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魔王だけど勇者と言い張る!!  作者: 田舎ボーイ
第一章 生い立ち
11/23

アラン初実践

今回はアランの初めての戦いです。

 危なかった。

 森の様子がおかしいと思いエアブーストを使って急いだのは正解だった。

 じゃなきゃ今頃アリスは噛み殺されていた。

 ちなみにエアブーストとは足に風を纏わせることによって空中を飛び回ることができ、また猛スピードで移動できる上級の補助魔法だ。

 これを使うのに常人には魔力消費量が大きくあまり使われないが、俺の魔力は常人よりも有り余ってるから問題なく使える。

 自慢乙!


 俺は抱えていたアリスを地上に下ろす。

 アリスが顔を真っ赤にし涙目で俺を見ている。

 可哀想に怖かったんだろうな、でも怯えているアリスが超可愛い、ちょっと抱きついても良いんじゃないか?助けたんだし。

 良いよね?良いよね?

 そんなことを考えていると馬面の男がこちらに叫ぶように話しかけてくる。


 「てめぇ!何者だ!魔法を使えるってことはただのガキじゃねぇな。」


 俺は待ってましたと言わんばかりに答える。


 「俺の名はアラン!勇者アランだ!」


 決まった、中学生が言ってみたい言葉ランキングBest5に入る言葉。

 俺の名は◯◯!勇者◯◯!


 すると、敵の3人がこちらを見て笑っている。


 「へへへっ。お嬢これは当たりですぜ、あいつを魔王様のところに持っていけばかなりのお手柄ですぜ!」


 魔王様?ってことはこいつら魔人族か。


 「ぶひひひひひひっ。」


 「かっかっかっ!これは妾に仕留めよとの神の導きじゃ。これで父上も妾のことを認めてくれるのじゃ。あの3人はいいあのガキをつかまえるのじゃ!」


 お前こそガキじゃねぇーか。


 するとマッドドッグ約20匹と3人がこっちに向かって突っ込んでくる。


 それを見てエイダが必死にやめろと言おうとしているが、満身創痍で声が出ない。


 アリスは俺の背後に隠れてガクガクと震えている。


 やるしかない。

 コレが初実践だが俺は師匠と一緒に一生懸命魔法の練習ししたんだ。

 俺はできる!

 俺は魔力を両手に込める。

 俺はその時驚くほど冷静だった。

 ここで仕留める。

 絶対に。


 奴らがギリギリまで迫ったその時、風と水の混合で作る上級魔法、ブリザードを俺は放った。


 物凄い吹雪が奴らに襲いかかる。


 敵のマッドドッグが全て一瞬で凍りつき、ほか3人も凍らせていく。


 「ふ、ふざけんなっ!てめぇ!こんな魔法を使えるのか!」


 「ぶ、ぶひっ。寒い。」


 「こんなもの妾の魔法で溶かしてくれるのじゃ!」


 馬面はなんとかこの吹雪から抜け出そうとするが、もう体半分は凍りついている時間の問題だろう。

 豚の方はもう凍りついている。


 少女の方は何とか火の魔法で回避しようと試みるが、俺は手を緩める気はないさらに魔力こめる。


 「何じゃこれはなんという魔力じゃ。なぜ魔王の妾がこんなガキに負けるのじゃ、クソォォォォォなのじゃぁぁぁぁ。」

 

