの一点張りだ。
そんな日々が二週間ほど続いた夜にエイダに明日、ティファナの様子を見てきてほしいと言われた。
エイダも他人の子とはいえやはり心配なのだろう。
俺はそれに了解をすると明日の剣術の空き時間に見に行くと伝え、就寝に着いた。
そして次の日を迎えた。
ティファナちゃんはお気に入りになりそうです。