 そう言いながら魔人族であろう少女は凍りついた。


 やった。

 師匠やれましたよ。


 その後、俺は自警団全員一人一人に回復魔法をかけてあげた。


 その時、みんなは俺がここまで強いので少し俺に対して怖がっていたが、助けてくれたのにそれはおかしいと思ったのか、感謝を述べ好意的に接してくれた。


 キャレブに関しては娘を助けてもらったので、俺に対して感謝しきれず何度も何度も俺に礼を述べていた。

 それじゃあその代わりに娘さんを下さいと言おうかと思ったが、勇者は弱みに付け込むことはしないと考え踏みとどまった。


 それから、村の人々を全員集めることにした。

 これから、この3人の処遇を決めなきゃいけないからだ。


 「にしても、ウィルのやつアランをここまで鍛えていたのか。知らなかったよ。」


 「本当ね、一時はどうなるかと思ったわ。でも、私の息子がここまで強いなんて誇らしげだわ。将来、この国で英雄になるのも夢じゃないんじゃないかしら。ふふふっ。」


 俺はエイダの親バカ発言を無視し、村の人々とこの凍りついた3人の処遇についてさっさと話すことにした。


 「そんなの、殺してしまえば良いんだ!こんなことしたんだから当たり前だ!」


 まず、口を切り出したのはキャレブだ。

 娘にまで危害を加えようとしたので、かなりのお怒りモードなのだろう。

 それに対して自警団の大多数が賛成している。


 「そ、それは可哀想じゃない?まだ小さい子供もいるのよ?王都の方に送るべきじゃないかしら?」


 そう答えるのはアリスの母ベルだ。

 彼女にとって娘と同じぐらいの年の子を殺すのは可哀想だと思うところがあるのだろう。

 それに対してベルのママ友であろう人達が賛成している。


 キャレブがなんだと!っと口にすると、ベルもなによっ!と口にする。

 それを皮切りに殺す派と王都に送る派が言い争いを始めた。

 それをエイダとセナが止めようとするが誰も言うことを聞かず、どんどん口論がエスカレートしていく。


 俺は呆れてため息をつき、空を見上げる。


 すると、上空から物凄い勢いで落ちてくる黒いものを見つけた。

 なんだあれは?と思っていると民衆の真ん中にドカァンっと音を立てて落ちてきた。


 その瞬間俺は胸を締め付けられた。

 落ちてきたのは人だった。

 いや、正確に言えば魔人族の男だろう。

 耳は尖っており、髪は金髪の長髪で漆黒の鎧を纏い、剣を携えている。

 年齢はエイダやセナと同じぐらいか、しかもかなりのイケメンだ。

 俺は、いや民衆を含む俺たちはその男からの威圧感からか全く身動きを取れず、黙り込んで男を凝視していた。

 すると、男の方から俺たちに話しかけてきた。


 「この3人を氷かせたのは誰だ?出てこい。この中の子供は俺の子供なんだ。」


 どうやら、この男はあの中にいる女の子の父親のようだ。

 とゆうことは魔王か。


 「ぼ、僕です。僕がやりました。」


 ここは仕方ない。

 言わなければ全員皆殺しにされるかもしれない。


 「ほう?」


 男がそう言うと俺の元へ近づいてくる。

 俺は足が震える。

 胸が締め付けられて、倒れそうだ。

 するとセナがその男のまえを遮る。

 

 「い、いえ。この子ではありません。私がやりました。」


 すると、男がセナを凝視する。


 「ふんっ。お前ではない、お前ほどの力であやつら3人を凍りつかせるほどの力はない。」


 そういうと、男はセナを突き飛ばし俺のもとによってくる。

 必死にセナはそれを止めようとするが男に軽くあしらわれる。


 「お前が3人をやったのか。なるほど今は魔力を疲弊していてあまりないが、かなりの魔力を持てるようだな。あの3人を氷漬けにしたのも納得できる。しかも、貴様・・・・。まぁ、それはいいか。」


 そう言うと、男は俺の頭に手を近づけてきた。

 ヤバい、こいつはヤバい殺される。

 が、杞憂に終わる。

 

 男は俺の頭を撫でた。

 

「良くやってくれた。感謝する。」


 え?どゆこと?

 俺は焦った。

 自分の娘を氷漬けにした男に罰を与えるわけではなく、それどころか感謝している。

 俺は混乱する。


 「俺の娘はなどうしても俺に認めて欲しかったらしくてな、城を飛び出して人間の土地を奪おうとしたらしいのだ。俺はそんなことあいつに望んでいなかったんだがな、あのバカ娘勘違いしよったらしい。まぁ、何はともあれここでお前が止めてくれなかったら戦争になってたかもしれん。本当に感謝する。」


 どうやら、あの女の子が父に褒められたいがために独断で俺たちの村に侵略してきたらしい、何故この村を最初に襲ってきたのかは分からないが、まぁそれは置いておこう。

 そこで俺が戦いが本格的に王国に知られる前に彼女を止めたことで戦争が回避され、俺は感謝されているらしい。


 「皆のものも本当に申し訳なかった。ここは魔神王ディアルに免じて許してくれないか?」


 そういうと、みんなは一斉にコクリと頷いた。


 あの、ディアル様言葉は謝ってますが、完全にみんなをその許さないと殺すぞ威圧で脅してますよーそれ。

 

 すると、ディアルが氷漬けにされた3人を魔法で溶かし助けてあげる。


 「魔王様!あいつです!あのガキが俺らのことを氷漬けにしやがったんです!今すぐぶっ殺しましょう!」


 「ぶひーっ!」


 「父上!妾はあの男になり辱めを受けたのじゃ!」


 おいちょっと待て!

 俺は辱めなんか与えてないぞ!


 そんなことを言った3人はだが、ディアルにゲンコツを何度もくらう。


 3人とも何するの?って顔をしている。


 「貴様らは自分のやったことが分かっているのか!人間の土地を侵略すればまた戦争が始まり多くの血が流れるのだぞ!この馬鹿どもが!」


 「し、しかし父上はその昔この地の勇者に深い重傷を受け散々恨んでたでたのじゃありませんか!何度も何度もあの時のことは忘れられんとおっしゃってたではありませんか!」


 「恨んでなどおらん!俺に傷を負わせたことに対して敬意を払って何度も何度も言っていたのだ!それも分からずこの馬鹿娘が!」


 すると、少女のケツを何度も何度もディアルは叩く、勘弁しくれなのじゃぁと叫んでいるが御構い無しだ。

 馬面と豚の止めが入りようやくケツ叩きが終わり、少女はお嫁にいけないとシクシクと泣いている。

 流石にここまでやられたら可哀想だ。


 すると、ディアルがとんでも無い事を言い放った。


 「お前たちはこれからこの村で10年の間無償で働け!それまで、我が城には帰ってくるな!わかったか!」


 3人はそんなぁっと顔をしたが、すぐに諦め下を見ている。


 「いえ、ディアル様そこまでしなくても。彼らも反省してますし。ね!」


 そういうのはセナだ。

 流石に勝手に決められて、ついさっき殺しあっていたやつと一緒に働けと言われれば村のみんなも嫌だろう。

 しかし、ディアルはぶれない。


 「はっはっはっ。遠慮はいらん!この3人をメッタメタに使ってやってくれ!それとも俺の慈悲を受け取らんというわけではあるまいな?」


 おーい!ディアルさーん!それ脅しだから、慈悲とかじゃないから!


 あれだな、この人は自分のする事は絶対に譲らないタイプだな。

 だから、あの3人はここで10年働けって言われて直ぐに折れたんだろう。


 「わ、分かりました。ではそうさせていただきます。村のみんなも良いかな?」


 みんなが一斉にうなづく。


 「よし!そうと決まれば今夜は宴だ!ちょっとひとっ飛びして城から酒と料理を持ってこよう!」


 そういうと、ディアルは一瞬でその場を去り直ぐに料理を持ってきた。

 たぶん、魔王のオリジナル魔法で瞬間移動とかあるのだろう。

 ってことは俺も?


 そんなことを考えていると、宴が始まった。


 

ちょっとむちゃくちゃかな?w

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